土地や空き家のこと2025.06.30
使っていない土地は売るべきか?判断基準と活用方法を紹介
こんにちは。イエステーション北章宅建 美唄店の小河です。
使っていない土地を所有している方の中には、「このまま持ち続けるべきか、それとも売却すべきか」と悩まれている方も多いのではないでしょうか?
土地を所有する限り、毎年の固定資産税が発生しますし、草刈りや境界管理などの手間もかかります。
一方で、「将来的に地価が上がるかもしれない」「子どもや家族が使う可能性があるかもしれない」と考えると簡単には手放せず、なかなか決断が難しいところですよね。
そこで今回は、土地を売るべきかどうか迷ったときの判断基準についてご紹介。
土地を売るメリット・土地を持ち続けるデメリットや、土地の活用方法についてもわかりやすく解説しますので、ぜひご参考にしてください。
土地は売るべきか判断するための主な基準
土地を持ち続けるべきか、それとも売却したほうが良いのか。
この問いに明確な正解はありませんが、一定の判断基準は存在します。
特に、以下のような状況に当てはまる場合は、売却を前向きに検討すべきタイミングかもしれません。
ここでは、代表的な5つの判断基準をご紹介します。
①維持費や管理の負担が大きく感じられる場合
土地を所有している限り、固定資産税や都市計画税などの費用が毎年かかります。
また、雑草の処理、ゴミの不法投棄の確認、境界の見回りなど、物理的な管理の手間も発生します。
これらのコストや手間が資産価値に見合っていないと感じる場合は、「負動産」になる前に手放すという判断が合理的です。
②使用予定がなく、将来的な活用の見込みも薄い場合
今後5~10年の間に自分や家族が住む・使うといった予定が明確であれば、保有を続ける理由になります。
しかし、具体的な活用予定が見えないまま土地を保有している場合は、維持コストばかりが先行しますので、不要なコストを減らすためにも売却を検討する価値があるでしょう。
③今売ることで、節税につながる場合
土地を売却するか迷っている場合、「今売ることで税金が安くなる」ケースもあります。
代表的な特例が「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」です。
これは、相続開始から3年10カ月以内に土地を売ると、相続のときに払った相続税の一部を「土地を取得するのにかかった費用(取得費)」として計算できるという制度です。
取得費が増えることで、売却益(譲渡所得)が少なくなったとみなされて、課される税金(譲渡所得税)を抑えられる可能性があります。
例えば、土地の売却益が1,000万円ある場合でも、相続税として300万円支払っていれば、その金額を取得費に加算することで、「課税対象の売却益は700万円」とみなされる仕組みです。
なお、ほかにも要件を満たすことで使える税制上の特例はいくつか存在します。
制度の内容や適用の可否は個別の事情によって変わるため、不動産会社や税理士などの専門家に一度相談してみてはいかがでしょうか。
取得費加算の特例については、「相続した土地を売るタイミングは?失敗しない判断ポイントを解説」で詳しくご紹介しています。
④地価が下落傾向にある場合
地価が下落傾向にある場合は、早めに売却を検討するのが得策です。
特に、人口減少や商業施設の撤退などが続く地域では、将来的な値上がりを期待するのが難しいケースもあります。
ただし、地価や需給の見通しを個人で正確に判断するのは容易ではありません。
「近所で売却が増えている」「価格が下がった気がする」といった印象だけで判断すると、実は今後値上がりの可能性があった…という失敗にもつながりかねません。
的確な判断ができるよう、まずは地元の不動産会社に相談するなどして、地域の情勢を確認してみることをおすすめします。
⑤将来的な相続や贈与のトラブルを避けたい場合
将来の相続や贈与で揉めるリスクがあるなら、生前に売却して整理しておくのが賢明です。
土地は現金と違って分けにくいため、「誰が相続するか」「どう活用するか」で意見が割れやすく、結果として相続人同士のトラブルにつながることがあります。
土地を売却して現金化しておけば、相続時に平等に分けやすくなり、家族間の争いを未然に防ぐことができるでしょう。
上記のように、売却を検討すべき判断基準はいくつかありますが、実際の売却においては注意すべきポイントも多くあります。
「とりあえず売れば良い」と安易に判断すると、思わぬ失敗につながることも。
詳しくは「土地売却で多い失敗例とは?失敗しないコツを解説」でご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
土地を売るメリットと持ち続けるデメリット
続いて、土地を売るかどうかを考える際に重要となる、「土地を売るメリット」と「土地を持ち続けるデメリット」を整理してみましょう。
土地を売るメリット
まず、土地を売却するメリットとして、主に次のものが挙げられます。
- まとまった現金が手に入る
- 固定資産税などの税負担から解放される
- 管理の手間が不要になる
- 将来の資産価値下落リスクを回避できる
- 相続時に現金で分けやすくなる
土地を売れば、経済的な負担や心理的な管理責任から解放され、資産の有効活用につながるでしょう。
土地を持ち続けるデメリット
対して、土地を持ち続ける場合、下記のデメリットが想定されます。
- 固定資産税などのコストが毎年発生する
- 管理の手間や責任が続く
- 建物がある場合は劣化や老朽化が進行する
土地の所有を続けることで、使っていなくても金銭的・労力的な負担が積み重なり、いずれ資産価値の下落やトラブルに発展するリスクがあります。
このように、土地を売却することで得られる経済的メリットや管理負担の軽減は大きいといえます。
今後活用予定がない土地の場合は、維持コストや管理の手間がかかる前に、早めに手放すというのも現実的な選択肢の一つといえるでしょう。
土地を売るべきか迷ったときに考えたい活用方法
土地を手放すべきか迷っている場合、「売る」以外の選択肢として、土地を有効に活用する方法もあります。
ただし、活用には向き・不向きがあり、全ての土地や所有者に適しているとは限りません。
ここでは、主な活用方法とそれぞれの特徴、向いているケースについて解説します。
代表的な土地の活用方法とそれぞれの特徴を確認
まずは、代表的な活用例をご紹介しましょう。
①駐車場として貸し出す
駐車場としての活用は、初期費用が比較的少なく、管理の手間もあまりかからない点が魅力です。
また、狭小地や変形地といった、建物を建てにくい土地でも活用しやすいといえるでしょう。
②アパートや戸建てを建てて賃貸経営する
建物を建てて賃貸物件として運用すれば、借り手がいる限り、長期的に安定した収益が期待できます。
ただし、建築費や維持費などの初期投資が大きくなりやすく、空室リスクや修繕費の発生も想定しておく必要があります。
将来的な賃貸需要が見込めるエリアかどうかを、慎重に見極めましょう。
③トランクルームや資材置き場として貸す
「建物を建てるほどの初期投資は避けたいが、空き地のまま土地を遊ばせておくのはもったいない」という場合には、トランクルームや資材置き場などとして貸し出す方法もあります。
物置や倉庫用途として手軽に活用できるため、一定の需要が見込めるエリアであれば検討の価値があります。
④太陽光発電用地として活用する
日当たりや土地の広さなど、条件を満たせば、太陽光発電設備を設置して売電収入を得る方法も。
ただし、売電価格の下落傾向や、反射光などによる近隣トラブルなどといったリスクもあるため、事前に十分な調査と検討が必要です。
土地の売却と活用、それぞれに向いている人とは?
土地を活用すべきか売却すべきかは、その人の資金力や活用に割ける時間、将来的なビジョンによって変わります。
下記を目安に、自分の状況にあてはめてみましょう。
【土地の売却が向いている人】
- 活用予定がない(将来的にも使わない)
- 維持管理に手間や費用をかけたくない
- 資金化を急いでいる
- 空き地のまま放置しているので、防犯や近隣トラブルが気になる
【土地の活用が向いている人】
- 資金に余裕があり、初期投資が可能
- 将来的に再び使う予定がある
- 長期的に安定収入を得たいと考えている
- 管理の手間に対応できる(または外部委託できる)
土地の活用には、立地条件や周辺の需要も大きく影響し、必ず収益化できるとは限りません。
自己判断で進めるよりも、不動産会社などの専門家に相談して可能性を探ってみるのも一つの手です。
土地の活用方法は、下記のコラムで詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
土地、空き地を有効活用。その1〜賢く土地を活かすための基礎知識
土地、空き地を有効活用。その2〜自己活用8つの方法とメリット・デメリット
土地、空き地を有効活用。その3〜等価交換・定期借地・売却のメリット・デメリット
まとめ
●土地は売るべきか、迷った際の判断ポイント
土地を売るかどうかの判断ポイントとして、固定資産税や管理費などの維持コスト、家族や自分が将来使う予定の有無、節税につながる制度の適用可否などがあります。
これらの情報を整理することで、客観的な判断ができます。
●土地の売却には明確なメリットがある
まとまった現金の取得、維持費や管理の手間からの解放、将来的なトラブルリスクの回避など、土地の売却で得られるメリットは大きいといえます。
特に、使用予定のない土地を所有し続けることは、コストと負担がかさむため、売却という選択は合理的だといえるでしょう。
●土地は売るべきか?迷った場合は、土地活用も選択肢の一つ
駐車場経営、トランクルーム経営といった初期投資が比較的少なく始めやすい方法や、一定の建築費や維持費などはかかるものの、賃貸経営といった収益を見込める土地の活用手段も。
ただし、立地や周辺環境によっては、想定した収益が得られないこともあります。
土地の活用方法に悩む場合は、不動産会社など専門家に相談し、土地の特性や市場動向を踏まえたアドバイスを受けることをおすすめします。
北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
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著者

美唄店 小河 利也特に担当している岩見沢東部、三笠市、美唄市、奈井江町は地元という事もあり、細かな対応に自信があります。 不動産売買仲介のみならず、買取、賃貸仲介、管理等不動産に関する事はどのような事でもご相談ください。どうぞ宜しくお願いします。
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