2021.03.25地域歴史情報

住宅街として花開く-朝里・新光-の平成

朝里駅と線路

さて、前回は土地区画整理事業とモータリゼーションによって朝里インターチェンジのある朝里・新光エリアがますます住宅地としての人気を高めていったというお話をしました。
その一方で国鉄朝里駅は無人化され、国鉄も民営化されJRとなります。
ここで朝里駅の周辺を見てゆきましょう。

朝里駅の駅舎

駅舎はJR北海道でよく見かけるタイプのベージュと濃紺の三角屋根の建物です。

海に面した朝里駅

朝里駅は住宅街エリアから一段崖を下がった場所に所在しています。
JR函館本線が海沿いを走っていることからも、駅を出ればすぐに海水浴場、というような立地です。

崖地に建っていることから道路はかなり狭く、2車線が十分に確保されているとは言い難い場所もあり、行き違いには注意が必要です。

朝里駅周辺の海の家

駅からすぐの場所に海の家も複数所在しています。
無人駅となったという事からも分かる通り、この路線の主要な快速電車である快速エアポートの停車駅とはなっておらず、乗降客数はそう多くありません。
現在、国土交通省はほとんどの無人駅の乗降客数データを公開していませんが、最後に公開された年度である平成26年のデータによると一日の乗降客数も630人と、同様に快速が停まらない銭函駅の3000~4000人(複数年度のデータ)と比較するとかなり規模が小さい、と言えるかもしれません。
快速エアポートは小樽が終点で、朝里から先の小樽築港、南小樽、小樽駅はすべて停車しますから、比較対象となるのが銭函駅しかありませんでした。
とはいえ、銭函駅も札幌市に隣接して需要が高く、快速停車駅である南小樽駅の乗降客数も3000~4000人程度で同規模があるので単純に比較してはならないのかもしれません。
ちなみに小樽から先の函館本線の駅で小樽市内にあるのは塩谷駅蘭越駅ですが、いずれも無人駅であり、1日の乗降客数は最後に公開されたデータで100人未満とかなり寂しいものがあります。
朝里エリアに関しては国道5号線札樽自動車道がある為に、マイカーでの移動や路線バスでの移動がさかんに行われているのではないか、と考えます。

朝里駅の自動改札

そんなこんなで平成11年には自動券売機や簡易自動改札機の導入によって朝里駅は完全無人化されています。
”完全”無人化と無人化の違いですが、“完全”無人化とは出札業務=切符の販売を機械化して完全に人間が常駐しない状態となることを言うようです。
単なる無人化の場合には、JR以外の外部に切符の販売を委託する形で、駅舎内や近隣の商店などで駅を販売することのようです。JR職員が改札や駅に常駐しないので、これも無人化と言っていた訳ですね。

平成20年以降に撮影された航空写真を見てゆきましょう。

平成20年の朝里の航空写真

住宅街の密度が前回よりも更に上がりましたね。
朝里の特色として、交通の結節点であるという他にあげられる点として、大規模小売店が多く所在していることが挙げられるでしょう。
平成16年、国道5号線沿いの新光2丁目にあった鉄道と道路の工事会社、株式会社釧路製作所の小樽工場が廃止され、その跡地に翌平成17年朝里ショッピングセンターが開業します。(なお、釧路製作所は廃業した訳ではなく、現在も札幌と釧路で営業しています。)

朝里ショッピングセンター

ホクレンショップFoodFarm朝里店ツルハドラッグ朝里店を中心にガソリンスタンドや飲食チェーン、携帯ショップ、歯科などが入居しています。
令和3年現在の飲食店舗としてはすき家5号小樽朝里店小樽なると屋朝里本店がありますが、特にこのすき家北海道第一号店であったということです。
北海道には昔から牛丼チェーンが少ない印象がありますが、平成17年まですき家が参入していなかったとは…驚きです。

 

小樽の中心部はそもそも平地が少ない中に歴史的建造物や倉庫、観光施設が立ち並んでおり、なかなか大規模店舗を設置することは出来ませんし、小樽築港のウィングベイ小樽は賃料の問題や、国道沿いではないというアクセスの問題もあって、利便性の高い大規模店舗という意味では朝里に軍配が上がるようです。
朝里ショッピングセンターを中心に大規模小売店の出店は現在も続いています。
平成24年、同じく新光2丁目に北海道地場のホームセンターチェーンであるイエローグローブ小樽朝里店が開店。
平成30年には朝里ショッピングセンターの裏手と言いましょうか、道道1号線沿いにサツドラ朝里店が開店。
サツドラは言わずと知れたサッポロドラッグストアーですが、平成28年から店舗の正式名称として『サツドラ』を使用しているとの事です。

朝里の札幌ドラッグストア外観

朝里札幌ドラッグストアの看板

道道1号線を挟んだ両脇にサツドラ朝里ショッピングセンターがあるという形になっています。

 

また、同平成30年、には朝里インターチェンジを超えた先の新光5丁目に24時間営業のスーパーセンタートライアル小樽朝里店が開業しています。
トライアルは大規模スーパーマーケットとホームセンターが複合したような業態で、普段使いをする地元住民にとっても外部からのアウトドア客にも需要があると言えるでしょう。

朝里のトライアルの看板

朝里のトライアルの外観

朝里インターチェンジ

このように、平成に入ってからは大規模な小売店が多数開店し、小樽周辺だけではなく、後志地区全体から人を呼び込むことが出来るようになったと言われている朝里エリアは、令和以降もまだ発展の余地を残していると言えるでしょう。

ただ単に戸建住宅地であるというだけでは高齢化が進行して市街が空疎化してしまいますが、商業施設や交通施設があることによってそこで働く人が住まい、住民も建物も適切に新陳代謝をしてゆくことが可能になります。
今後、後志自動車道が倶知安方面まで開通することが、朝里のポテンシャルであると言うことが出来るのではないでしょうか。

 

当記事は⼩樽・後志エリアでインターネットに掲載されていない物件情報や、地域ならではの不動産の売却・購⼊・賃貸・管理に関するノウハウを有するイエステーション:北章宅建株式会社のスポンサードコンテンツです。
⼩樽・後志エリアの不動産に関するご相談はイエステーションの各店舗への依頼をお薦めします。

細井 全

【参考文献】
◇有限会社北海道新聞中販売所『小樽・朝里紀行』平成30年
◇小樽港湾建設事務所『写真集 小樽築港100年のあゆみ』平成9年
◇小樽郡朝里村役場『札樽国道小樽銭函間改良工事写真帖』昭和9年
◇小樽市役所『小樽市史 第1巻』(旧版)昭和18年
◇小樽市役所『小樽市史 第2巻』(旧版)昭和18年
◇小樽市役所『小樽市史 第3巻』(旧版)昭和19年
◇小樽市役所『小樽市史 第1巻』(新版)昭和33年
◇小樽市役所『小樽市史 第2巻』(新版)昭和36年
◇小樽市役所『小樽市史 第3巻』(新版)昭和56年
◇小樽市役所『小樽市史 第4巻』(新版)昭和56年
◇小樽市役所『小樽市史 第5巻』(新版)昭和56年
◇小樽市役所『小樽市史 第6巻』(新版)昭和56年
◇小樽市役所『小樽市史 第7巻 行政編(上)』(新版)平成5年
◇小樽市役所『小樽市史 第8巻 行政編(中)』(新版)平成6年
◇小樽市役所『小樽市史 第9巻 行政編(下)』(新版)平成7年
◇小樽市役所『小樽市史 第10巻 社会経済編』(新版)平成12年
◇小樽市役所『小樽市史 第10巻 文化編』(新版)平成12年
◇小樽市『未来のために=山田市政3期12年をふりかえって=』平成24

◇小樽観光大学校『おたる案内人 検定試験公式ガイドブック』平成18年
◇佐藤圭樹『小樽散歩案内』平成23年
◇大日本帝国陸地測量部五万分の一地形図『小樽』明治29年測量、明治42年部分修正
◇大日本帝国陸地測量部五万分の一地形図『銭函』明治29年測量、明治42年部分修正
◇大日本帝国陸地測量部五万分の一地形図『小樽東部』大正7年
◇大日本帝国陸地測量部五万分の一地形図『石倉山』大正5年
◇内務省地理調査所二万五千分の一地形図『小樽東部』昭和25年
◇内務省地理調査所二万五千分の一地形図『張碓』昭和31年
◇国土地理院 航空写真各種

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小樽店 小林 康之不動産業に携わる者として公正で安全な取引を心がけ、お客様の立場に立って最善の方法をご提案いたします。 一緒に住まいの華を咲かせましょう。

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