不動産管理コラム

不動産管理のこと2026.01.28

入居者と連絡が取れないときの対処法と注意点

こんにちは。イエステーション北章宅建 不動産管理部の小幡です。

「入居者と連絡が取れなくなってしまった」
「家賃を滞納されているのに音信不通になっている」
「家族から安否確認の依頼があったが、どう対処すれば良いのだろう」
そんな悩みや疑問をお持ちのオーナー様はいませんか?

入居者と連絡が取れなくなる状況は決して珍しいことではありません。
しかし、適切な対処法を知らずに行動してしまうと、法的トラブルに発展する可能性があります。

今回は、入居者と連絡が取れないときの対処法から、契約解除の流れ、避けるべき行為まで詳しく解説していきます。

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入居者と連絡が取れないときの対処法

家賃滞納が発生した場合はもちろん、家族や職場からの問い合わせ、設備点検などをきっかけに、オーナーや管理会社が入居者と連絡を取りたい場面は少なくありません。

入居者と連絡が取れない場合、まずは段階を踏んで状況を確認し、状況に応じた対応を選択することが重要です。

 

電話・文書による初動対応

最初に行うのは電話による連絡です。
電話に出ない場合でも、時間帯を変えて複数回試みることで、つながるケースもあります。

あわせて、メールや書面による連絡も行いましょう。
ポストへの投函や郵送による文書であれば、入居者があとから内容を確認できる可能性があります。

 

電話や文書で連絡が取れない場合の共通対応

電話や文書でも反応がない場合は、入居者が実際に生活しているかどうかを確認します。
直接物件を訪問し、在宅していそうな時間帯に呼び鈴を鳴らすなど、常識的な範囲で様子を確認しましょう。

ただし、賃貸借契約が継続している以上、無断で室内に立ち入ることはできません。
確認は、郵便物が溜まっていないか、電気・ガス・水道メーターが動いているかなど、外部から把握できる範囲にとどめる必要があります。

この段階で得られる情報によって下記を判断し、次の対応を検討していきます。

  • 単なる一時的な不在なのか
  • 生活実態がない可能性があるのか
  • 安否確認を優先すべき状況なのか

 

一時的な不在が考えられる場合の対応

郵便物やメーターの状況などから、数日間の外出や長期不在が考えられる場合もあります。
仕事や私用で長期間自宅を空けており、単純に連絡がつかないケースも考えられるため、この場合は緊急連絡先や勤務先に連絡を取り、現在の状況や帰宅予定を確認しましょう。

家賃の滞納がなく、緊急性が低い場合は、一定期間様子を見るという判断も選択肢の一つです。

 

意図的に連絡を避けている可能性がある場合の対応

生活の気配が乏しく、家賃滞納が発生している場合には、入居者が意図的に連絡を避けている可能性も考えられます。
以下は、家賃滞納が確認されているケースを前提とした対応です。

 

①関係者へ連絡する

賃貸借契約時に記載されている連帯保証人、緊急連絡先、入居者の家族などに連絡を取りましょう。
関係者が入居者の近況を把握している可能性があり、連絡が取れるきっかけになる場合があります。

 

②督促状を送付する

関係者への連絡を行なっても反応がない場合は、入居者本人および連帯保証人に督促状を送付します。
督促状は、家賃滞納の事実と支払期限を文書で通知するもので、後の法的手続きに進む際の重要な証拠になります。

督促状の作成など、家賃滞納への対処について詳しくは「家賃滞納の督促はどう行う?手順や注意点」で解説しています。

 

③家賃保証会社へ連絡する

家賃保証会社を利用している場合は、滞納が発生した時点で速やかに保証会社へ連絡を入れましょう。
いわゆる「事故報告」を怠ると、滞納分の家賃について代位弁済を受けられなくなる可能性があります。

保証会社が代位弁済を行なった場合、債権者は保証会社に移り、入居者への督促や交渉も保証会社が対応することになります。

 

安否確認を優先すべき状況が疑われる場合の対応

不在状況が確認できないにもかかわらず生活の気配もない場合は、体調不良や事故などの可能性も否定できません。
この場合は、家賃回収よりも安否確認が最優先です。

まずは家族や緊急連絡先に連絡を取り、状況がわからない場合は警察に相談しましょう。
警察が開錠の必要があると判断した場合は、警察官立ち会いのもとで鍵業者に開錠を依頼し、入居者の安否や室内の状況を確認します。

 

入居者と連絡が取れないときの契約解除方法

家賃滞納が続き、入居者と連絡が取れない場合でも、一定の条件を満たし、法的な手続きを正しく進めれば、賃貸借契約を解除することは可能です。

契約を解除する場合、一般的には家賃滞納が一定期間継続し、貸主と借主の信頼関係が破綻していると判断されることが必要となります。

滞納期間だけで機械的に解除できるわけではありませんが、実務上は「家賃滞納が3カ月以上続いていること」を一つの目安として扱われるケースが多いです。
滞納状況やこれまでの経緯を踏まえ、以下のように慎重に手続きを進めます。

 

手順① 内容証明郵便による通知

入居者と連絡が取れない場合は、まず内容証明郵便を利用して通知を行います。
内容証明郵便とは、「いつ・誰が・誰に・どのような内容の文書を送ったか」を、郵便局が公的に証明してくれる送付方法です。

この通知では、下記を明確に記載します。

  • 家賃滞納の事実
  • 支払い期限
  • 期限までに支払いがない場合は契約解除を検討する旨

入居者本人だけでなく、連帯保証人にも同様の通知を送付しておくことで、その後の手続きがスムーズになります。

 

手順② 公示送達の申し立て

内容証明郵便を送付しても「宛先不明」「あて所に尋ねあたらず」といった扱いで返送されることがあります。
このように、通常の方法では入居者に通知が届けられない場合には、裁判所に公示送達を申し立てます。

公示送達とは、相手方の居場所がわからない場合に、裁判所の掲示板などに一定期間書類を掲示することで、意思表示が相手方に到達したものとみなす制度です。

申し立ての際には、主に次のような資料の提出が求められます。

  • 入居者が所在不明であることを示す調査報告書
  • 住民票の写しや不在住証明
  • 返送された内容証明郵便など、これまでの通知に関する資料

なお、申立先となる裁判所は、入居者が最後に居住していた賃貸物件の所在地を管轄する裁判所となるのが一般的です。
手続きの詳細については、管轄の裁判所に事前に確認しましょう。

 

手順③ 建物明渡請求訴訟の提起

公示送達が完了したあとは、建物明渡請求訴訟を提起します。
この訴訟では、賃貸借契約の解除を前提として、建物の明け渡しと滞納している家賃の支払いを求めます。

入居者の所在がわからない場合でも、訴状や判決書などの裁判書類は公示送達の方法で送達されるため、相手と直接連絡が取れなくても、訴訟手続きを進めることが可能です。

オーナー側の主張が認められて判決が確定すれば、裁判所を通じて強制執行を行い、建物の明け渡し手続きを実施します。

 

入居者と連絡が取れないときにやってはいけないこと

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入居者と連絡が取れない状況では、不安や焦りから自己判断で行動してしまいがちです。
しかし、対応を誤るとオーナー側が違法行為を行なったと判断され、損害賠償請求やトラブルに発展するおそれがあります。

入居者と連絡が取れない場合に共通して避けるべき行為と、契約解除を視野に入れる場面で特に注意すべき行為を整理して解説します。

 

「無断で部屋に立ち入ること」はどんな場合でもNG

入居者と連絡が取れないからといって、オーナーや管理会社が自己判断で室内に立ち入ることはできません。
無断で立ち入った場合、不法侵入やプライバシー侵害として、民事上の責任を問われる可能性があります。

家賃滞納の有無や、長期不在、安否確認の必要性にかかわらず、賃貸借契約が継続している限り、入居者には居住空間のプライバシーが保障されているからです。

状況確認は外部から把握できる範囲にとどめ、安否確認が必要な場合は必ず警察に相談し、警察官立ち会いのもとで行いましょう。

 

家賃滞納など、契約解除を視野に入れる場面で気を付けたいNG行動

家賃滞納が続き、入居者と連絡が取れない状況では、「早く退去してほしい」「これ以上損失を増やしたくない」と感じることもあるでしょう。

しかし、次のような行動は、かえってオーナー側が法的な責任を問われるおそれがあるため、注意が必要です。
いずれも正当な手続きを踏まなければ認められません。

 

①無断で鍵を交換すること

オーナーや管理会社が無断で鍵を交換してしまうと、入居者は物理的に部屋へ入れなくなります。
裁判などの正式な手続きを経ずに占有を排除する行為として、「自力救済の禁止」に反します。

たとえ家賃滞納が続いていたとしても、法的手続きを踏まずに鍵を交換することは認められていません。

 

②入居者の家財を無断で処分すること

室内に残された家財の所有権は、原則として入居者にあります。
そのため、滞納家賃の回収を目的として家財を無断で処分すると、違法行為となるおそれがあります。

家財の処分は、建物明渡請求訴訟を経た上で、強制執行などの法的手続きを通じて行う必要があります。

 

③連帯保証人や親族に契約解除を求めること

連帯保証人には家賃などの支払い義務はありますが、賃貸借契約を解除する権限はありません。
親族についても同様で、契約解除を求めても法的な効力は生じません。

契約解除は、あくまで入居者本人に対して、正しい手続きを踏んで行う必要があります。

 

まとめ

●入居者と連絡が取れないときの対処法
入居者と連絡が取れない場合、まずは電話や文書で連絡を試みます。
それでも反応がない場合は、関係者への連絡や外部からの確認を通じて状況を整理し、必要に応じて警察への相談など適切な対応を行いましょう。

●契約解除は法的手続きを正しく踏むことが重要
家賃滞納が続いている場合でも、内容証明郵便による通知、公示送達を経た上で建物明渡請求訴訟へ進むなど、契約解除には段階的な法的手続きが必要です。
自己判断を避け、専門家に相談しながら進めることが大切です。

●絶対にやってはいけない行為の回避
無断での部屋への立ち入りや鍵交換、家財の処分は、オーナー側が法的責任を問われるおそれがあります。
これらの行為は正当な手続きを踏む必要があることにご注意ください。

北章宅建では、都市部以外の賃貸アパート・戸建てを中心に不動産管理を行なっております。
不動産管理のことでお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

 

家を売るなら不動産売却相談 家を売るなら不動産売却相談
著者
入居者と連絡が取れないときの対処法と注意点

小樽駅前店 小幡 将大賃貸物件に関するお悩みや不安、ご相談ごとは、どんなに小さなことでも私たちにお任せください。入居者様にとっては毎日の暮らしを支える住まいであり、オーナー様にとっては大切な資産です。だからこそ、お一人おひとりに寄り添い、誠実で丁寧な対応を心がけています。「ここに相談して良かった」と思っていただけるサービスを、これからも提供してまいります。

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