土地や空き家のこと2021.09.30

建売住宅と注文住宅はどちらが売れやすい?初めての売却に必要な基礎知識を解説〜その2

建売住宅と注文住宅では、売却のしやすさに違いがあります。

売りやすいのは、建売住宅です。建売は、もともと売れやすいようにその地域の需要に合わせた家族構成を想定し、設計されています。同じ仕様の家を何棟も建てるため、注文住宅に比べて価格が安いのも特徴。万人受けする住宅は、中古物件になっても需要がある。それが建売住宅の方が売却しやすい理由です。

前回は、初めて住宅を売却することになった時、何からどのような手順で進めれば良いのかまで解説しました。今回は売却時や売却後のために知っておきたい、大切なお金の話です。

売却時に発生する費用とは

住宅を売却する時には、様々な費用が発生します。必要な費用は「仲介手数料」「印紙税」「登記費用」「不動産の譲渡所得税」などです。

仲介手数料

仲介手数料は、不動産会社に支払う費用です。仲介手数料の上限は、宅建業法で下記の通り定められています。

売買価格800万円以下:30万円+消費税
売買価格800万円以上:物件価格の3%+6万円たす消費税

※2024年7月1日に宅地建物取引業者の報酬規定が改正されました。
(空き家の流通促進を目的とした国土交通省の取り組みによるもので、800万円以下の不動産売買における仲介手数料の上限が最大33万円に引き上げられました。)

印紙税

売買契約書に貼付する印紙で、印紙税額は取引額によって異なります。契約書は2通作成しますので、売主と買主がそれぞれ1通分の印紙税を負担します。印紙税の軽減措置が施行されていることもあるので、軽減措置期間や軽減税率を調べておくようにしましょう。

登記費用

所有権移転の登記費用は、一般的に買主が負担します。しかし、場合によっては、売主側が負担する登記費用が発生することもあります(住所・氏名の変更登記など)。

譲渡取得税

不動産を売却して、利益が出れば所得税がかかります。売却価格から、その不動産を取得・譲渡(売却)するためにかかった費用を引き算で算出し、その上で利益がでた時にかかります。なお、住居として購入した物件であれば、利益が出た場合も(減価償却分を加味して)最高3,000万円まで非課税になる控除が受けられます。

売却のために必要な書類

物件売買の際に準備すべき書類は主に以下の通りです。

・印紙
・実印
・印鑑証明書
・本人確認書類(免許証など)
・権利証(登記識別情報)
・固定資産納税通知書
・固定資産評価書
・設計図面等(建築確認通知書・検査済証・測量図など)

中には、権利証をどこに保管したか忘れてしまったり、紛失してしまったというケースもあるでしょう。原則として権利証は必要ですが、見つからない場合は、司法書士による本人確認を行うことで契約を進めることは可能です。ただし手数料が発生します。

住宅ローンの残債

建売住宅を売る際に、住宅ローンの残債があるというケースもあるでしょう。住宅ローンの返済中に売却する場合は、所有権を買手に移転する前に完済することで売却可能です。どのような要件があるのかについては、金融機関や不動産会社に相談しましょう。

売却後は確定申告を忘れずに

建売住宅など不動産を売却した翌年は、確定申告が必要です。売却益がある時だけではなく、損益が出た場合も確定申告をすることをおすすめします。

確定申告をする理由

基本的には、売却益(譲渡所得)が発生した場合に必要なので、利益が出ていなければ確定申告をする義務はありません。ただし、「利益が出ない=損益が出た」場合も確定申告をすることで、税金を抑えられる可能性があります。

申告する年に、例えば給与所得など他の収入に対する税金があれば、売却損の分を差し引くことで、税金が減額される場合があるのです。

確定申告をする時期・場所

確定申告は、例年2月中旬から3月中旬ころ。家を売却した翌年に行いますので、例えば2021年9月に不動産を売却した分は、2022年2月16日〜3月15日に確定申告するということです。万が一期日が過ぎても、一定期間内であれば後からの申告も可能です。とはいえ締め切り間際の土日は大変混み合いますし、後回しにしていて忘れることもあります。できる限り早めの申告を心がけましょう。

申告書を提出する場所は、住所地を管轄する税務署です。確定申告期間中は、税務署以外にも会場を設けていることがあります。事前に調べて忘れずに申告しましょう。

まとめ

建売住宅は、実は注文住宅よりも売却しやすい物件です。

ただ、ほとんどの方にとって、不動産売却は初めての経験でしょう。売却の手順や気をつけるべきポイントをしっかり頭に入れ、信頼できる不動産会社を見つけて売却活動を進めましょう。

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著者
建売住宅と注文住宅はどちらが売れやすい?初めての売却に必要な基礎知識を解説〜その2

札幌手稲店 野口 祥子

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