ローンやお金のこと2022.01.27

フラット35が使えない物件とは?利用条件や基準を解説!〜その2

「フラット35」は、最大35年間、返済期間中の金利が固定されている住宅ローンです。新築・中古、一戸建てかマンションかを問わず利用できますが、対象となる物件には一般的な住宅ローンよりも厳しい条件があります。つまり、その基準を満たしていない物件は、フラット35が使えないということ。どのような物件が対象外となってしまうのか、具体的に解説します。

フラット35が使えないのはどんな物件?

フラット35は、住宅金融支援機構が全国の金融機関と提携して提供する、全期間固定金利住宅ローンの名称です。最長35年の返済期間中、金利が変動しないため、返済計画を立てやすいのが魅力ですが、利用の際には物件が一定の基準を満たす必要があるという点に注意が必要です。

前回の記事では、「建築基準法を満たしていることが証明できない物件」「接道義務規定に適合しない物件」「住宅の規模が小さい物件」は、フラット35が使えないと説明しましたが、まだ他にもあります。引き続き、どのような物件が対象外となってしまうのか見ていきましょう。

住宅の規格に適合しない物件

フラット35が利用できる住宅の規格は、「原則として2以上の居住室(家具等で仕切れる場合も可)、炊事室、便所、浴室(浴槽を設置したもの)があり、独立した生活を営むことができるもの」とされています。このため、生活に必要な炊事室や便所などのない、「離れ」のような建物を購入するために、フラット35を使うことはできません。

なお、建築基準法では、居室には採光のための窓などの開口部が必要と定められており、住宅の場合は居室の床面積の7分の1以上が必要です。部屋数が2以上あるとしても、この基準を満たしていなければ居住室とはみなされませんので、注意してください。

戸建ての型式が適合しない物件

木造住宅(耐火構造及び準耐火構造の住宅を除く)の場合、フラット35が利用できる物件は、一戸建てか長屋住宅のみです。長屋住宅の形式の場合は、連棟タイプでも重層タイプでも可能です。

二世帯住宅は、「完全同居型」「部分同居型」「完全分離型」のいずれのタイプでも一定の条件を満たせば利用できますが、炊事室、便所、浴室のいずれかが欠ける「離れ」のような建物は利用できない可能性があります。

住宅の耐久性基準に適合しない物件

フラット35を利用するには、外壁に接する土台を木造とする住宅は「ヒノキ・ヒバ等の耐久性の高い樹種や防腐・防蟻薬剤処理された材料を用いること」とされています。

設計図書などがない木造中古住宅では耐久性基準を確認できないと考えられるかもしれませんが、現地調査で確認を行うことができます。この場合は、床下点検口や水回り周辺の基礎換気孔から、目視で土台および周辺に腐朽や蟻害がないことを確認できれば、借入の対象となります。

この他にも、耐久性基準に関する審査には以下のような確認項目があります。

・基礎は地面からの高さが40センチメートル以上あること
・換気上有効な2以上の小屋裏換気孔が設けられていること
・基礎に設けた床下換気孔の間隔が4メートル以内であること

これらは設計図書の有無に関わらず必ず行う現地確認項目です。基準に適合しない物件は、フラット35を使うことはできません。

耐震基準に適合しない物件

所定の耐震性能を満たしていない中古住宅は、フラット35を利用することができません。

特に注意が必要なのは、建築確認日が昭和56年5月31日(建築確認日が確認できない場合にあっては、表示登記における新築時期)以前の、旧耐震基準の住宅です。旧耐震基準の住宅の場合は、住宅金融支援機構が定める耐震評価基準に適合することが求められます。

 

フラット35の基準に適合していない物件の対処方法

フラット35を使いたいけれど、築年数が古い旧耐震基準の住宅だから無理かも…。そう決めつけるのは早計です。そのような中古物件であっても、所定の検査で適合と判断されればフラット35を利用することが可能です。では、どのように進めれば良いのでしょうか。

適合証明書を受ける

旧耐震基準の住宅でも、住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していればフラット35が利用できます。適合しているかどうかを確認するためには、適合証明検査機関または適合証明技術者に物件検査を依頼する必要があります。合格すると適合証明書が交付されますので、それを取扱金融機関に提出すれば借り入れが可能です。

中古住宅の物件検査では、設計図書などを確認する書類審査と、現地で目視確認を行う現地調査が行われます。現地調査で不適合箇所が見つかった場合は、必要な補修や補強を行い、改めて現地調査による再検査を受けます。

中古住宅の物件調査を依頼する場合は、住宅金融支援機構のホームページで指定機関を確認しましょう。検査費用は依頼する検査機関により異なりますが、3万円〜10万円が目安となります。

フラット35を使うためには、取得する物件が住宅金融支援機構の定める技術基準に適合していることを証明しなければなりません。これは新築・中古を問わず、物件検査に合格すれば「適合証明書」が交付され、ローンの借り入れが可能になります。
しかし中古住宅の中には、物件検査をしなくてもフラット35を使えるケースがあります。次回は、どのような中古物件が検査を省略できるのか解説していきます。

フラット35についてさらに詳しく知りたい方は、本当にお得なの?今話題のフラット35を徹底解析もご覧ください。

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著者
フラット35が使えない物件とは?利用条件や基準を解説!〜その2

札幌手稲店 野口 祥子

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