事故物件という言葉。かなりストレートな表現ですが、事故物件と聞くとどんな物件を思い浮かびますか？
「住居内で事故や、事件で、人が亡くなってしまった物件」と解釈をされる方がほとんどでしょう。
また、上記のような事故物件を保有している方は、
１：売却などの方法で、できるだけ早急に手放したい
２：そもそも、事故物件は売れるのか？
３：売却の方法は？
４：価格はどの位相場より下がるのか？
など、通常の不動産売却と違って、紆余曲折あるのではないかと想像されている方が大半です。
なかなか相談のしづらい事故物件の売却について、今回は解説していきます。

事故物件とは？

事故物件と一言で表すと、どこからどこまでの範囲が当てはまるのか、意外と知らない方が多い気がします。
それもそのはず、「事故物件」に関してのガイドラインが今までなかったことも１つの要因として考えられますが、現在では、国土交通省が事故物件に関してのガイドラインを公表したことで、定義が定まりました。
「自殺や他殺などで、当該の家で、人が亡くなる事故、事件が起きた不動産」が事故物件とされ、老衰、病死、自然死のケースは、該当外とされています。※１
※１老衰・病死・自然死等で、長期間放置され、害虫などが発生し、特殊な清掃を入れる必要がある場合は該当されます。

心理的瑕疵

心理的瑕疵に値するかどうかも事故物件と評される１つの要因となります。
心理的瑕疵とは、「買主や借主が、心理的に抵抗のある状態の物件」であることが挙げられます。
人の死によって、この物件を購入することが後ろ向きになってしまうのも、心理的瑕疵に該当すると言ってよいでしょう。
その他には、近隣にゴミ屋敷があったり、近くに宗教施設があるなども、心理的瑕疵に該当してきます。

物理的瑕疵

心理的瑕疵が、ソフト面と考えると、物理的瑕疵は、物件そのものに対するハード面と言えるでしょうか。
物理的瑕疵に該当する物件は、雨漏りなどで、住宅に破損が生じていたり、シロアリが発生していることが代表的な例となります。

事故物件の売却方法

基本的に不動産仲介の方法であれば、手順に大きな変更箇所はありません。しかし、大幅に違う点は、価格と告知義務です。
また、売り出しをする前には、買主が、物件内に心理的瑕疵が生じないよう、特殊清掃業者に依頼をし清掃に入ってもらいましょう。

告知義務

今回のガイドラインでは、賃貸契約の場合、「事故が発生してから３年は告知をする」という期間が設けられました。
売買契約では、期間が設けられていません。よって、事故発生後、すぐには売却せず、数年後に売りに出したとしても、買主に対しての告知義務は必要になるということです。
不動産会社に売却の相談をする際、基本的には売主からの情報が必要となり、その上で仲介を進めていきます。
告知を売主が怠り、買主が事実を知らずに売買契約に至った場合、誰が責任追及をされるかいうと、不動産会社ではなく、売主が責任を負う必要があるのです。
事故物件を売却する際は、必ず、つつみ隠さずに告知をしましょう。

物件価格

事故物件は、周辺相場よりも約２割〜５割程度価格が下がると言われています。もちろん、事故物件の背景にもよりますが、通常相場と同等では、なかなか売却が難しいことも念頭に入れておかなければいけません。
ただし、人の心情や、価値観は異なるものなので、「２割価格が低くても事故物件は考えていない」という方もいれば、「２割相場より安いならとプラスに考える人」もいます。
不動産会社に仲介を依頼する方法で売却を進めるなら、売り出し時の価格と、問い合わせ数のデータを確認し、価格の変更を随時見定めることが必要となります。

買取も視野に入れましょう

仲介ともなると、一般の方を対象とした売却方法となるので、売却期間がいつになるのか売り出しをしてみないと見えてきません。
その点、買取となると、購入者が不動産会社となるので、早急に売買が成立する可能性が高くなります。
また、買取のメリットは、知人やご近所に知られずに売却できるということ。特に事故物件は、ご近所での広がりも早いため、仲介で売り出すと噂を立てられる可能性もあります。
価格面では、元々の買取価格が相場よりも３割程度落ちると言われており、さらに事故物件なので、２割〜５割程度安くなってしまいます。
価格が相場よりも低くなってしまいますが、事故物件の売却に関しては、すばやく処分をしたいと思っている方も多く、買取を希望される方が多いのです。
北章宅建株式会社では、買取と仲介と両方を行なっているので、なかなか売りづらい物件のご相談も随時お受けしております。
売り物件のご相談があればお気軽にご連絡ください。