不動産売却のコツ2025.07.17
土地売却で水道管が価格に影響?状況の確認方法と注意点を解説
こんにちは。イエステーション北章宅建 美唄店の前平です。
「水道管の有無や引き込み状況が売却価格にどう影響するのかわからない」
「事前に水道の状況を確認する方法を知りたい」
土地売却に際して、そんな不安や疑問を抱えていませんか?
実は、水道管の状況は土地の査定額や売買条件に大きく影響する重要な要素です。
水道の引き込みがない土地では、買い主が新たに工事費用を負担する必要があり、売却価格の値下げ要因となる可能性があります。
今回のコラムでは、土地売却における水道管の重要性から確認方法、注意点まで詳しく解説していきます。
なぜ水道管が土地売却で重要なのか?価格・契約への影響から解説
水道管の整備状況は、土地の売却価格や条件に大きな影響を与える要素です。
特に新築用地として売却する場合、水道の引き込みの有無は、査定時の重要な判断材料になります。
水道引き込みがある土地は「すぐ建てられる」ため高く売れやすい
水道管がすでに敷地内に引き込まれている土地は、買い主がすぐに建築に進められるため、スケジュールが立てやすく、評価が高くなります。
一方で、水道が未整備の土地では、買い主側で引き込み工事を行う必要があり、費用が追加で発生します。
工事の手間とコストがネックとなり、価格交渉や購入見送りにつながる可能性もあります。
水道本管の位置と距離も重要なポイント
水道本管が敷地内や敷地前面の道路にあるかどうか、距離が近いかどうかも、工事費用に大きく関わります。
配管距離が短ければ費用も抑えられ、買い主にとって魅力的です。
一方で、本管が遠方にある場合や、配管経路が他人の私道や敷地を通る必要がある場合は、工事費用が高額になったり、工事自体が進まなかったりする可能性もあります。
その結果、査定額や売却条件にマイナスの影響が及ぶことがあるでしょう。
引き込み費用の負担はケースバイケース
水道引き込み費用は、基本的に買い主負担となるケースが多いですが、交渉次第では売り主が負担する場合もあります。
売り主側が先に工事を済ませておけば「すぐに建築できる土地」としてアピールできるため、結果的に高値売却につながることもあるからです。
いずれにしても、水道の状況は売買契約時に重要事項説明書へ記載する必要があるため、売り主自身もあらかじめ正確に把握しておくことが大切です。
水道(水道管)の状況を確認する方法
では、水道の状況を確認するにはどうすれば良いのでしょうか?
続いて、確認方法や確認のポイントをご紹介しましょう。
1. 市町村の水道課に問い合わせる
最初に確認すべきは、市町村の水道課(※自治体により「上下水道局」等の場合もあり)に問い合わせましょう。
水道課では「上水道台帳(上下水道配管図)」と呼ばれる図面を保管しており、これを取得することで以下の情報がわかります。
- 前面道路に水道本管があるか
- 敷地への引き込み管の有無や経路
- 管径や材質などの概要
台帳の様式、取得方法、手数料は自治体によって異なり、一般的には無料〜数百円程度で入手可能です。
窓口申請・郵送・オンラインなど取得方法もさまざまなので、事前に市町村の公式サイトで確認しておきましょう。
2. 現地で確認する
上水道台帳(上下水道配管図)を確認した後は、なるべく現地でも確認しておくと安心です。
なぜなら、図面に記載された情報と実際の状況が違う可能性があるからです。
主な確認ポイントは、次の3つです。
①メーターボックス(量水器)の有無
敷地内または敷地の境界付近にメーターボックスがあれば、すでに水道が引き込まれている証拠です。
設置場所と状態も確認しておきましょう。
②水道本管の位置
道路上に設置された水道本管の位置も要チェックです。
引き込み距離が長いほど工事費用が高くなるため、台帳情報と現地を照らし合わせて確認します。
③引き込み管の経路・管径
古い配管では13mmの細い管が使われていることがありますが、現在の新築住宅では20mmが採用されるケースが増えています。
13mmのままでも使用可能ですが、生活スタイルによっては水圧が不足したり、複数箇所で同時に水を使用すると流量が足りなくなったりすることがあります。
必要に応じて引き込み管の交換をするかの検討が必要です。
まずは現地で管径を確認し、不動産会社などに需要に合うか相談しておくと安心です。
土地売却の際、水道管に関する注意点は?
水道管の有無だけでなく、状態や引き込み状況によって売却の進め方に影響が出ることもあります。
注意すべきポイントとして2つ、ご紹介しましょう。
注意点① 水道管があっても古い場合は漏水・破損リスクがある
敷地内に水道管が引き込まれていても、古い配管では経年劣化や腐食が進んでいる可能性があります。
すでに劣化が進んでいると、地震や地盤沈下などの自然災害で破損するリスクも考えられます。
トラブルを防ぐためには、売却前に専門業者に配管の状態を確認してもらうことが大切です。
必要であれば配管交換や修繕の見積もりを取り、不動産会社と相談して対応方針を決めると良いでしょう。
なお、古い土地では地中に埋設物が残っている場合があります。
地中埋設物の調査や撤去については、「土地売却時に地中埋設物が見つかったら?調査方法や撤去について知ろう」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
注意点② 水道管なし・引き込みなしは売却が長期化しやすい
水道が未整備のままだと、買い主が引き込み工事を行う必要があり、地域や距離にもよりますが一般的に30〜50万円以上の費用が発生することもあります。
そのため価格交渉が起きやすく、購入を見送られるケースや、契約後に水道の問題が発覚した場合には、契約解除や損害賠償請求といったトラブルにつながる可能性も。
事前に状況を正確に把握し、「現状のまま売却するか」「引き込み工事を行なってから売るか」を不動産会社に相談し、方針を検討しておきましょう。
土地売却の際、現状のまま売る?水道引き込み工事してから売る?
水道引き込みが未整備の場合は「現状のまま売却する」か「引き込み工事を行なってから売却する」かを検討する必要があります。
ここでは、それぞれのメリット・デメリットと、どんな場合に向いているかを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
現状のまま売却する場合
現状のまま売却する場合のメリット・デメリットは、主に次のものが挙げられます。
【メリット】
- 引き込み工事費用が不要
- すぐに土地の売却活動を開始できる
- 買い主が希望する工事内容を選べるため柔軟性がある
【デメリット】
- 買い主が工事費用を負担する必要があり、価格交渉や値引きが発生しやすい
- 工事が難航するリスクを理由に購入を敬遠されることがある
初期投資を避けたい方や、なるべく早く売却活動を始めたい方に適しています。
買い主のニーズに合わせて対応できる柔軟性がメリットです。
引き込み工事を行なってから売却する場合
一方、引き込み工事を行なってから売却する場合のメリット・デメリットは、主に下記の通りです。
【メリット】
- 建築可能な土地の状態に整えることで、より多くの買い主にアピールできる
- 工事費用分も考慮した価格設定が可能で、高値売却につながる場合がある
- 売買契約後のトラブルが起きにくい
【デメリット】
- 工事費用の先行投資が必要
- 売却活動の開始が遅れる可能性がある
- 工事費用分が売却価格に十分反映されないこともある
高値売却を狙いたい方や、より多くの買い主候補に物件を見てもらいたい方に向いています。
売却まで時間的な余裕がある場合に検討しやすい方法です。
まとめ
●水道管の整備状況は、土地売却の価格・条件に大きく影響する
水道は生活に欠かせないライフラインです。
引き込みの有無や水道本管の位置・距離によって、土地の価値や買い主からの評価が大きく変わります。
●売却したい土地の水道(水道管)の状況は事前に正確に把握しておく
市町村の水道課(上下水道局)で上水道台帳(上下水道配管図)を取得し、現地でもメーターボックスや配管の状態を確認しましょう。
●古い配管や水道の未整備はトラブルの原因になる
経年劣化した配管や水道の未引き込みがある場合、契約トラブルや損害賠償に発展するリスクもあります。
売却前に状況を確認し、不動産会社と相談しながら対応を検討することが重要です。
●水道引き込みが未整備の土地を現状のまま売却するか、工事後売却するか比較検討する
どちらにもメリット・デメリットがあるため、資金計画や売却スケジュールに合わせて、自分に合った方法を選びましょう。
北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
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著者

美唄店 前平 竜斗前職はまったく畑違いの仕事をしていましたが思い切ってこの業界に飛び込んで現在に至ります。住宅、不動産の売買はお客様の人生に深く関われる重要な仕事であり、責任と共に喜びも大きいなと感じています。 地域の不動産の購入・売却のご相談は是非北章宅建にお任せください。
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