土地や空き家のこと2023.01.12

土地の一部を売却する方法とは?「分筆」の手順や費用を解説〜その3

広い土地の一部だけを売却したい場合、まずは土地を分ける「分筆」という手続きが必要です。分筆で重要なのは、どのような形状で土地を分けるかという点。分筆すると元の土地よりも狭くなり、形状によっては売却価格も大きく異なるからです。

前回までの記事では、土地の一部売却に必要な分筆の方法と手順を解説しました。今回は分筆した土地を売却する手順について見ていきましょう。

分筆した土地を売却する流れ

分筆が完了したら、次はいよいよ土地の売却です。どのような手順で進めていくのか解説します。

①売却を依頼する不動産会社を探す

土地の売却は、不動産会社に仲介を依頼します。不動産会社は大きく分けて「大手」と「地元密着型」がありますが、土地を探している人の多くは、気に入った物件を見つけてから不動産会社を選ぶ傾向があるため、ネットに広告を出している不動産会社であれば極端な違いはないでしょう。
売却がうまくいくかどうかの鍵を握るのは、会社の規模よりも営業担当者の能力や相性。複数の不動産会社を回って、信頼できる営業担当者かどうかを見極めてから判断する方法がおすすめです。

なお、不動産会社に分筆した土地の売却を相談する際は、次の書類を持参するとスムーズです。
・購入時の物件パンフレット
・登記事項証明書
・固定資産税等納付通知書

分筆した土地のうち、建物付きの土地を売却する場合は、ほかに下記の書類も必要です。
・建築確認済証
・検査済証
・図面などの建物関係の書類

【注意】相談時に登記済権利証(登識別情報通知)は不要です。持ち歩いて紛失すると大変ですので、家に保管しておきましょう。

②不動産会社を選んで媒介契約を結ぶ

不動産会社を決めたら、その会社と媒介契約を結びます。媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、次のような違いがあります。

上記の通り、それぞれの媒介契約ではルールが違います。物件の特性や売主の考え方もあるため、どれが一番良いかは一概に言えませんが、どの形態を選んでも真摯に売却活動してくれる会社を選びましょう。

③不動産会社が売却活動を行う

不動産会社が広告を出したり、購入を検討している人や他社からの問い合わせに対応するなど、土地を販売するための営業活動を行います。

専任媒介契約であれば2週間に1回以上、専属専任媒介契約であれば1週間に1回以上のペースで活動状況の報告が受けられます。売主は活動報告をしっかり確認し、問題点や気になることがあれば指摘することが大切です。

④土地購入希望者と条件交渉をする

購入希望者が現れたら、媒介契約を締結した不動産会社が間に入って、条件交渉を行います。この時、購入希望者からはよく以下のような要望が出されます。
・価格をもう少し下げてほしい
・確定測量図と現地を照合したい
・樹木はすべて伐採してほしい
・引渡日を早めてほしい、または遅くしてほしい
・(古家付きの場合)古家の解体費用は売主が負担してほしい
不動産会社はこうした要望を、売主の意見を聞きながら調整し、交渉をまとめます。

⑤売買契約を締結する

条件交渉がまとまれば、売買契約書を不動産会社が作成し、契約を締結します。売買契約時は、売主と買主が不動産会社の事務所に集まるのが一般的で、買主に向けて重要事項説明が行われた後に、売主・買主とも売買契約書へ署名・捺印をします。

売主が売買契約に準備する書類などは以下の通りです。
・実印
・認印
・身分証明書
・印鑑証明書
・登記済権利証(登記識別情報通知)
・収入印紙
・固定資産税納付通知書

契約を結んだら、買主は売主に手付金を支払います。手付金の相場は、土地の売買代金の10%前後、あるいは100万円程度です。

⑥残金決済と引き渡し

残金の受領と物件の引き渡しは、原則として同時に行います。買主から手付金を除いた残りの代金を受領しますが、買主がローンで購入する場合は、ローンの承認を待って残金決済をします。
当日は司法書士が立ち会い、所有権移転登記をするための書類をチェックします。書類に問題がなければ買主が残金を売主に支払い、司法書士に登記費用を支払います。司法書士は当日中に法務局へ行き、所有権移転登記を申請します。後日買主に登記識別情報通知が郵送されます。

固定資産税や都市計画税は、その年の1月1日時点の所有者が納税義務者です。年度途中で土地を売却した場合は、年末までの日数を日割り計算し、買主が売主に現金で支払うのが一般的です。さらに、不動産会社に仲介手数料を支払います。これで土地の引き渡しは完了です。

土地の分筆に関しては、下記のコラムでも詳しく解説しています。併せてご覧ください。

土地の分筆とは?土地を共同相続した場合の分筆方法が知りたい

次回は、分筆した土地を売却する手順について解説します。

 

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著者
土地の一部を売却する方法とは?「分筆」の手順や費用を解説〜その3

札幌手稲店 野口 祥子

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