土地や空き家のこと2021.11.18
土地の分筆とは?土地を共同相続した場合の分筆方法が知りたい
土地の所有は一人だけと限らず、複数で所有しているケースも珍しくありません。
特に相続の場合には、複数人でひとつの土地を相続するケースもあります。
このように複数人で土地の活用や売却をしたい場合には、「分筆(ぶんぴつ)」の手続きが必要です。
分筆は、一般的にはなかなか聞きなれない言葉ではありますが、共同相続の場合には覚えておくと良いでしょう。
今回は、土地の分筆についてなど手続きのポイントをご紹介します。
土地の分筆とは?
分筆とは、共同不動産を活用しやすく、売却なども自分の意思で運用するために大切な手続きです。
手続き上では、不動産情報が記載されている「登記簿謄本」の中で、1つの土地を所有者ごと複数に分割することを言います。
分筆が必要なケースは、1つの土地を複数人で共同相続するケースです。
現物分割とも言い、1つだった土地を相続人ごとに分割して所有者登記することで、運用や売却を始め、土地を担保にすることもできます。
分筆しない場合には、後々トラブルになることもあり、仲の良い相続人同士でも割り切って分筆しておくこともおすすめです。
不動産は長い期間関わるものであり、本人だけでなく孫やさらに次の代まで続いてくるとトラブルの可能性も拡大するでしょう。
分筆の手続きが面倒であることや、他の相続人に言いにくいという場合もあると思いますが、将来的に考えるとお互いに安心できる方法と言えます。
土地を共同相続した場合の分筆方法
土地を共同相続した場合に、どのように分筆をしていくのか?
手順については下記の順番になります。
① 遺産分割協議
② 境界確定測量
③ 遺産分割協議書
④ 分筆登記
・遺産分割協議
共同で相続した人全員で、遺産の分配について決めるようにします。
この時点で、1つの土地または不動産を、複数の相続人で所有する場合には、分筆する必要性がでてきます。
・境界確定測量
土地を正確に分けるためには測量図面が必要です。
1つの土地のどこからが自分の所有で、この線からが別の人の所有というのが正確にわかるようになります。
・遺産分割協議書
境界確定測量をして作った図面を元に、遺産分割協議書を作成しましょう。
遺産分割協議書を作る際には、「分筆した後の土地を各自が取得する」という内容を盛り込んでおくと、分筆前の相続登記を共有名義にする手間がなくなります。
・分筆登記
遺産分割協議書ができたら分筆登記に進みます。
分割登記が完了するまでには、1年以上かかることも少なくありません。
境界確定測量は、近隣の方の都合が必要となる場合があるので、時間を要することがよくあります。
土地の分筆にかかる費用とは
分筆登記が完了するまでには、測量や登記の費用、登録免許税などさまざまな費用がかかります。
測量費は土地の広さによっても大きく異なりますが、数十万円~百万円単位が相場です。
また、登録免許税は「固定資産税評価額×0.4%」で算出され、少額の土地を相続で取得した場合は、登録免許税が免税となる場合もあります。
土地の分筆をする時の注意点
分筆する時に注意したいのが、どのように土地を分けるのかということです。
綺麗な四角形の土地であれば分けやすいでしょうが、不整形の土地の場合には複数人でわけづらい場合もあるでしょう。
土地の作りによっては、道路に面していない土地を作ってしまうと、建物の建設ができず建築不可になってしまう可能性が発生します。
さらに、手続きの際には、相続の前に分筆登記を済ませるようにしましょう。
分筆登記を先に行えば、相続登記の手間を省くことができます。
複雑なケースの場合には、司法書士や土地家屋調査士に相談することをおすすめします。
相続後は放置せず早めに話し合いを
土地を共同相続した場合には、いくら仲の良い兄弟同士だったとしても、長期的に見た場合、トラブルを避けるためにも分筆しておくことが大切です。
分筆には、費用や時間もかかりますが、相続の発生がわかった段階で話し合っておくとスムーズでしょう。