不動産管理コラム
不動産管理のこと2025.02.26
アパート経営で節税する方法と注意点を解説
こんにちは。イエステーション北章宅建 不動産管理部の小幡です。
近年、アパート経営による節税対策に関心をお持ちの方が増えています。
「アパート経営で税金対策ができると聞いたけど、実際にどのような効果があるのだろうか」「どんな税金が節税できるのか詳しく知りたい」といったお声をよくいただきます。
アパート経営は適切に行うことで、相続税や所得税など、さまざまな税金の対策として効果を発揮します。
今回は、アパート経営による節税の仕組みと、税金の種類ごとの対策方法について詳しく解説していきます。
アパート経営で節税する方法をご紹介
アパート経営では、相続税や贈与税、所得税・住民税、固定資産税などの節税が可能です。
それぞれの効果的な節税方法を詳しくご紹介します。
相続税の節税方法
相続税は、相続によって不動産など財産を取得したときにその財産にかかる税金で、その評価額を低く抑えることで節税効果を得られます。
不動産は、一般的に現金よりも相続税評価額が低くなります。
例えば、1億円の預金の場合は全額が課税対象となりますが、同額で土地とアパートを購入していれば評価額を下げることができます。
また、アパートのような収益物件の場合、土地は「貸家建付地」として評価され、建物は「借家権割合」による評価減が適用されます。
さらに、小規模宅地の特例を利用すれば、200㎡までの土地について相続税評価額を50%まで減額できます。
贈与税の節税方法
もらった財産に対してかかる税金が贈与税です。
贈与税対策には、相続時精算課税制度と暦年贈与の2つの方法があります。
相続時精算課税制度では、2,500万円までの贈与について贈与税が非課税となります。
また、暦年贈与では、年間110万円以下の贈与であれば贈与税が非課税となります。
親からアパート経営を引き継ぐ場合の詳細については、「アパート経営を親から引き継ぐ流れや経営継続のメリットなども」をご覧ください。
所得税・住民税の節税方法
所得税と住民税は不動産所得にかかる税金です。
所得税と住民税の節税には、損益通算の活用が効果的です。
アパート経営で得られる不動産所得が赤字の場合、給与所得などと損益通算できます。
必要経費としては、固定資産税などの公租公課、損害保険料、修繕費、管理委託料、借入金利子、減価償却費などが認められます。
また、青色申告を選択すると、最大65万円の特別控除を受けることができます。
さらに、10室以上のアパートを経営する場合は事業的規模として認められ、親族への給与を青色事業専従者給与として必要経費に計上できます。
固定資産税・都市計画税の節税方法
固定資産税や都市計画税は、土地と建物にかかる市区町村税です。
アパートを建てることで、これらの税金に軽減措置を適用できます。
アパートを建てると、土地は「住宅用地」として扱われ、固定資産税の課税標準額が軽減されます。
具体的には、以下のような軽減措置があります。
- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分) :課税標準額が6分の1に減額
- 一般住宅用地(200㎡を超える部分):課税標準額が3分の1に減額
都市計画税の軽減措置
都市計画税も同様に軽減措置が適用されます。
- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分):課税標準額が3分の1に減額
これからアパート経営を始めたいと考えている方は、「アパート経営をするには?必要な準備や流れ、知っておきたいリスクも」のコラムもご参考ください。
アパート経営で節税対策をするときの注意点
節税対策としても効果的なアパート経営ですが、いくつか注意すべき点があります。
法人化をしたほうが節税になる可能性がある
個人の所得が900万円を超える場合、法人化による節税効果を検討する価値があります。
これは、個人と法人では適用される税率が異なるためです。
ただし、法人化に伴う諸経費も考慮する必要があります。
一部の節税効果は一時的である
減価償却による節税効果は、年数の経過とともに減少していきます。
設備や躯体の償却が終わっていくと、減価償却費が計上されなくなるためです。
健全経営を優先する
節税効果を追求するあまり、経費をたくさん使うといったことをしていては本末転倒。
赤字経営は避けるべきです。
アパート経営の本来の目的は安定した収益を得ることです。
損益通算による税金対策は、あくまでも付随的なものとして考えましょう。
まとめ
●アパート経営で節税する方法
アパート経営では、相続税や贈与税、所得税・住民税、固定資産税などの節税が可能です。
相続税は不動産を活用し、評価額を低減できます。贈与税は相続時精算課税制度や暦年贈与の利用、所得税・住民税は損益通算や青色申告で節税が可能です。固定資産税は住宅用地特例で負担を軽減できます。
●アパート経営で節税対策をするときの注意点
個人所得によっては法人化を検討する価値がありますが、法人化に伴う経費を考慮する必要があること、減価償却による節税効果は年々減少することには注意が必要です。また、損益通算による税金対策を意識しすぎると赤字経営になってしまう可能性があります。
北章宅建では、都市部以外の賃貸アパート・戸建てを中心に不動産管理を行なっております。
不動産管理のことでお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
著者

小樽駅前店 小幡 将大大学時代は建築学科で住宅について学び、不動産業界に入ってからは住宅の売買はもちろんリフォーム工事に関しても多数携わり、自分自身も数年前中古住宅を購入しました。北海道ならではの住宅の傷みや、気を付けなくてはいけない点など自分の経験を活かしてお客様と一緒に住宅探しを出来れば幸いです。至らない点もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
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