2020.07.03会社の事

不動産流通業における仕組みの積み上げとその要点について

北章宅建の坂本です。いつもブログを見て頂いてありがとうございます。

主に不動産実務及び流通業務に関するブログを書いてきましたが、今回は趣向を変えて会社として意識して取り組んでいる仕組みの積み上げについて書いてみたいと思います。

目次

1、効果的で且つ具体的な改善が無い所に、変化はない。

2、変化の観点を見間違うと、それは悪い変化になってしまう。

3、不動産流通業における改善で大事な視点。

4、大事な事は大抵地味で即効性は薄い。しかし、効果は必ずある。

5、正しい観点での継続した改善こそが地元の不動産流通の一助になる。

 

1、効果的で且つ具体的な改善が無い所に、変化はない。

いきなり本題から入ります。

効果的で且つ具体的な改善とは何か。それは、いかにその仕事を高品質にしながら、工数(手間)を省くか、それを組織として仕組みで出来るか、この一言に尽きます。

 いくら精神論を唱えようが、ガンバリズムで鼓舞しようが、毎日不必要な明るさを追求しようが、この取り組みが無ければ何の改善もなされず徒労に終わってしまいます。

 

 私自身は社員として働いていた立場と、一人社長としての立場と、組織を見る社長としての立場を同じ業種内でそれぞれ経験しているので、この重要性が本当に良く分かります。

 ある時、ある会社の20年前の新卒募集の写真と、現在の新卒募集の写真にそれを感じました。社長が中央に座り、事務員さんから書類を受け取る風景です。

 20年前と現在で、人の配置が全く変わっておらず構図も同じで、登場人物の主役である社長だけが年齢を重ね、20年の中で人の入れ替わりがあったのか周りにいる社員は大体年齢が同じです。机の配置も、事務所の雰囲気も、書類の受け渡し方も、PC位は変化していましたが、それ以外は全く同じです。

 

「長く経営を続けてきた」、これは非常に素晴らしい事だと思います。ですが、長く続ける=変化をさせないという事ではないとも思います。

 

 20年前と構図が一緒で、社長だけが年齢を重ねる。社長が中心で書類を受け取る風景。そして構図を見るに主戦力であるのは社長一人。その社長だけが年齢を重ね、風景も内容も行っている事も一緒というのは企業として弱体化している可能性が非常に高いです。当然20年前から市場環境も大きく変わっています。

 効率的で且つ具体的な改善による変化が無いと、経年と共に会社も弱くなります。

2、変化の観点を見間違うと、それは悪い変化になってしまう。

変化が無いと会社が弱くなると書きました。

それであれば、変化はすべて受け入れるべきかといわれると、決してそうではないです。変化する選択、観点が大事な事は言うまでもありません。

 

昔ある会社で、派手な変化にばかり目が行き、現実と大幅に遊離した変化で会社を窮地に陥らせた事例がありました。やることなすことすべて外して、勝率は0に近いものがあります。その会社の本業の業種自体が歴史の積み重ねによる重みがあり、IT企業の様なやり方は正直なじまなかったのだろうと思います。そして、その違いを経営層が俯瞰的に認識できなかったのも大きな要因でもありました。

 

当社のような不動産というオールドエコノミーの業態は、積み重ねた業種の慣例、考えの比重が大きく、現実と突き合わせながら徐々に変化させていくので正直精一杯です。

(不動産に限って言えば、我々中小企業だけでなく、大手企業でも同様の傾向にあります)

(大手小売企業が不動産業に進出して苦戦するのは大体この積み重ねの重さに起因します)

歴史の積み重ねが重い業種の場合、その中で理想とのギャップを少しずつ埋める様に、着眼対局、着手小局で行っていくことをお勧めします。

業種や置かれた環境の違いを俯瞰的に考え、要点を突き詰めた具体的な改善を積み重ねる、これが良い変化であり、現実を見据えないのが悪い変化だと感じます。

 

3、不動産流通業における改善で大事な視点。

私自身は社員として働いていた立場、一人社長としての立場、組織を見る社長としての立場、それぞれを現在進行形で体験しています。その中ではっきりと言えるのは、不動産流通業は色々な課題が入り混じっており、何か一つを取り組んだところで全体が大きく改善されるわけではないという事です。派手な取り組み一つですぐ改善される程簡単なものでもありません。

不動産流通業の課題を異業種の立場で大きく強調しながら新規参入したり、変化へ取り組んだ会社が大体、普通の不動産会社になっていくか消えて無くなります。

(最近では民泊、ちょっと前は不動産取引の慣行に関して大きく変えると言って何も出来なかったですとかが目に付きました)

 

これは歴史の積み重ねの中で出てきた物事を簡単には打ち消せない、その業種の中の人は決して悪意があってそうなのでなく、そう言った課題の中で何とか現実を合わせながらやってきていて今の形があるという点に思いが至っていない事が多いと思います。

 

書類が多く、書類関係の手間が多い

一つの取引に関わる人が多く、取引当事者が角突き合わせると取引が纏まらない

法改正により年々必要資料が増える(後退が無い)

人口減少、高齢化等といった社会的課題について不動産関連の法制度が追い付いてない

法制度における矛盾の大半を不動産業者が取引の中で飲み込んでいる

不動産は輸送出来ず、工業製品の様に一括で生産する手段が無い

スケールメリットが効かない

物件数は商品を作るように一気には増やせない。同じものが一つとして無い。

好立地は物件が少ないが、地方ではただでも売れない不動産が出現している。

 

こういった課題について、徐々に紐解きながら大きな視点で着手小局で取り組むという視点を持つのが不動産流通業における改善で大事な視点であると思います。

 

4、大事な事は大抵地味で即効性は薄い。しかし、効果は必ずある。

不動産流通業で具体的な効果をもたらす改善作業は大抵地味です。書類の文言を整える、情報基盤の整備を行う、法律の改正に従い書類を変更する、分業して効率化を図る、理想のお客様を設定する、理想のお客様に刺さるコンテンツを提供する等々。

 どれも重要な取り組みであり、欠かすことが出来ません。そして人の領域まで考えていくと、それこそまだまだ大事なことはたくさんあります。

 

何か一つの派手な事だけで改善する事は一つもない。

全ての物事は緩やかに、しかし確実に強くつながっている。

 

 会社というものは人の集まりですから、意志を持った生き物であると思います。

 

5、正しい観点での継続した改善こそが地元の不動産流通の一助になる。

当社は年間300項目の仕組みの積み上げ、改善を行っています。その改善に精神論は全くありません。分かり易い書類を作る、書類内容を細かくしながら、記入領域は減らしていく、ホームページを見やすい物へ改善する、敷居を低く親しみを持って頂ける施策を投入していく、業務フローを簡素にしながら細かく分業していく等。

 お客様にとって大事な点は何か、地元の皆様にとって必要とされる不動産流通企業とは何か。この観点を常に考えていきながら、精神論に頼らない具体的な施策を行っていく事こそ、この街の不動産流通を円滑に進めていく一助になると考えています。

 同業他社さんには不動産取引は属人性が高く、ある一定の基準は作れないとはなから諦めている所もあると思います。ですが、決してその様な事はありません。必ず一定の基準は示せますし、その基準を効率化してお客様にその時間を還元できる様に出来ます。

 

会社全体の実力として、今後も具体的な改善を継続して行っていきます。

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不動産流通業における仕組みの積み上げとその要点について

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