ローンやお金のこと2022.01.29
フラット35が使えない物件とは?利用条件や基準を解説!〜その3
「フラット35」は、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利が特徴の住宅ローンです。返済期間は最長35年で、市場の変化や経済の動きによって金利が上昇するリスクがないため、返済計画を立てやすいのが利点。一戸建てでもマンションでも、新築・中古を問わず利用できますが、フラット35独自の技術基準を満たしていないと融資を受けることはできませんので、注意が必要です。
前回までのコラムでは、「フラット35が使えないのはどのような物件か」「購入予定の物件が基準に適合していない場合はどのような対処法があるか」を解説しました。
本来、融資を受けるためには、物件検査を依頼して適合証明書の交付を受ける必要がありますが、中古住宅の中には物件検査を省略することが可能なケースもあります。今回は、物件検査を省略できる中古住宅について詳しく説明しましょう。
物件検査をしなくてもフラット35を使える中古住宅とは
前回のコラムでは、中古住宅は、書類審査と現地調査で物件検査を行って適合証明書を交付してもらう必要がある、とお伝えしました。しかし、中には物件検査を省略できる中古住宅があります。それが、以下に挙げる5つの対象物件です。フラット35の技術基準を満たすかどうか不安な方は、チェックしてみてください。
①中古マンションらくらくフラット35
「中古マンションらくらくフラット35」とは、住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることを確認した中古マンションです。該当するマンションは、物件情報サイト(中古マンションらくらくフラット35)で検索できます。
該当する場合は、そのマンションの「適合証明省略に関する申出書」を印刷し、取扱金融機関に提出することで物件検査を省略できます。
②一定の要件を満たす長期優良住宅
築年数が20年以内の中古住宅で、新築時に長期優良住宅の認定を受けている住宅は、「【フラット35】中古住宅に関する確認書」を取扱金融機関に提出すれば、物件検査を省略できます。
③新築時にフラット35を利用した安心R住宅の中古住宅
「安心R住宅」とは、基礎的な品質が保持されていて安心な中古住宅について、国が商標登録したロゴマークを使える住宅です。耐震性や構造上の不具合などがないかを確認済みで、実施済みの点検や修繕内容について情報提供があり、どんな保証や保険が付くのかもわかるようになっています。
この「安心R住宅」である中古住宅で、新築時に「フラット35」を利用している住宅は「【フラット35】中古住宅に関する確認書」を取扱金融機関に提出することで物件検査を省略できます。
ただし、新築時のフラット35の融資が「フラット35(保証型)」であった場合には、この確認書を利用して借入申込みができる金融機関は、売主が新築時に「フラット35(保証型)」を利用した金融機関に限られるので注意しましょう。
④新築時にフラット35を利用した築10年以内の中古住宅
築年数が10年以内の中古住宅で、新築時に「フラット35」を利用している住宅は「【フラット35】中古住宅に関する確認書」を取扱金融機関に提出することで、物件検査を省略できます。
ただし、新築時のフラット35の融資が「フラット35(保証型)」であった場合には、この確認書を利用して借入申込みができる金融機関は、売主が新築時に「フラット35(保証型)」を利用した金融機関に限られます。
⑤一定の要件を満たす「スムストック」の中古住宅
「スムストック」は、大手ハウスメーカー10社が参加する団体が、優良な中古住宅の流通を活性化する目的で取り扱っている、一定の基準を満たした中古住宅のことをいいます。
住宅金融支援機構では、機構と協定を締結した団体の登録住宅である中古物件で、当該団体があらかじめ「フラット35」の基準に適合することを確認した住宅は、「【フラット35】中古住宅に関する確認書」を取扱金融機関に提出することで、物件検査を省略できます。
2019年10月時点では、この団体登録住宅の対象となるのが「スムストック」のみとなっています。
このように、中古住宅でも、あらかじめ技術基準に適合していることを確認できる物件もあります。フラット35を利用して中古住宅を取得する場合は、該当物件を探すといいでしょう。
ここまでフラット35が使える物件の要件を見てきましたが、当然ながら申込人に関する要件もあります。次回は申込人に対する要件について紹介します。
フラット35についてさらに詳しく知りたい方は、本当にお得なの?今話題のフラット35を徹底解析もご覧ください。