不動産管理コラム

不動産管理のこと2025.07.24

地方でのアパート経営は成功する?メリットと注意点を徹底解説

こんにちは。イエステーション北章宅建 不動産管理部の小幡です。

「地方でアパート経営をしても本当に成功するのだろうか」
「地方での経営にはどのようなメリット・デメリットがあるのだろう?」
そんな悩みや疑問をお持ちではありませんか?

地方での経営に興味があるものの、「都市部と比べて集客しにくいのでは?」と不安に感じる人も多いでしょう。
しかし、適切な戦略と準備を行うことで、その土地ならではの魅力を生かして成功に導くことも可能です。

今回は、地方でのアパート経営のメリット・デメリットから、成功のポイント、失敗を避けるための対策まで詳しく解説していきます。

アパート経営

 

地方でのアパート経営のメリット・デメリット

結論から言いますと、地方ならではのメリットとリスクを理解し、計画的に進めれば成功の可能性は十分あります。
地方でのアパート経営で押さえておきたい主なメリットとデメリットを見ていきましょう。

 

地方でのアパート経営のメリット

地方でアパートを経営するメリットは、下記のような内容が挙げられます。

 

初期費用を抑えて始めやすい

地方は都市部に比べて土地価格が安く、建築費も比較的抑えられる傾向があります。

これにより、アパート経営の初期投資を大きく減らせるのが魅力です。
自己資金が少なめでも挑戦しやすいことは、大きな安心材料といえるでしょう。

 

高利回りを実現しやすい

投資額を抑えられる分、家賃収入との比率で見ると高い利回りが期待できます。
地域によっては表面利回り7〜10%といった物件もあり、都心部では難しい水準の収益を目指せる場合があります。

 

競合が少なく、入居者確保がしやすい

地方は賃貸物件の数自体が都市部より少なく、新築や設備の充実したアパートはそれだけで選ばれる存在になり得ます。
ライバルが少ないことで、家賃の値崩れを抑えやすい点も魅力です。

 

地方でのアパート経営のデメリット

ただし、メリットがある一方で、下記のようなデメリットも存在することを知っておく必要があります。

 

空室が長引くリスクがある

地方では入居希望者の絶対数が少ないため、一度空室が出ると次の入居者が決まるまで時間がかかることがあります。
繁忙期を逃すと、長期間の空室が収益を圧迫するリスクもあります。

 

売却が難しい場合がある

将来、アパートごと売却しようと考えたとき、都市部に比べて買い手がつきにくい傾向があります。
人口減少や需要の少なさが影響し、希望通りの価格で売れないケースもあります。

 

維持管理コストの負担感が大きい

修繕費や設備交換費用は都市部とほぼ同じ水準ですが、地方では家賃収入が抑えめなため、相対的に維持管理の負担を感じやすい側面があります。

このように、地方でのアパート経営は「始めやすさ」と「高い収益性」が魅力ですが、一方で「空室リスク」や「出口戦略の難しさ」などは考慮しておく必要があります。

 

地方でのアパート経営を成功させるためのポイント

地方でのアパート経営は、立地や物件の選び方次第で結果が大きく変わります。
成功するために特に意識しておきたい3つのポイントを紹介します。

 

ポイント①将来的にも「人が集まる理由」がある立地を選ぶ

どれほど設備や間取りが充実していても、入居希望者がいなければ経営は成り立ちません。
まずは、入居希望者が集まりやすい地域かどうかを見極めることが大切です。

例えば次のような地域は、賃貸需要が安定しやすいと考えられます。

  • 人口増・横ばいになっている
  • 新駅の設置や大型商業施設の開業、バイパス整備など、利便性が向上する再開発が予定されている
  • 地元の大企業や大学があり、雇用や学生需要が見込める
  • スーパーや病院、役所など生活インフラが充実しており、日常生活が便利
  • 公共交通機関が近く、車を持たない層にも選ばれやすい

ただし、こうした要素があっても油断は禁物です。

例えば、大企業や大学は経営悪化や移転のリスクがないか、ニュースや経営情報をチェックしましょう。
また、商業施設は撤退や縮小の兆しがないかも確認が必要です。

このように、現在の入居率ではなく、「将来的にも、人が集まる理由があるか」を丁寧に見極めることで、長期的に入居希望者が期待できるかどうかを判断できます。

 

ポイント②立地に合った間取り・設備を整える

次に、その立地でどんな人が住む可能性が高いかを想像し、入居者のニーズに合う物件を作ることが大切です。

 

【考え方の例】

  • 近くに学校がある場合:子育て世代を想定し、2LDK・3LDKなどファミリー向けの間取りや広めの収納スペースを確保
  • 近くに工場・企業が多い場合:単身赴任者や若い単身者向けに1DK・1LDKを検討、家具付きやインターネット完備にする

人口動態調査では、単身者やファミリー層など、その地域にどんな層が多いのか(あるいは増えているのか)もあわせて確認しておくとスムーズです。

「潜在的な入居希望者がどんな生活を希望するか」をイメージし、そのライフスタイルに合った間取り・設備を整えることが成功への近道です。

 

ポイント③表面利回りを重視しすぎない

地方物件は、都市部に比べて表面利回りが高めなケースが多く、これが大きな魅力の一つです。

ただし、この数字はあくまで「満室&経費ゼロ」の理想値。
実際の経営ではさまざまな費用やリスクが発生するため、そのまま鵜呑みにしないことが大切です。

例えば、表面利回り10%の物件でも、空室率や管理・修繕費を差し引くと、実質利回りは低下します。

そのため、物件選びでは、下記のポイントを加味した収支シミュレーションを必ず行いましょう。

  • 空室リスク
  • 管理・修繕費
  • 税金・ローン返済

不動産会社や管理会社に「現地の空室率」「維持管理費の目安」を確認すれば、より現実的な数字が見えてきます。
こうしたポイントを意識すれば、地方ならではのメリットを生かしつつリスクを最小限にできます。

アパート経営の具体的な準備や流れについては、「アパート経営をするには?必要な準備や流れ、知っておきたいリスクも」で詳しくお伝えしていますので、ぜひあわせてご覧ください。

 

地方でのアパート経営の失敗を避けるために

バツ

地方でのアパート経営は都市部とは異なる特性があるため、都市部の感覚のままで進めてしまうと、思わぬ失敗を招くケースも少なくありません。
以下に、よくある失敗例とその対策を紹介します。

 

失敗例① 駐車場が足りず入居者が集まらない

「都市部では駐車場がなくても借り手はいたし、地方でも同じだろう」という考えで駐車スペースの少ない物件を購入した結果、内見はあるのに入居が決まらない…という失敗が考えられます。

地方は、生活に車が必須なエリアがほとんどです。
駐車場が不足していると「ここは便利そうだけど、車が置けないから無理」と候補から外されてしまいます。

特にファミリー層を狙う場合、1世帯につき2台分の駐車場が必要なこともあります。

【対策】

  • 物件や土地を選ぶ段階で「1世帯1〜2台分の駐車場が確保できるか」を必ず確認する
  • 屋根付き駐車場やEV充電設備を設置し、他物件との差別化する

駐車場の確保は、地方でのアパート経営における基本条件です。
あとから増設が難しいケースもあるため、最初に十分なスペースがある物件を選びましょう。

 

失敗例② サブリース契約で収益が大幅に減少

「空室が出ても家賃保証があるなら安心」
と思ってサブリース契約を選んだところ、数年後に保証賃料の見直しがあり、大幅な減額提示を受けることになってしまったというケースも。

サブリースは「家賃保証がある」という安心感が魅力ですが、契約更新時に保証賃料の改定が行われるケースが多く、収益が減少するリスクがあります。
また、管理の質や対応スピードも管理会社ごとに差があります。

【対策】

  • サブリース契約のメリット・デメリットをよく理解した上で選択する
  • 契約内容(賃料改定の条件・頻度)を事前にチェックする

「管理の手間を減らしたい」だけで決めるのではなく、長期的な収益性を踏まえた選択が重要です。

 

失敗例③ 管理会社選びでトラブル発生

「有名な会社だから安心だろう」と思って管理会社を決定したのに、入居者からのクレーム対応が遅く、評判が悪化して、空室リスクが高まる事態に…という失敗例も。

地方では、地元に精通していない管理会社だと地域特有の事情に対応できず、トラブル対応が後手に回ることもあります。
入居者対応の質は、物件の評判や入居率に直結します。

【対策】

  • 地元密着型で評判の良い管理会社を選定する
  • 実績・口コミの確認、担当者との相性も重視する
  • 定期的に管理報告を受け、現地確認も行う

管理会社は「物件のパートナー」ですから、信頼できる相手かどうかを見極めることが経営の安定に欠かせません。

 

まとめ

●地方でのアパート経営のメリット・デメリット
地方でのアパート経営は、初期費用を抑えて始められ、高めの利回りを期待できる魅力があります。
一方で、空室リスクや売却時の資産価値の低さ、維持管理コストの負担感といったデメリットもあるため、慎重な検討と対策が必要です。

●地方でのアパート経営を成功させるためのポイント
成功のためには、「人が集まる理由」のある立地選び、地域のニーズに合った間取り・設備の整備、実質利回りを重視した収支シミュレーションが重要です。

●地方でのアパート経営の失敗回避には、事前の準備が大切
都市部と同じ感覚で進めると、駐車場不足や管理会社の選定ミスなどのリスクも。
事前の調査と準備、そして信頼できるパートナー選びが失敗回避の鍵です。

北章宅建では、都市部以外の賃貸アパート・戸建てを中心に不動産管理を行なっております。
不動産管理のことでお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

 

家を売るなら不動産売却相談 家を売るなら不動産売却相談
著者
地方でのアパート経営は成功する?メリットと注意点を徹底解説

小樽駅前店 小幡 将大大学時代は建築学科で住宅について学び、不動産業界に入ってからは住宅の売買はもちろんリフォーム工事に関しても多数携わり、自分自身も数年前中古住宅を購入しました。北海道ならではの住宅の傷みや、気を付けなくてはいけない点など自分の経験を活かしてお客様と一緒に住宅探しを出来れば幸いです。至らない点もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

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