不動産売却のコツ2023.10.05

土地売却時に地中埋設物が見つかったら?調査方法や撤去について知ろう

こんにちは。イエステーション北章宅建 小樽店の小林です。

「土地を売りたいけど、地中埋設物があるかもしれない…」
土地の売却を検討中の方には、そんな不安を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。

今回のコラムでは、地中埋設物の種類や、調査方法について解説します。
売り主の責任である「契約不適合責任」や、地中埋設物があっても売れるケースについても紹介していますので、ぜひあわせて参考にしてください。

工事中の土地

 

土地売却時に問題になりやすい「地中埋設物」とは?

地中埋設物とは、簡単にいえば「地中に埋まっているもの」のことです。
「地中障害物」とも呼ばれます。

途中埋設物があると、土地売却時に問題が生じやすく、購入希望者の需要が低くなります。
そのため、一般的には売るのが難しく、売れにくい土地といえるでしょう。

地中埋設物以外にも、売れにくい土地の条件を知りたい方は、ぜひ「高く売れる土地と売れない土地の違いとは?売れない時の対策も紹介」もあわせてご参照ください。

では、まずは地中埋設物にはどんな種類があるのか、土地売却時に問題になる理由を解説していきましょう。

 

地中埋設物の種類

一般的には、次のような地中埋設物があります。

  • 建築廃材(ガラ)
  • 基礎杭
  • 古井戸
  • 古い水道管
  • 古い浄化槽
  • 地下室
  • 医療廃棄物
  • 衣類などのゴミ など

基礎杭とは、コンクリート造など自重が大きい建物を建てる際に、地中深くに打ち込まれる支えのことをいいます。

住宅用地となる土地で多いのは、コンクリート片や木材、瓦などの建築廃材です。
家を解体し、基礎が残ってしまう場合もあります。

地中埋設物となったのは、解体工事をして出た廃材が、そのまま埋め立てられてしまったり、処分が適切にされず放置されてしまったり、といったことが原因でしょう。

また、使わなくなった井戸が埋め戻されたり、浄化槽が地中に埋もれたままだったりというケースや、投棄されたゴミが埋もれている場合もあります。

 

地中埋設物が土地売却時に問題になる理由

では、なぜ地中埋設物が土地売却時に問題になりやすいのでしょうか。

土地売却後に一般的に問題になりやすいのが、建築工事のタイミングです。
地中埋設物があると、新たに家を建てる際、建築工事に支障をきたす可能性があるからです。

そして、地震など災害が起きたとき、地中埋設物が地盤の強度に影響することも理由の一つといえます。

また、浄化槽や産業廃棄物などを放置すると、汚染物質が地震によって流出し、健康被害、あるいは周囲の衛生にも影響を及ぼす恐れがあるでしょう。

地中埋設物の調査・撤去を行わないまま売却すると、売り主に責任が問われ、多額の賠償金や撤去費用を支払わねばならない可能性があります。

 

土地の地中埋設物はどのように調査する?

地中埋設物の主な調査方法は、次のとおりです。

  • 地歴調査
  • 地中レーダー探査など非破壊調査
  • ボーリング調査

地歴調査とは、地図や地形図、登記簿、航空写真などの情報から、過去に土地がどのように利用されていたか、どんな建物が建っていたかを机上調査することです。

例えば、過去にクリーニング店や工場、ガソリンスタンドなどが建っていた場合は、「土壌汚染の原因となる埋設物があるかもしれない」といった推測を立てます。

地歴調査にて地中埋設物が疑われる場合は、非破壊検査が行われることが多いです。

代表的なものは、地中レーダーを用いた調査です。
地面にレーダーを走らせ、反射波によって、途中埋設物の存在や、土地の状態、地盤の強度などを測ります。

非破壊検査の結果、地中埋設物がある可能性が高いと、ボーリング調査にて、実際に地面に穴を掘って土地の調査が行われます。
土地の強度のほか、土のサンプルから土質や地下水位を調べ、「地震の際に液状化しないか」など詳しい土地の状況も調査します。

 

土地売却での地中埋設物で契約不適合責任を問われるケース

土地売却における注意点として、地中埋設物により「契約不適合責任」を問われるケースがあります。
契約不適合責任とは、売買契約の内容と買い主へ引き渡した内容物が異なる場合に、売り主が負うべき責任です。

契約時前に、買い主に地中埋設物について伝えていなかった場合、次のようなトラブルが起こる可能性があります。

  • 「新築工事中に地中埋設物が出てきて、工事に支障が出た」として、買い主に撤去費用を請求される
  • 「地中埋没物があると知っていたら買わなかった」と高額な損害賠償や、契約解除を求められる

契約不適合責任を問われないためには、売却前にきちんと地中埋設物の有無を調査し、調査結果や撤去内容を買い主へ説明しておきましょう。

最も大切なことは、「買い主に地中埋設物について隠し事をしない」ということです。

地中埋設物の有無が不明であるならその事実を伝え、納得の上で契約してもらったり、免責とする特約事項を契約に盛り込んだりといった対処をおすすめします。

 

地中埋設物のある土地は売れる?撤去が必要なことも

工事現場

地中埋設物のある土地でも、地中埋設物の種類によっては問題なく売却できるケースがあります。

代表的な地中埋設物は、次の2つです。

  • 水道管
  • 基礎杭

もちろん、どちらのケースも、重要事項説明の際、買い主に「地中埋設物」として告知は必要です。

それぞれのケースを紹介しましょう。

 

地中埋設物が水道管の場合

地中埋設物として水道管があり、利用に問題がなければ、買い主が再利用できるメリットがあります。
家を建てる際には必ず水道管が必要となるため、水道工事の費用を節約できるからです。

事前に老朽化していないか、古いタイプではないかなどしっかり調査しておけば、活用できる点を買い主へのアピールポイントにできるでしょう。

 

地中埋設物が基礎杭の場合

一般的な住宅用地とする場合は、地表から1.5m程度の深さで基礎杭を切っておけば、残りの部分は埋設したままで問題ありません。

基礎杭を打つことで、建物をしっかりと支え、沈み・傾きを防ぐことができるメリットがあるので、残しておけばむしろ買い主に有益であるといえるでしょう。

 

地中埋設物の撤去が必要なケースとは?

次のようなケースが想定される際は、買い主にとって不利益となるため、事前に地中埋設物を撤去しておくべきでしょう。

  • コンクリート片など建築廃材が多く、建築工事に支障が出る
  • 地中に空洞を生じさせるなど、地盤の強度が低下する原因になる
  • 医療廃棄物や薬品など、放置しておくと周囲に悪影響を与える

よくある地中埋没物の撤去費用として、コンクリート片は、1立方メートルあたり1万2,000円ほど、木くずは5,000円ほど、レンガや瓦は2万2,000円ほどが目安となります。

注意点として、どんな地中埋設物であっても、内容を買い主に告知し、問題ないかどうか確認することがトラブル回避のポイントです。

売り主判断で「不利益ではないだろう」と決めつけるのはやめましょう。

 

まとめ

●地中埋設物がある土地は売れにくい
地中埋設物とは、地中に埋まっているもののことを指し、建築工事に支障をきたしたり、地盤の強度に影響したりといったデメリットがあります。買い手に不利益となる問題が生じやすいので、売れにくい土地だといえます。

●契約不適合責任を問われるケースがある
買い主へ故意に地中埋設物があることを伝えなかった場合、売却後に契約不適合責任を問われ、損害賠償や契約解除を求められる恐れがあります。埋設物の有無の調査はもちろん、詳細をきちんと告知することが大切です。

●地中埋設物があっても売れるケースもある
水道管や基礎杭といった、買い主に不利益のない地中埋設物であれば、撤去しなくても売れるケースがあります。ただし、買い主にとって不利益かどうかの判断を売り主側でするのは避けましょう。

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著者
土地売却時に地中埋設物が見つかったら?調査方法や撤去について知ろう

小樽店 小林 康之不動産業に携わる者として公正で安全な取引を心がけ、お客様の立場に立って最善の方法をご提案いたします。 一緒に住まいの華を咲かせましょう。

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