土地や空き家のこと2023.12.21
最低敷地面積とは?分筆して土地が小さくなってしまった場合の売却方法も
こんにちは。イエステーション北章宅建 小樽店の枝久保です。
土地の売却を検討した際に、わかりにくい言葉や専門用語が出てきて戸惑うことがあるかもしれません。
「最低敷地面積とは何だろう?」と疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最低敷地面積とは、簡単にいえば建物を建てるために必要な土地の広さです。
「分筆して最低敷地面積に足りないと土地は売れないのか」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
そこで今回のコラムでは、最低敷地面積について解説します。
分筆して土地が小さくなった場合の売却方法もご紹介しますので、あわせて参考にしてください。
売却ができなくなる?土地の分筆の最低敷地面積とは?
最低敷地面積とは、その土地に建物を建てる際に必要とされる広さのこと。
最低限これ以上の広さがないと建築できない、という面積をいいます。
なぜ設定されるのかというと、土地の細分化を防ぎ、市街地の建て詰まりを回避するためです。
住居が詰まってしまうと、風通しや日当たり、緊急時の防災対策に影響が出てしまいます。
最低敷地面積を下回ると買い手が付きにくくなってしまう
土地の売却を検討中の方には、「面積が広いから分筆して売ろう」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
土地の購入希望者には住宅の新築を目的にする人が多く、広い土地は居住用の建物用に便利な広さに分けて売ったほうが、広さや価格の面で買い手が付きやすい傾向があるからです。
分筆については「土地の分筆とは?土地を共同相続した場合の分筆方法が知りたい」で解説していますので、詳しく知りたい方はぜひあわせて参考にしてくださいね。
しかし、元が広い土地でも、分筆の際に最低敷地面積を下回ってしまうと「建物が建てられる土地」として売れなくなってしまいます。
売却自体は可能ですが、使い道としては通路や駐車場などしかなく、買い手が付きにくくなってしまうということですね。
最低敷地面積は自治体によって異なる
最低敷地面積は全国一律で定められているものではありません。
広さの規定も異なりますし、そもそも最低敷地面積を定めていない自治体もあります。
自治体によって街づくりのプラン「都市計画」の内容も異なり、土地の用途「用途地域」の設定や、条例なども市町村区域の特性に沿って定められるからです。
例えば、札幌市では「第一種低層住居専用地域」について、建築物の敷地面積の最低限度を「165㎡」と定めています。
住宅地を安全、かつ快適な環境に整えるためですね。
同地域に400㎡の土地を持っていた場合に、200㎡ごとに分筆する分には、それぞれ最低値を満たしているため、建築に問題は生じません。
しかし、400㎡の土地を「170㎡」「170㎡」「60㎡」のように3つの敷地に分筆しようとすると、3つ目の土地は建築不可となってしまいます。
最低敷地面積が除外されるケースもある
基本的には最低敷地面積に満たないと建築できませんが、自治体による条例が施行される前から最低面積を下回っていた場合は例外となります。
札幌市の例でいえば、施行された平成18(2006)年3月31日より前から165㎡を下回る土地の場合、分筆せず現状のままであれば、新築や建て替えなど建築が可能です。
また、建築基準法第53条の2では、下記に該当する建築物がある土地であれば、条例が施行されたあとでも、建物を建てられると定めています。
- 防火地域内(建ぺい率の限度が80%)に所在する耐火建築物
- 公衆便所・巡査派出所など、公益上必要な建築物
- 周りに広い公園や広場、道路などがあり、市街地の環境を害する心配がないと特定行政庁が認めて許可している建築物
- 特定行政庁が土地の用途や構造上、やむを得ないと判断した建築物
注意点として、条件に当てはまるのはなかなか難しいといえるでしょう。
そのため、分筆する際は最低敷地面積を満たすように気を付けてくださいね。
土地の分筆の際の最低敷地面積の調べ方
土地の分筆で失敗しないためには、物件が所在する地域に最低敷地面積が設定されていないか把握しておく必要があります。
また、設定されていても、自治体によっては緩和規定を定めている場合もあるので、事前に知っておけば分筆がスムーズに進められるでしょう。
では、どのようにして調べれば良いのかというと、手軽な手段としては、インターネット検索の利用があります。
検索エンジンにて、次のキーワードを入れて検索しましょう。
- 「市町村名+最低敷地面積」
- 「市町村名+敷地面積の最低限度」
キーワード検索してもそれらしいページが上がってこなかった場合は、検索した自治体では最低敷地面積は設定していないか、インターネット上には情報を公開していない可能性があります。
前者ならば良いですが、後者の場合は早合点で分筆してしまうと失敗につながる恐れも。
情報が見当たらない場合は、自治体の役所に問い合わせましょう。
最低敷地面積よりも小さく分筆した土地の売却方法
一般の土地よりも難易度は上がりますが、最低敷地面積よりも小さく分筆してしまった土地でも、工夫次第で売却できる期待が持てます。
おすすめの売却方法は、次のとおりです。
- 隣地所有者に売却をもちかける
- 隣地を買い取って最低敷地面積をクリアしてから売却する
- 不動産会社に直接売却する(買取)
最低敷地面積よりも小さくなった土地は、隣地所有者に売却を相談するのが一番の方法といえます。
一般の買い手にとっては使い勝手の悪い土地でも、隣地所有者にとっては土地を広げられるメリットになるからです。
あるいは、隣地所有者の土地を買い取ってプラスする方法もあります。
複数の土地を1筆の土地にまとめる合筆をする場合、容積率や建ぺい率など建物の広さに関わる規定や、道路が接しているかという接道義務の問題もチェックが必要なことも知っておきましょう。
最後におすすめの方法は、不動産会社に直接売却する「買取」です。
不動産会社は一般の買い手とは違い、買取後の物件を活用するノウハウを持っているため、一般の買い手が買い控える物件でも、状況次第で売れる可能性があります。
分筆で最低敷地面積より小さくなっても慌てず、まずは不動産会社に相談することをおすすめします。
まとめ
●最低敷地面積とは建築できる最低限の広さ
最低敷地面積は、自治体が定めた建築に必要最低限の土地の広さのこと。
分筆時に下回ってしまうと建物が建設できないので購入者希望者の幅が狭くなり、売却が難しくなる可能性が高いです。
●分筆前には必ず最低敷地面積の確認を
分筆時に失敗しないために、事前に最低敷地面積の確認を行うことが大切です。
自治体が情報を公開していれば、インターネットでキーワード検索できます。
情報がない場合は、役所に直接問い合わせましょう。
●最低敷地面積を下回ってしまっても慌てず、不動産会社に相談を
隣地所有者に売却したり、隣地を買い取って規定を満たしたり、物件の条件によっては不動産会社が上手く活用するノウハウを持っている可能性があり、買取してくれる期待も持てるでしょう。
分筆時に規定を下回っても、慌てず不動産会社に相談しましょう。
北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。
著者
小樽店 枝久保 良太平成27年4月より入社致しました。日々勉強して一生懸命頑張らせていただきます。 父母が小樽市内で商売を行っており、昔からこの街には馴染みがあります。2017年に地元に住宅を購入し、よりお客様の気持ちに寄り添いたいと改めて思います。小樽は海と山が近くにあり、自然が多い所が魅力です。 大学時代はサッカーをやっており、冬はスキーを楽しんでいました。これからも休日などに続けていけたらなと思っています。 北章宅建株式会社をこれからも宜しくお願いします。
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