土地や空き家のこと2021.09.03
市街化調整区域の家や土地は売れない?注意点や売却方法を徹底解説〜その4
様々な制限が課せられている市街化調整区域は、どうしても価格は安くなりがちで、売却も容易ではありません。
しかし、市街化調整区域であっても、開発許可が受けられる土地や建て替え可能な物件もあるなど、比較的売れる可能性が高いケースもあります。需要がないと諦めず、どんな人に売れるか、どこに売却を依頼すれば良いかなどを検討していきましょう。
買ってくれる可能性があるのはどんな人か
原則として新たな建物を建てることができないなど、市街化調整区域には様々な制限が設けられています。では実際に、この区域にある家は、どのような人が売却相手として考えられるのでしょうか。
隣地の所有者
市街化調整区域にある家の売却を考えるなら、まず最初に、隣地の所有者に打診してみましょう。もしかしたら、その人の親族が近くで家を探しているかもしれません。隣家に親族が住むという理由であれば、許可が下りる可能性があります。
特に、自分の子どもを近くに住まわせたいと考えている場合は、隣家を購入すれば一石二鳥。買主にとって、土地を一つにまとめられるメリットは少なくないはずです。すでに開発許可を得ている場合は、老朽化による住宅の建て替えは、同規模であれば再建築も可能です。
「親族が住む」という以外にも、土地を購入することで隣家が道路と接するようになる、という場合も考えられるでしょう。隣家が所有してメリットが生まれるケースもあるのです。
田舎の中古住宅を探している人
中古住宅を探している人の中には、市街化調整区域内かどうかを特に気にしない人もいます。
特に、リフォームや再建築に際して、「用途変更しない」「一定規模以下にする」といった諸条件を守れば許可は不要、というケースでは、比較的買い手が見つかりやすいといえます。
もちろん再建築の条件は自治体によって異なりますので、売却前にきちんと確認を取り、買主へ事前に説明できるようにしておくことが大切です。
買取専門の不動産会社
市街化区域にある家と比べて、市街化調整区域内にある家には様々な条件があるため、売却は簡単ではありません。
市街化調整区域の不動産は市場での流通量も少ないため、都市計画法や自治体の条例などに精通している不動産会社はある程度限定されますし、最初から市街化調整区域内の家を扱わないとしている不動産会社も珍しくありません。
その点、買取専門の不動産会社は、知識やノウハウを豊富に蓄積しているので買取がスムーズ。新築が認められにくい土地、建て替えが許可されにくい家でも、資材置き場や太陽光発電、駐車場といった用途に活用する方法を知っています。また、独自の売却ルートを持っていることも多いです。
売却額は多少安くあるものの、時間を浪費するよりは建設的な選択と言えます。早く現金化したい人も買取を検討してみましょう。
まとめ
市街化調整区域内にある不動産売却は、買主がどのような目的で購入するかにより、開発許可や建築許可の要件が変わります。売主の方でどうにかできるものではありません。
とはいえ、許可を得られそうな目的を持った買主を探すのは、非現実的です。できることは、買主が開発許可を得られそうか、事前に行政に相談・照会すること。買主によっては、許可が得られない場合は契約解除とする特約を条件に売買交渉してくるケースもあります。それだけ、市街化調整区域の不動産売却は難しいと言えるのです。
市場に流通している市街化調整区域の住宅は、そもそも絶対量が少ないため、経験を積んだ不動産会社も担当者も相当限られていますし、制度を誤って認識しているケースもあります。調査に手間や費用がかかる割に価格が安く、利益が上がらないため、最初から「市街化調整区域はお断り」という会社もあります。
そのため売却を考えている人は、市街化調整区域に詳しく、信頼のおける不動産会社に相談することが重要です。