相続や名義のこと2019.12.27

不動産を相続ではなく生前贈与するメリットとは

こんにちは!北章宅建 滝川店 営業の上家です。

家族に財産を渡す方法として、相続以外に「生前贈与」という方法があります。

今回は不動産の生前贈与についてのお話。
不動産の相続と生前贈与の違いや生前贈与のメリット、生前贈与の手続き方法などをご紹介します。
気になる贈与税についても解説します!

相続か贈与かで迷う

 

不動産の相続を生前贈与にするメリットとは

生前贈与とは、生きているうちに自分の財産を誰かに渡すことです。
本人の死亡によって開始される相続とは異なり、生きているうちに自分で内容とタイミングを決めて贈与を行うことができます。

不動産を相続ではなく生前贈与するメリットは下記の2つです。

【1】誰にどの不動産を渡すかを相談でき、贈与者の意思も反映できる

生きているうちの贈与ですから、時間に余裕のある中で贈与者と受贈者(贈与を受ける人)で相談して贈与の内容を決めることができます。

一般的な相続の場合、遺言書で相続人の遺志を遺すこともできますが、被相続人全員の同意があれば遺言書に従わずに遺産分割協議にて相続内容を決めることも可能です。

とはいえ不動産は分割が難しいので、相続を巡ってトラブルが起きやすいのも事実。
生前贈与で贈与者の意思のもとで不動産を渡す相手を決めておけば、相続トラブルを回避することにもつながるでしょう。

 

【2】節税ができる可能性がある

近くで駅の建設や交通網の延伸などがあり将来的に価値が上がる可能性のある不動産の場合、評価額が低いうちに贈与をした方が価値の値上がり分の税金を抑えられるかもしれません。

ただし、一般的には相続税よりも贈与税のほうが税率が高くなりがちです。
不動産取得税や登録免許税に関しても相続よりも贈与が高く設定されているので、全体の税金や費用・将来の土地評価額などを確認した上で検討するようにしましょう。

また、後ほど詳しくご説明しますが、贈与者と受贈者の関係性や年齢、贈与の内容によっては「相続時精算課税制度」を利用することで税金合計額を抑えられる可能性があります。

 

不動産の生前贈与の手続き方法やポイントを紹介

不動産の生前贈与の手続きの流れを紹介します。

【1】不動産贈与契約書を作成する

基本的に生前贈与は口約束のみでも成立します。
ただし、後々のトラブルを避けるためにも「不動産贈与契約書」を作成した上で贈与することがおすすめです。
(契約書がない場合、贈与の内容によっては過度な節税対策(実際は贈与していないのでは?)と見なされ、税務署に否認されてしまうといったデメリットも考えられます)

不動産贈与契約書には下記のような内容を記載しましょう。

  • 贈与者(あげる人)と受贈者(もらう人)の氏名
  • どの不動産を贈与するのか
  • 登記費用の負担は誰がするのか

直筆の署名と実印を押印することで法的な効力が発生します。
正式な贈与契約書を取り交わすと、後で取り消すことはできません。
もちろん、受贈者も贈与を受けることを承諾した上で作成しましょう。

 

【2】不動産の名義変更手続きをする

贈与が完了したら、対象となる不動産の名義変更手続きをします。(所有権移転登記)
登記申請書、必要書類、収入印紙をそろえて管轄の法務局へ提出します。

【所有権移転登記手続きに必要な書類】

  • 登記申請書
  • 不動産の登記識別情報通知(登記済権利)
  • 贈与者の印鑑証明
  • 受贈者の住民票
  • 不動産の固定資産評価証明書
  • 不動産贈与契約書

 

【所有権移転登記手続きに必要な費用】

  • 登録免許税:不動産評価額の2%

贈与による所有権移転登記には、不動産の固定資産評価額の2%の登録免許税の納付が必要です。
金額分の収入印紙を購入し、登記申請書に貼り付けて提出します。
ちなみに相続による所有権移転登記の場合の登録免許税は固定資産評価額の0.4%。
贈与の場合は、相続より高い費用がかかるので注意しましょう。

 

【3】贈与税・不動産取得税を申告する

贈与を受けた年の翌年2月16日~3月15日の間に、確定申告にて贈与税と不動産取得税の申告・納付をします。
贈与税については後ほど詳しく紹介しますね。

贈与の場合の不動産取得税は固定資産評価額の3%。
住宅以外の建物の場合は4%になります。
※2021年3月31日までに習得した場合は評価額の1/2に対して不動産取得税が課税されるという特例があります。

相続の場合は不動産取得税はかかりません。
こちらも贈与の方が高い税額となります。

 

不動産の生前贈与で発生する贈与税とは?相続税と何が違う?

談笑する3世帯家族

財産の生前贈与を受けた場合、総額価値に応じて贈与税がかかります。
贈与を受けた総額から基礎控除110万円を引き、課税価格によって控除額と税率が決まります。

【贈与税一般税率】

基礎控除(-110万円)後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

 

祖父母や父母など直系尊属が20歳以上の子や孫への贈与を行う場合は特例税率が適用されます。

 

【特例贈与財産用特例税率】

基礎控除(-110万円)後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

 

国税庁ホームページより

相続税では基礎控除は3,000万円+(相続人数×600万円)。
相続税率は1,000万円以下は10%、1,000万円超~3,000円以下は15%ですので、贈与税のほうが税率が高いということがわかるでしょう。

相続税についての詳しい解説はこちらをご参考ください!
不動産の相続税、計算方法は?その不動産の相続税はいくらなの?

 

生前贈与の贈与税で受けられる控除

贈与を受けた財産全てに税金が課税されるわけではありません。
贈与税で受けられる控除についてご紹介します。

暦年課税の基礎控除額110万円

贈与税の基礎控除110万円は、毎年適用されます。
1年間で110万円以内の贈与については贈与税の課税はありません。
110万円以上の贈与に関しては、110万円を差し引いた額を課税価格として計算します。
不動産で110万円以内の贈与なので完全に非課税、ということはあまりないでしょうが、他にも生前贈与がある場合には留意しましょう。

なお、同等の不動産や現金を複数年に渡り分割贈与した場合は、生前贈与ではなく定期贈与とみなされ控除の対象から外れる可能性があります。

 

居住用不動産贈与における配偶者控除

婚姻期間20年以上の配偶者間における居住用不動産の贈与については、基礎控除110万円に加え最大2,000万円まで控除されます。

自分が住むための住居(または購入のための費用)を贈与し、翌年の3月15日までに実際に住んでいる、その後も住み続ける予定であることが条件です。
同じ配偶者からの贈与に対して一生に一度の適用となります。

 

相続時精算課税制度

60歳以上の親が20歳以上の子へ贈与を行なった際に選択できる制度です。
相続時精算課税を選択すると贈与を受けた財産総額2,500万円までは贈与税が非課税となり、残りの金額に対して一律20%の贈与税がかかります。
限度額2,500万円は複数年で消化することも可能です。

この時に贈与税非課税となった最大2,500万円は、贈与者が亡くなった際に相続する相続財産と合算して相続税が課税されます。
一度相続時精算課税制度を選択した方は、その後の全期間において暦年課税の110万円控除を受けることはできません。

財産が同じ価値なら、贈与税よりも相続税の方が控除が大きく税率が高いため、贈与者の死後に相続税として計算した方が合計税額が安くなる可能性があります。
将来値上がりするであろう不動産に対しても節税効果が見込めます。

 

まとめ

  • 生前贈与とは、生きているうちに自分の財産を誰かに渡すことです。生きているうちに贈与者と受贈者とで贈与の内容を話し合って決められるのがメリット。将来的に価値が上がる可能性のある不動産の場合は、評価額が低いうちに贈与することで節税となるケースもあります。
  • 不動産の生前贈与ではトラブルを避けるため、役所に正しく贈与が行われたことを証明し、適切な控除を受けるためにも贈与契約書を作ることをおすすめします。契約書に基づいて贈与を受けた後は、法務局にて不動産の名義変更、確定申告にて贈与税・不動産取得税を申告しましょう。
  • 生前贈与には贈与税が課税されます。一般的に贈与税は相続税よりも基礎控除が少なく税率が高いです。贈与税の控除では暦年課税の基礎控除110万円、居住用不動産贈与の配偶者控除、相続時精算課税制度などの控除があります。不動産以外にも生前贈与するものがあれば、その点を考慮する必要があります。

 

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