2019.07.10郷土誌から読み解く地域歴史情報
小樽市『桂岡町』はこれからが旬・今が買い時?
さて、皆さんは小樽の『桂岡町』という町をご存知でしょうか?
札幌市民の私は数年前まで知りませんでしたが、小樽市民の方の認知度はどの程度のものでしょうか?
正直に申し上げて札幌市民にとっての認知度は非常に低いのですが、一つキーワードを言うと、ピンと来る人も多いのではないかと思います。
桂岡町は『ちょっと前まで北海道薬科大学があった場所』です。
平成27年、北海道薬科大学が小樽市桂岡町から札幌市手稲区前田に移転しました。
現在は『北海道科学大学 桂岡キャンパス』という看板が掲げられていますが、学生の通学はありません。
移転後の現在は立入りが制限されており、夏季期間中のみ薬草園が解放されています。
また、このエリアの公立小学校『桂岡小学校』については小樽市の少子化・財政悪化に伴う小中学校の統廃合に伴い、廃止となる可培性が高くなっています。
率直に言ってしまえば大学もなくなり、小学校もなくなる可培性があるような場所が『桂岡町』です。
しかし、中期的に考えると今最も注目すべきで、『買い時』なのが『桂岡町』なのではないかと考えています。
ポイント① 札幌市にも近い便利な立地
小樽市桂岡町は、小樽市東部の銭函エリアの国道5号線から南側に入った斜面に所在するエリアです。
国道5号線には、様々な商業施設があります。
◇ラルズマート桂岡店
◇セブンイレブン小樽桂岡店
◇小樽銭函西郵便局
この他にも周辺には小売店、飲食店等が並んでいます。
各種施設の充実度合いから言えば、小樽市内ではかなり高い水準にあると思います。
将来、桂岡小学校が廃校となった場合には、現在の予定では銭函小学校に統合する可培性が高いのですが、そうなった場合にはスクールバスなどが運行される予定です。
桂岡小学校自体が、桂岡町のかなり奥、山の方に建っている為、送迎を車でしているようなご家庭の場合には、逆に銭函小学校の方が便利というケースもあるでしょう。
ポイント② 小樽では珍しい綺麗に区画整理された土地
小樽市のうち、札幌市に隣接するエリアとしては、小樽市銭函と小樽市見晴町がありますが、これらは古い町並みであるため、道路が狭く、形状が歪になっている土地が多いのです。
銭函は海に近く駅からも近いので、良い場所であるとは考えていますが、海抜が低く津波の恐れがあるという意味で、防災という面ではマイナスです。
見晴町も良いエリアではあるのですが、ほとんど国道5号線の近くにしか住宅が広がっておらず、車の通行が激しいのと、住宅地として売り出される区画自体が少ない状態です。
小樽の他のエリアも道が狭い場所が多く、自動車が行き違えなかったり、除雪車が通行できなかったりと不都合が多いのが現実です。
桂岡町は戦後の造成ですので道が広く、また傾斜地であってもそこまで急な坂にはなっていません。
また、終戦直後、昭和30年代の造成地では面積も100坪前後と大振りでしたが、60~80坪とそれよりも若干小さな区画割になっている為、現在でもそのままの区画で流通しやすい傾向があります。
ポイント③ 坂の街並みとオーシャンビュー
桂岡町は海沿いの高台にありますから、遠くにはなりますが海を見渡すことが出来ます。
勿論、海からの距離という意味ではもっと海沿いに近い銭函などには劣りますが、神戸や横浜などの坂の多い街が好きな方も多いですし、これは海抜などとの兼ね合いで好みの分かれるところですね。
ポイント④ 北ガスジェネックスの『集中プロパンガス』供給地域
桂岡町は『集中プロパンガス』の供給地域です。
集中プロパン、または集中LPGとは、通常の『個別プロパン』のようにガスボンベを建物近くに置いて定期的に交換をするのではなく、都市ガスのようにプロパンガス配管が道路内に埋設されており、そこからガスの供給を受けるという形式です。
ガスボンベ交換の作業がなく、運送費が抑えられる為、ガス料金の負担も個別プロパンよりは集中プロパンの方が軽減される傾向があります。
都市ガスには及びませんが、個別プロパンガスよりは使い勝手のいいシステムと言えるでしょう。
勿論、上下水道や電気も問題なく利用出来るエリアです。
ただし、下水道については台所やトイレから出る排水を流す『汚水』のみが地中配管となっており、雨水や雪解け水を流す『雨水』は側溝を利用しています。
何故『買い時』なのか?土地の価格の推移を見る
今回のタイトルは小樽市『桂岡町』はこれからが旬・今が買い時?ですが、何故、今が『旬』で『買い時』となのでしょうか。
繰り返しになりますが平成27年の北海道薬科大学移転は桂岡町の不動産価値に非常に大きなショックを与えました。
薬科大学の学生をターゲットにした単身向けアパートのニーズは大幅に低下しました。
また、戸建に関しても桂岡町は昭和40年代から造成されたエリアである為、分譲から50年を経て、住民層の入れ替わりが始まっています。
そういった意味で、需要と供給の関係から供給過多となり、価格は下落傾向にあると言えます。
国土交通省が発怖する『整形地の”標準的な”取引価格』である公示価格の推移を見てゆきましょう。
あくまで標準的な価格ですから、実際の流通ではそれより高くなることも安くなることもあります。
平成11年に坪単価10.8万円をつけて以来、地価の下落は右肩下がりで某たけしの挑戦状のような状態になってしまっています。
薬科大の移転の正式発怖が発怖された平成24年や実際に移転した平成27年の前後に目立った動きがあると思っていたのですが、公示価格に大きな影響は与えていないようです。
平成31年時・の公示価格は坪2.9万円と、ピーク時の約4分の1の水準です。
(繰り返しになりますが、公示価格はあくまで国の発怖する標準的価格であり、それぞれの土地の流通価格と等価ではありません。)
個人的な感想としては、『えっ、こんな便利な場所が坪3万円で買えちゃうの?』というものですが、これを『価値が低い』と捉えるのか『値頃感がある』と捉えるのかは人それぞれですし、これが反転せずにまだ下がり続ける可培性も勿論あります。
どのような資産にもリスクはありますから、私は何らの責任を負えませんが、便利な立地で、よく区画整理されており、眺望もよい、という条件の土地が坪3万円で買える、というのは、個人的にはいい条件なのではないかと考えています。
価格下落についてももう下げ止まりの域に達しているように見え、人口減などを勘案してもジリジリと下がっていく事はあってもまだまだ暴落していく、という予想は流石に悲観的過ぎるのではないでしょうか。
以上のような理由から、私は小樽市桂岡町のエリアを”今、最も買い時かもしれないエリア”として注目しています。
次回以降、この桂岡町エリアの歴史について紹介してゆきましょう。
当記事は小樽・後志エリアで1283件(平成24年1月1日~平成30年12月31日実績)の取引実績を誇るイエステーション小樽店:北章宅建株式会社のスポンサードコンテンツです。
桂岡町をはじめとした後志エリアでの不動産売買は豊富な取引実績を持ち、小樽・余市・手稲・石狩に店舗を有しフットワークの軽いイエステーション:北章宅建株式会社への依頼をお薦めします。
細井 全
【参考文献】
◇堀耕『銭函の話』平成5年
◇有限会社北海道新聞中販売所『小樽・朝里紀行』平成30年
◇小樽市役所『小樽市史 第九巻 行政編(下)』(新版)平成7年
◇小樽市役所『小樽市史 第十巻 文化編』(新版)平成12年
◇大日本帝国陸地測量部 五万分の一地形図『銭函』明治29年測量
◇大日本帝国陸地測量部 二万五千分の一地形図『銭函』大正5年
◇内務省地理調査所 二万五千分の一地形図『銭函』昭和25年
◇国土地理院 二万五千分の一地形図『銭函』昭和53年
◇国土地理院 航空写真各種
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小樽店 小林 康之不動産業に携わる者として公正で安全な取引を心がけ、お客様の立場に立って最善の方法をご提案いたします。 一緒に住まいの華を咲かせましょう。