不動産売却のコツ2021.05.11
不動産会社が利用をするレインズとは何?
売買時には、一般的に不動産会社を通じて契約を行いますが、その際によく利用されるのが「レインズ」という不動産サービスツールです。
一般の方からすると、聞き慣れない言葉ですが、不動産業界ではよく利用されるものなので、特に売却を行う際には知識として知っておいて損はないでしょう。
今回は、レインズの特徴や、どのように使われるのかについてご紹介します。
レインズとは?特徴やメリットを紹介
聞きなれない言葉のレインズですが、不動産契約とレインズとは大きな関係があります。
レインズの特徴や利用するメリットを詳しく見ていきましょう。
レインズと媒介契約との関係
レインズとは、別名、指定流通機構と言い、不動産物件の情報を交換や収集するために使われるツールです。
物件を売買する際には、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的ですが、専任媒介契約や専属専任媒介契約といった、一社だけの不動産会社と媒介契約を交わす際には、レインズへの登録が義務化されています。
そして、このレインズの一番大きな特徴が、不動産会社しか物件の登録や閲覧ができないという点です。
いわゆる不動産会社が円滑に販売活動を行うためのツールであるため、このような決まりが設けられているのです。
ちなみに専任媒介契約を結んだ場合は、契約締結時から7日以内、専属専任媒介契約を結んだ場合は契約締結時から5日以内に指定流通機構への物件登録が必要となります。
レインズを使うことで得られるメリット
不動産会社がレインズを利用することで色々なメリットが得られますが、一番に挙げられるのがより早い売買を実現させることが可能という点です。
物件情報を登録すると、全国各地の不動産会社の目に留まることになるので、スピーディーに売買が可能になります。
しかもパソコン上で物件情報の閲覧が可能なので、一件一件電話での問い合わせをする手間が省けるというのも販売活動でかかる時間の短縮につながります。
また、レインズ上には過去に行われた取引事例が多く掲載されているため、適正な価格での売買にも大きく影響します。
レインズへの登録が必要な媒介契約時には、不動産会社は売買契約が成立すると契約年月日と取引価格を登録する必要があるので、より確かな情報を得ることができるのです。
売主からすれば、レインズを利用している不動産会社というだけで信頼度が増しますので、適正な価格での早い契約成立が期待できます。
不動産会社のみが利用可能?
レインズは基本的に不動産会社のみが利用可能なシステムです。
だからこそ詳細な情報や過去の取引事例、取引成立価格など詳細な情報を確認できるとともに、安心して販売活動を任せることができるでしょう。
しかし、レインズを用いた結果、自分の物件情報がどのように掲載されているのか、売主としては気になるところです。
それでは、不動産会社ではなく一般人でもレインズの内容を確認できる方法はあるのでしょうか。
自分の物件を確認する方法
以前は不動産会社に限ってレインズに登録、閲覧可能でしたが、2016年1月から新機能が搭載されました。
よって、売主がどのような取引状況になっているのかを確認することが可能になり、レインズへの不透明感を拭うことが可能になったのです。
売主が直接レインズの画面を見て、現状どのような取引状況になっているかを確認することができるのですが、大きく分けて3つの状況になっていることを目視することができます。
「公開中」「書面での購入申込あり」「売主都合により一時停止中」の三つの状況になっていることが確認できますので、あなたの現況と照らし合わせてみてください。
また、売主がレインズの内容を確認するには、不動産会社から受け取ることができる登録証明書のIDとパスワードが必要です。
レインズの閲覧時に必ず必要なものなので、受け取ったら大切に保管しておいてください。
媒介契約を締結した後には「公開中」となっていなければなりませんが、不動産会社の登録ミスなどで「書面での購入申込あり」「売主都合により一時停止中」となっている可能性もあります。
そうなると、買い手がつかなくなってしまう可能性がありますので、必ず自分の目で確かめるようにしましょう。
あわせて、物件情報、図面の登録なども間違いがないか確認してください。
REINS Market Informationとは?
一般的に知られているレインズに関しては、不動産会社のみが登録、閲覧可能と紹介してきました。
しかし、REINS Market Informationに関しては誰でも閲覧可能なシステムなので、気軽に物件情報を調べる際には最適のツールです。
個別物件の詳細な情報は掲載されていませんが、周辺地域の過去の取引事例などを確認することができるので、物件のおおよその価格などを調べることが可能です。
レインズを使ってこそ売買契約が成立しやすい
東日本レインズ、中部レインズ、近畿レインズ、西日本レインズと、全国には4つのレインズが存在します。
レインズを利用している不動産会社は過去にもレインズを用いて取引した経験がある事が多く、安心感や信憑性があります。
不動産に関わる個人情報が多数掲載されているので、一般の方は基本的には閲覧できませんが、より早く確実に売買契約を成立するためにも、レインズは必要不可欠なツールなのです。