不動産売却のコツ2021.09.16
二世帯住宅の売却がむずかしい理由は?売却しやすくするポイントも
こんにちは。
イエステーション北章宅建 美唄店の小河です。
親世帯と子世帯が一緒に暮らす二世帯住宅。
二世帯住宅は一般的な住宅と違う部分も多いため、売却がむずかしいケースがあります。
今回はそんな二世帯住宅をスムーズに売却するためのヒントをご紹介。
二世帯住宅の間取りタイプや登記の形、売却がむずかしい理由を整理して、スムーズに売却するためのポイントをお伝えしますね。
二世帯住宅の種類や登記方法を知ろう
二世帯住宅は、文字通り親世帯と子世帯の2つの世帯が一緒に暮らす住宅です。
共有スペースの共有度合によって、大きく3つの間取りタイプに分かれます。
所有権の登記についても、売却時はしっかり確認しておく必要があります。
二世帯住宅の間取りタイプ
完全分離タイプ
親世帯、子世帯の2つの世帯の生活スペースが完全に分離されている間取りです。
玄関が2つあり、リビングや個室はそれぞれで、キッチン・トイレなどの水回りも2つずつ別々になっています。
1階が親世帯で2階が子世帯など上下に分かれるタイプ、右が親世帯で左が子世帯など左右に分かれるタイプがあります。
それぞれのプライバシーやライフスタイルを確保しながら、同居する安心感があるのが特徴です。
一部共有タイプ
生活スペースの一部を共有しているタイプです。
たとえば玄関やリビングは一緒だけどダイニングキッチン・お風呂・トイレなどの水回りは別々、リビングと各部屋は別だけどお風呂とトイレは一緒など。
家庭ごとのライフスタイルや生活状況によって、共有スペースや度合いはさまざまです。
共有スペースでコミュニケーションをとりつつ、個別スペースでプライバシーの確保もできます。
完全同居タイプ
すべての生活スペースを2つの世帯で共有するタイプで、一戸建てに2つの世帯が一緒に暮らします。
コミュニケーションがとりやすく、家事や育児なども協力しながら賑やかに暮らせる反面、お互いに気を使ってライフスタイルや生活時間のずれなどからストレスが溜まりやすいというデメリットもあります。
二世帯住宅の登記方法も確認
2つの世帯で一緒に暮らしている住宅は、所有権の登記はどのようになっているでしょうか。
まず、1人で登記する「単独登記」か、2人以上の所有物として「登記」する共有登記のどちらかとなります。
基本的に、購入費や建築費を負担した割合に応じて持分が決まります。
親世帯が費用を半分出したのに子が単独登記した場合、親の出資分は贈与となる可能性があるので注意しましょう。
共有名義で登記した場合は、売却に名義人全員の同意が必要です。
また、区分については、二世帯住宅を1つの住宅として登記する「非区分登記」、2つの住宅として登記する「区分登記」のどちらか。
共有スペースの程度は関係しません。
区分登記をする場合は住宅が2つとして扱われるため、登記費用なども2軒分かかります。
売却はそれぞれの区分所有者が独自に行えます。
たとえば、1階と2階に分けて区分登記した場合、2階だけを売却するということも法律上は可能です。
二世帯住宅の売却がむずかしい理由は?
2世帯住宅の売却が難しいといわれる理由は2つあります。
まず1つは、売却価格が高くなりがちな点。
二世帯住宅は2つの世帯が暮らしているので広く、部屋数が多いです。
また、完全分離タイプや一部共有タイプでは住宅設備が2つずつ付いている場合もあり、建築時の費用が高く、そのために売却価格の設定が高くなってしまいます。
中古住宅を探している人は、「価格」も検討理由のひとつ。
売却価格が高くなりがちな中古の二世帯住宅は敬遠されがちです。
2つ目の理由は、住宅の特徴が購入希望者のニーズにぴったり合うのが難しいという点。
二世帯住宅はそれぞれの家庭の家族構成やライフスタイルに合わせて設計されています。
二世帯住宅を必要としている人がいたとしても、間取りのタイプや共有スペースの程度、使い勝手などの希望はさまざま。
売却したい家が、希望者のニーズに合うとは限らないのです。
ただし、新築で二世帯住宅を建てるのは高いということもあり、希望者の条件と一致すれば高く売却できる可能性もありますよ。
二世帯住宅を売却しやすくするポイント
二世帯住宅をスムーズに売却するために、こんなポイントを意識してみましょう。
二世帯住宅の売却が得意な不動産会社に依頼する
二世帯住宅購入のターゲットは、ある程度決まっています。
そのため、ターゲットとなり得る顧客リストを持っていて、二世帯住宅の売却を得意としている不動産会社に依頼することがとても重要です。
まずは不動産会社の過去の実績などを確認し、二世帯住宅の売却実績が多い不動産会社へ相談してみましょう。
二世帯住宅だからこそのメリットをアピールする
二世帯住宅は高齢の親世帯と一緒に住んでいるケースも多く、バリアフリー対策がしっかりなされている住宅も多いです。
親世帯の居室は1階にある、段差が少ない、手すりやスロープを設置しているといったバリアフリー機能があり、これは誰にとっても老後の生活に必要となるデザインです。
バリアフリー対策の充実をアピールすることで、住宅に魅力を感じてくれる方もいるでしょう。
シェアハウスや賃貸、民泊など住宅以外の使い方を提案する
居室や水回りスペース、住宅設備が複数ある二世帯住宅は、二世帯同居だけではなく、そのほかの使い方もできるかもしれません。
完全分離タイプの住宅なら、住んでいない片方を賃貸や民泊にする、一部共有タイプならシェアハウスや下宿などにするといったアイデアも。
二世帯住宅以外の用途に広げることができれば、売却のチャンスも広がるでしょう。
(※自治体の許可が必要になる場合もあるため、事前に確認が必要です)
北章宅建でも二世帯住宅の売却をサポートしています。
「二世帯住宅に住んでいますが家族構成が変わったので売却したい」というお悩みの事例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
上記の場合は一部共有タイプの二世帯住宅の売却で、広い一戸建てですが、キッチン・浴室・洗面化粧台は1階のみのため、二世帯だけでなく幅広い購入者層をターゲットに売却活動ができました。
住宅の需要が高いエリアで、購入時よりも土地の価格が上がっていたため、住宅ローンが残らない価格での売却が可能に。
1ヵ月程度で購入希望者が見つかり、大変喜んでいただけました。
担当エリアの市場動向から、どのような売却方法がお客様にとって有益になるのかを常に考えご提案することを意識していますので、お悩みの場合はお気軽にご相談ください。
二世帯住宅の売却価格の相場は?
二世帯住宅の売却価格は、間取りのタイプによっても相場が異なります。
一般的な目安は以下のイメージになります。
完全分離タイプ:中古一戸建て2軒分
居室や設備がそれぞれ2世帯分あるので、中古住宅2軒分の価格となることが多いです。
片方のみを分割して売却する場合は、1軒分の価格相場となります。
一部共有タイプ:中古一戸建て1軒分よりも割高
部屋数が多いこと、設備によって2個ずつあるものも多いことから、一般的な中古住宅よりも割高になる傾向があります。
完全同居タイプ:一般的な中古一戸建てと同等
完全同居タイプの二世帯住宅は、部屋数が多い、家が広いという特徴はありますが、住宅設備は1つずつです。
価格相場は、同じ程度の広さの一般的な中古住宅と同程度となるでしょう。
まとめ
・二世帯住宅の種類や登記方法
二世帯住宅は共有スペースの程度によって、完全分離タイプ、一部共有タイプ、完全同居タイプの3つの間取りタイプがあります。登記に関しても、単独登記or共有登記、非区分登記or区分登記という方法が。購入・建築費用の負担割合に応じて持分を決めるのが一般的です。
・二世帯住宅の売却がむずかしい理由
二世帯住宅は建築コストが高い分、売却価格の設定も高くなりがちなこと、住宅の特徴とピッタリなニーズが見つけにくいことなどから、売却がむずかしいといわれています。ただし、新築で二世帯住宅を建てるのは費用が高額になるため、条件にぴったり合う二世帯住宅なら高く売れる可能性もありますよ。
・二世帯住宅を売却しやすくするポイント
二世帯住宅をスムーズに売却するには、二世帯住宅を得意として、売却実績が多い不動産会社に依頼することが大切。二世帯住宅ならではのメリットのアピールや、住宅以外の使い方も考えてみましょう。
・二世帯住宅の売却価格相場
二世帯住宅は部屋数が多く広いこと、間取りタイプによっては設備が2つずつあることから売却相場が高くなりがちです。価格にこだわると売却がスムーズにいかない場合もあるので、不動産会社に相談しつつ適正な価格を考えてみましょう。
北章宅建は、不動産に関するご相談に全て無料で対応しています。
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著者
美唄店 小河 利也特に担当している岩見沢東部、三笠市、美唄市、奈井江町は地元という事もあり、細かな対応に自信があります。 不動産売買仲介のみならず、買取、賃貸仲介、管理等不動産に関する事はどのような事でもご相談ください。どうぞ宜しくお願いします。
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