不動産売却のコツ2025.11.28

線路沿いの土地が売れない理由とは?売却成功のポイントや注意点を解説

こんにちは。イエステーション北章宅建 石狩店の古木です。

線路沿いの土地を売りに出す際、「音がうるさい環境だと売れにくいのでは?」「買い手が見つからず長期化するかもしれない…」などの不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

確かに、線路沿いの土地は一般的な住宅地に比べると、買い手が慎重になりやすい側面があります。

しかし、買い手が敬遠する理由を正しく理解し、適切な売却方法を選べば、線路沿いでも十分に売却できます。

そこで今回は、線路沿いの土地が売れにくいといわれる背景や、買い手が敬遠する理由を解説。
売却成功のための効果的な方法やアプローチ方法、売却時の注意点まで詳しく解説していきます。
線路沿いの土地

 

線路沿いの土地はなぜ売れにくい?買い手が敬遠する主な理由を解説

線路沿いの土地が「売れにくい」といわれるのは、買い手の希望する生活環境と一致しにくいケースがあるためです。

特に以下の世帯では、線路沿いを避ける傾向が強いかもしれません。

  • 安全性・静寂性を求める小さな子どもがいる家庭
  • リモートワーク中心や夜勤の仕事など日中の静かな住環境を求める層
  • 落ち着いた環境を希望する高齢者世帯

線路沿いの土地が売れにくいといわれる理由について、詳しく見ていきましょう。

 

①騒音が大きい

電車の走行音、車輪とレールの接触音、アナウンス音などが日常的に聞こえるため、静かな場所を求める方にはストレスになりやすい環境です。

特に、踏切の近くでは警報音やクラクションの音、駅の近くではアナウンスの声や人の話し声など、場所によって騒音を強く感じやすい傾向があります。

 

②振動を感じやすい

新幹線や貨物列車が通る区間では、速度が速く重量も大きいため、振動が気になる人も多いでしょう。
高架沿いでは走行音が反響し、振動と合わせて気になるケースがあります。

 

③プライバシーが気になる場合がある

高架線で線路が建物の「目線の高さ」より高い位置を走る場合など、線路と建物の位置関係によっては、車内から敷地や室内が見えやすいことがあります。

「視線が気になるかも」とプライバシーを気にする人も多いでしょう。

 

④安全面の心配がある

踏切や駅が近い場所では、人通りや車の往来も多くなるため、事故リスクの心配も。

特に小さな子どもやペットがいる家庭では、「線路に誤って近づかないか心配」という声もあります。

 

⑤鉄粉・砂埃の影響

在来線など本数が多い区間では、車輪とレールの摩耗粉(一般的に鉄粉と呼ばれる粉)や、列車走行時の風圧で砂埃が舞うことがあります。
洗濯物や窓の汚れが気になる人も多いでしょう。

 

⑥建築上の制限が出る場合がある

鉄道会社や鉄道事業法の規定によって、建物との離隔距離や高さ制限などが定められているケースがあります。

例えば、高架下・高架沿いでは構造物との距離が定められていることが多く、建築計画に影響が出る可能性があります。

 

線路沿いの土地でも売却を成功させる方法とは?効果的なアプローチもご紹介

線路沿いという条件を踏まえつつ、売却を成功させるための主な方法や効果的なアプローチをご紹介します。

 

①ターゲットを絞ってアプローチする

線路沿いの土地の特徴をデメリットではなく「条件に合う人にとってのメリット」と捉えてもらうためには、最初から買い手層を絞り込むことが効果的です。

例えば、下記のような線路沿いの環境をネガティブに捉えない層に向けて紹介することで、成約につながりやすくなります。

  • 駅近の利便性を重視する層
  • 日中は外出していることが多い層
  • 楽器、DIY、バイクなど、音が気になりやすい趣味(楽器・DIY)を持つ層
  • 倉庫や作業場を探している事業者

 

②不安を軽減するための「見える化」を行う

線路沿いの土地でよく挙げられる不安は、実際の状況を確認してもらうとイメージが変わることがあります。

【見える化対策の例】

  • 騒音レベルを測定し、実際の数値を示す
  • 電車が通る時間帯に内覧してもらう
  • 時刻表を共有し、頻度を把握してもらう

線路沿いならではの不安を小さくし、前向きに検討してもらうために有効です。

また、電車の時刻表もあわせて案内することで、どのくらいの頻度で通るのかなどもイメージしてもらいやすくなるでしょう。

 

③住宅以外の用途も選択肢に入れる

線路沿いの立地は、住宅用途だけでなく、ほかの用途で活用できる場合があります。

【住宅用地以外の例】

  • 月極駐車場
  • 資材置き場・倉庫
  • 事務所・店舗
  • 投資用の賃貸用地

住宅用地としては敬遠されても、別の用途なら需要があるケースは少なくありません。

早期売却を目指す場合は、用途の幅を広げて検討することが効果的です。

 

④価格調整で魅力を感じてもらう

線路沿いの土地は一般的に評価が厳しくなりがちですが、相場より少し価格を調整すると、購入検討者のメリットに変わることがあります。

例えば「駅近でこの価格なら魅力的」「用途変更しても収益が出せそう」といった理由で、前向きに検討されるケースもあるでしょう。

 

⑤線路沿いならではのメリットも積極的にPRする

「線路沿い=デメリット」という印象を持つ人もいますが、視点を変えると魅力に感じるポイントもあります。

【魅力に感じるポイント例】

  • 駅が近く、交通の利便性が高い
  • 道路が開けており、日当たりが良いことがある
  • 周囲の生活音が気にならないため、音を出す趣味に向いている
  • 同条件の周辺の土地より価格が抑えられ、購入しやすい

ポジティブな側面を具体的に伝えることが、購入検討者の背中を押す材料になります。

 

線路沿いの土地を高く売るための実践ポイント

線路沿いの土地でも、事前の工夫や準備次第で評価を高めることができます。

ここでは、売却価格アップにつながりやすい実践ポイントをご紹介します。

 

①騒音や振動など、線路沿い特有のデメリットを軽減する工夫を示す

線路沿いの土地で特に気にされやすいのは、「騒音・振動がどれくらいあるのか?」という点です。

これらは下記のような工夫で印象を改善できる場合があります。

  • 実際の騒音レベルを測定し数値化する
  • 実際に住んでいた感想を共有する
  • 防音サッシや二重窓の設置などで防音対策ができることを伝える

こうした情報を事前にまとめて提示すると、買い手の不安を減らせます。

 

②購入後の手間を減らす「売却前の整備」をしておく

購入後間もなく新築工事に着工できるなど、「すぐ動ける土地」は買い手にとって魅力的な物件です。

そのため、売却前に以下の準備をしておくことで、土地の評価が上がりやすくなります。

  • 境界の確認・確定測量を済ませておく
  • 用途地域・建ぺい率・容積率などの用途制限を整理しておく
  • 越境の有無や地中埋設物などの情報をまとめておく

こうした準備が整っていると、買い手の安心感が増し、値下げ交渉を避けられる可能性が期待できます。

 

③物件の強みになる情報を集めてPRする

線路沿いかどうかに関わらず、土地の価値を高める材料は身の回りに多くあります。

下記のような情報を整理し、不動産会社にも共有しておくと、査定額アップにつながるだけでなく、買い手へのアピール材料にもなるでしょう。

  • 駅までの距離・所要時間
  • 周辺の生活施設(スーパー・病院・学校など)
  • 将来の再開発情報
  • 日当たり・道路幅・前面道路の交通量

メリットとなる土地の特徴は、「高く売れる土地と売れない土地の違いとは?売れない時の対策も紹介」でも詳しくお伝えしていますので、ぜひあわせてご参照ください。

 

④ターゲット別アプローチを取り入れる

線路沿いの土地は、「買い手の層によって評価が大きく変わる」という特徴があります。
そのため、ターゲットに合わせてメリットを伝えることが有効です。

例えば、投資家には「駅近×価格の手頃さで利回りを確保しやすい」、自営業者・倉庫を探す事業者には「騒音の影響を受けにくい用途が可能」とアピールすると効果的です。

土地の魅力が伝わるターゲットを意識することで、スムーズに売却しやすくなります。

 

⑤信頼できる不動産会社を選ぶ

線路沿いの土地は、一般的な土地よりも説明すべき点が多いため、信頼できる不動産会社を選びましょう。

  • 線路沿いの物件売却の経験があるか
  • 地域の鉄道事情に詳しいか
  • ターゲットの選定・売却戦略を複数提案できるか
  • 過去の売却事例を見せてくれるか

経験豊富な不動産会社を選べば、適切な価格設定や販売戦略が期待でき、高値売却につながります。

 

線路沿いの土地を売る際の注意点は?トラブルを防ぐポイントも確認

線路沿いの土地を売却する際は、下記の2点に注意が必要です。

 

①騒音・振動・鉄粉などの環境要因は必ず告知する

線路沿いの土地では、電車の走行音・振動・鉄粉・砂埃など、生活に影響する可能性のある情報を買い手へ伝える「告知義務」があります。

【告知すべき内容の例】

  • 日中・夜間の騒音レベルの目安
  • 鉄道の運行本数や時間帯
  • 振動の感じ方
  • ブレーキ時の鉄粉・砂埃の状況
  • 過去に近隣から苦情があったかどうか など

線路沿いの環境は、感じ方が人によって大きく異なります。
売り主が「気にならなかった」と感じていても、買い手はストレスに感じる場合があります。
そのため、包み隠さず伝えることが大切です。

あわせて、下記のような線路沿い特有のリスクも共有しておきましょう。

  • 越境(樹木・塀・建物の一部など)
  • 鉄道会社が定める距離・高さ制限
  • 建築基準法・都市計画法による制限
  • 過去に鉄道会社と協議した履歴の有無

これらを事前に把握し、不動産会社にも説明しておくことで、契約後のトラブルを大きく減らすことができます。

不動産会社が作成する重要事項説明書や売買契約書にも明記してもらうと、誤解が生じにくく安心です。

 

②売却前に確認すべきポイントを整理しておく

線路沿いの土地の売却で買い手とのトラブルを避けるためにも、役所などで確認しておくと安心です。

【事前に確認しておきたいポイント】

  • 用途地域・建築制限
  • 境界・測量の有無
  • 越境の有無・隣地トラブルの履歴
  • 騒音・振動に関する苦情履歴(これまで相談やトラブルがなかったか)
  • 鉄道会社との協議履歴(立ち入り・距離制限などの過去のやり取り)

こうした情報をあらかじめ整理しておくことで、内覧時の説明もスムーズに進み、「信頼できる売り主だ」と感じてもらいやすくなります。

 

まとめ

●線路沿いの土地が売れにくい理由を理解し効果的な売却方法でアプローチすることが大切
線路沿いの土地は、電車の音や振動、視線や安全面の不安から敬遠されやすい傾向があります。
線路沿いの立地がデメリットになりにくいターゲットに絞ったり、用途を広げて提案したりすることで売却成功率が上がります。

●線路沿いの土地を高く売るための準備を整えよう
防音対策の説明や境界・測量の整備、周辺環境の情報提供など、買い手の不安を減らす準備をしましょう。
線路沿いの土地の売却実績のある経験豊富な不動産会社を選べば、適切な価格設定や販売戦略が期待でき、高値売却につながります。

●告知義務と注意点を守ってトラブル防止を
騒音・振動などの環境面の情報や、線路沿い特有の制約は必ず事前に伝え、誤解やトラブルを防ぎましょう。

北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。

 

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線路沿いの土地が売れない理由とは?売却成功のポイントや注意点を解説

石狩店 古木 篤広平成14年から約10年間、札幌のイエステーションにて勤務、その後3年間、建設会社で住宅の新築 兼 不動産業務に携わり、土地・一戸建・マンション・事業用不動産、新築等、延べ1,000件以上の不動産売買に携わってきました。沢山の出会いがあり、一期一会の言葉の重みが分かるようになってきました。過去の経験や知識を活かして、お客様のお悩みや不安を解消するベストなご提案をいたします。お住み替えや不動産売却などを通じて、皆様のお役に立てるよう最善を尽くしてまいりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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