不動産管理コラム
不動産管理のこと2026.03.26
アパートで置き配禁止にできる?トラブル例や代替方法も解説
こんにちは。イエステーション北章宅建 不動産管理部の小幡です。
「アパートの廊下に置き配の荷物が放置されていて、対応に困っている」
「置き配を禁止したいが、入居者への影響も気になる」
そんなお悩みを抱えるオーナーの方は少なくないのではないでしょうか。
今回は、アパートで起こりやすい置き配トラブルの背景から、置き配禁止が可能な理由・デメリット、そして入居者の利便性を保ちながらトラブルを防ぐ具体的な対策まで解説します。
アパートの置き配トラブルにお悩みのオーナー様はぜひご覧ください。

アパートで置き配トラブルが増えている理由は?
ネット通販の普及や、配送業界における再配達問題の深刻化を背景に、荷物を玄関前などに置いて配達完了とする「置き配」を利用する人が増えています。
宅配ボックスメーカーの株式会社ナスタが実施した「置き配に関する実態調査(2025年)」によると、置き配の利用経験がある人は73.6%にのぼっています。
一方で、そのうち「置き配でトラブルを経験したことがある」と答えた人の割合は、34.4%でした。
(出典:2025年「置き配」利用率の伸びが鈍化。前年比1ポイント増の73%|株式会社ナスタ)
不在時でも荷物が受け取れる手軽さが支持されている反面、人の出入りが多いアパートではさまざまなトラブルが発生しやすい点も見逃せません。
アパートで起きやすい置き配トラブルには、以下のような例があります。
①盗難
玄関前や共用廊下に置かれた荷物は、第三者でも持ち去りやすい状態です。
人の出入りが多いアパートでは、荷物の所有者以外が簡単に触れられる環境になりやすく、盗難のリスクが高まります。
②誤配・破損
配達先を間違える誤配や、雨に濡れる・落下による破損といったトラブルも見られます。
屋外に面した玄関前では、天候や通行人の影響を受けやすく、荷物の状態が損なわれる可能性も否定できません。
③共用廊下での転倒事故
玄関前の廊下に置かれた荷物に足を引っかけ、転倒につながるケースも考えられます。
特に子どもや高齢者がいる建物では、共用部分の安全性に配慮が求められます。
④近隣トラブル・通行の妨げ
荷物が共用廊下に長時間置かれると、通行の妨げになったり、生活環境への不満が入居者同士のトラブルに発展したりすることもあります。
共用スペースの使い方を巡って苦情が出るケースも少なくありません。
なお、置き配による盗難や誤配などは、基本的に入居者と配送業者の間で解決される問題とされています。
そのためオーナーが直接責任を負うケースは多くありませんが、相談を受けた際には警察や配送業者への連絡を案内するなど、状況に応じた助言を行う対応が一般的です。
また、共用廊下に荷物が放置される状況が続く場合には、通行の安全や建物管理の観点から、入居者へ注意喚起を行うなどの対応が求められることもあります。
アパートで置き配禁止は可能?禁止される主な理由やデメリットは?
結論から言いますと、アパートで置き配を禁止することは可能です。
主な理由は次の通りです。
理由①廊下や玄関前は「共用部分」にあたるため
アパートの廊下や玄関前は、入居者が共同で使用する「共用部分」にあたります。
多くのアパートでは管理規約で「共用部分に私物を置かないこと」といったルールが定められており、置き配の荷物もこの「私物」に該当すると考えられる場合があります。
こうしたルールは賃貸借契約の入居条件として定められている場合もあり、共用部分への荷物放置が契約違反とみなされる可能性もあります。
そのため、建物の管理ルールとして置き配を禁止する対応を取ることが可能です。
理由②荷物放置が防災上問題となる場合があるため
共用廊下は、火災などの緊急時に避難するための重要な通路でもあります。
消防法や建築基準法、各自治体の火災予防条例などでは、避難経路の確保が求められており、共用廊下に物を放置することは避難の妨げとして問題になる場合があります。
荷物が廊下に置かれると通路が狭くなり、緊急時の避難を妨げる可能性もあるため、防災の観点からも置き配禁止のルールを設ける合理的な理由になりえます。
置き配を禁止するデメリット
一方で、置き配を全面禁止することにはデメリットもあります。
置き配が生活インフラとして定着しつつある現在、禁止にすると入居者の利便性が大きく損なわれる可能性があります。
日中外出が多い単身世帯や共働き世帯にとって、荷物を受け取りにくくなることは大きな負担になりかねません。
また、入居希望者の視点から見ると、置き配が利用できない物件は敬遠される可能性もあります。
空室が長引けば、結果として家賃収入の減少につながる恐れもあるでしょう。
アパートの経営状況や入居者層をふまえ、置き配を禁止するかどうかは慎重に判断することが大切です。
アパートで置き配禁止にする場合の対策と代替方法

置き配を禁止する場合でも、入居者の利便性をできる限り保つ工夫が必要です。
また、完全に禁止するのではなく、ルールを整えた上で置き配を認める方法も選択肢となります。
主な対策をご紹介しましょう。
①宅配ボックスを設置する
エントランスに宅配ボックスを設置することで、廊下への荷物放置を防ぎながら、入居者が安心して荷物を受け取れる環境を整えられます。
設置費用や管理の手間が生じるものの、盗難リスクの低減や、オートロック付き物件でも荷物の受け取りが可能になるなど、空室対策としても効果が期待できます。
宅配ボックスの種類や設置時の注意点については、「空室対策に宅配ボックスは効果的?種類と設置時の注意点を解説」で詳しく解説しています。
②コンビニ受け取り・営業所受け取りを案内する
宅配ボックスの設置が難しい場合は、コンビニや配送業者の営業所での受け取りを入居者に案内する方法もあります。
玄関前に荷物を置かずに済むため、盗難や通行妨害のリスクを避けられますし、費用をかけずに取り組める対策として有効です。
③条件付きで置き配を認め、ルールを設ける
完全に禁止するのではなく、条件付きで置き配を認める方法もあります。
例えば、次のようなルールを管理規約や掲示物で周知することで、トラブルリスクを抑えながら利便性を保つことができます。
- 置き配専用スペース(エントランス付近など)を設ける
- 指定場所(メーターボックス内など)以外への置き配は禁止する
- 24時間以上の荷物放置を認めない
- 共用廊下など通行の妨げになる場所への置き配は禁止する
ルールを設けても守られないケースはゼロではありません。
試験的に運用しながら、状況に応じて見直していく方法が現実的です。
なお、置き配は盗難や紛失のリスクがあるため、入居者へ注意喚起を行うことも重要です。
置き配を巡るトラブルが発生した場合は、基本的に当事者間で解決することを入居者に周知しておくと、クレーム対応をスムーズに進めやすくなります。
まとめ
●置き配の利用拡大とともに、アパートでのトラブルも増えている
ネット通販の普及や再配達問題を背景に置き配の利用は広がっているが、アパートでは盗難・誤配・転倒事故・近隣トラブルなどが起きやすい状況です。
トラブルの責任はオーナーに及ばないケースが多いものの、放置が続く場合は注意喚起などの対応が求められます。
●アパートの置き配禁止は可能だが、利便性低下による空室リスクも考慮が必要
管理規約や消防法を根拠に、置き配禁止のルールを設けることは可能です。
ただし、入居者の利便性低下や空室リスクの上昇につながる恐れがあるため、経営状況や入居者層をふまえた慎重な判断が必要です。
●アパートで置き配禁止にする場合は、代替手段や条件付きルールとセットで
宅配ボックスの設置や条件付きでの置き配ルールの整備など、入居者が安心して荷物を受け取れる環境づくりが大切です。
物件の状況に合わせた柔軟な対応が、トラブル防止と空室対策の両立につながります。
北章宅建では、都市部以外の賃貸アパート・戸建てを中心に不動産管理を行なっております。
不動産管理のことでお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
著者
小樽駅前店 小幡 将大賃貸物件に関するお悩みや不安、ご相談ごとは、どんなに小さなことでも私たちにお任せください。入居者様にとっては毎日の暮らしを支える住まいであり、オーナー様にとっては大切な資産です。だからこそ、お一人おひとりに寄り添い、誠実で丁寧な対応を心がけています。「ここに相談して良かった」と思っていただけるサービスを、これからも提供してまいります。
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