相続や名義のこと2020.01.07

不動産相続で確定申告が必要なケースと方法、注意点を解説!

こんにちは!北章宅建 小樽店 副店長の柴田です。

土地や建物などの不動産を相続して財産が増えたら確定申告は必要?
答えは「不要」です。
でも、場合によっては確定申告が必要となるケースもあるのでご注意ください。

今回は不動産の相続にまつわる確定申告のお話。
確定申告が必要・不要な場合と、その方法や注意点についてご紹介します。

確定申告と電卓と疑問を抱く人々

 

不動産を相続したら確定申告は基本的に不要。でも必要なケースもある!

不動産を相続した場合、基本的には確定申告は不要です。

確定申告とは1月1日から12月31日までの1年間の所得を申告して所得税を納めること。
相続で得た遺産は「所得」とはみなされないので、そこに所得税は課税されません。
よって、不動産の相続に対して確定申告は必要ありません。

ただし、以下の4つのケースの場合は所得税の確定申告が必要となるので注意しましょう。

【1】相続した不動産を売却した場合

相続した不動産を売却した場合、その売却利益は「所得」とみなされるので所得税の確定申告が必要となります。
売却金額全てではなく、売却額から取得費用を引いた「売却利益」に対して所得税が課税されます。

 

【2】賃貸収入がある不動産を相続した場合

賃貸アパートや駐車場など賃貸収入を生む不動産を相続した場合が該当します。
相続開始(被相続人が亡くなった日)以降に発生した賃貸収入は相続人の所得となり、確定申告が必要となります。

 

【3】不動産を現金化して分割相続した場合

相続の段階で不動産を売却して現金で分け合った(等価分割)場合、そのお金は所得とみなされるので確定申告が必要となります。
この場合も売却代金すべてに所得税がかかるのではなく、取得費用を引いた売却益に対して課税されます。

 

【4】相続した不動産を寄付した場合

国や地方自治体、特定の団体へ財産を寄付した場合、一定の要件を満たしていれば寄付金控除として所得税の控除を受けられる可能性があります。
課税ではなく所得税の節税のために確定申告をすることをおすすめします。

 

不動産相続で確定申告が必要な場合、申告の方法とは?

不動産相続に関わる確定申告をする場合、方法は3つあります。

【1】税務署の相談窓口で申告書を作成して申告

必要資料を持参の上で管轄の税務署へ足を運び、職員に相談しながら確定申告書を作成し、その場で確定申告を行うことができます。
確定申告の期限が近づいてくると大変混み合いますので、早めに相談すると良いでしょう。

 

【2】国税庁のホームページ上で申告書を作成して申告

国税庁のホームページ上には「確定申告書作成コーナー」があり、 Web 上で確定申告書を作成することができます。
作成した申告書は電子申告システム「e-Tax」を利用して電子申告するか、プリントアウトして郵送で申告することもできます。

 

【3】税理士に依頼して申告

不明点が多くて不安な場合や金額が大きな場合は税理士に依頼して確定申告するのも一つの方法です。
依頼料がかかりますが、一番手間がなく安心感のある方法でしょう。

賃貸アパートや駐車場など賃貸事業を引き継ぐ場合は、事業継承の手続きを行う必要があります。
税金優遇の大きな青色申告での確定申告をした方が良いケースもあり、その場合は書類提出の期限などもあるので早めに税理士に相談することをおすすめします。

 

不動産相続での確定申告、期限や注意点は?

カレンダーとチェックリスト

不動産相続に関わる確定申告の期限は、所得の発生した翌年の2月16日~3月15日の1ヵ月間です。
確定申告をしなかったり期限に遅れたりしてしまうと、無申告加算税や延滞税が課せられてしまいますので注意しましょう。

不動産を現金化して分割相続した場合、基準日はそれぞれの口座に振り込まれた日ではなく不動産を売却した日となります。
例えば売却日が2020年12月25日、分割して相続人それぞれの口座に振り込まれたのが2021年1月1日の場合、確定申告の期限は2021年2月16日~3月15日までです。

また、不動産相続に関して所得税の確定申告が不要でも、不動産の評価額によっては「相続税の申告」が必要となる場合があります。
相続税の申告と納付は相続開始から10カ月以内。
確定申告とは期限が違うのでこちらも注意が必要です。

相続税申告の必要の有無や相続税額の計算方法などについては、こちらでも詳しくご紹介しています。
不動産の相続税、計算方法は?その不動産の相続税はいくらなの?

 

まとめ

  • 相続した不動産は「所得」とみなされないので基本的には所得税の確定申告は不要です。ただし、相続した不動産を売却した場合、賃貸収入がある不動産を相続した場合、不動産を現金化して等価分割した場合は所得税の確定申告が必要となります。また一定の要件の下で不動産を寄付した場合は寄付金控除の適用となるケースがあり、確定申告によって節税となることもあります。
  • 確定申告の方法は3つあります。管轄税務署の窓口で申告書を作り申告する、国税庁HP上で申告書を作り電子申告か郵送で申告する、税理士に依頼して申告する。金額が大きい場合や不明点が多く不安な方は税理士へ依頼することをおすすめします。
  • 所得税の確定申告は所得があった年の翌年2月16日から3月15日までの間に行います。期限を過ぎてしまうと無申告加算税や延滞税が課せられてしまいますので注意しましょう。また、所得税の確定申告は不要でも相続税の申告が必要となる場合があります。その場合の申告期限は相続開始から10ヵ月以内と、確定申告の期限とは異なりますのでこちらも忘れないようにしましょう。

 

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