ローンやお金のこと2026.02.06

離婚で家を売却するとき頭金は?財産分与と整理の進め方

こんにちは。イエステーション北章宅建 札幌北店の蛸星です。

離婚をきっかけに家の売却を考え始めたものの、「購入時に支払った頭金はどう扱われるのだろう」と不安を感じていませんか?

特に、独身時代の貯金や親からの援助で頭金を出していた場合、財産分与ではどのように評価されるのか、「損をしてしまうのでは」「相手ともめないだろうか」と心配になる方は少なくありません。

離婚時の家の売却では、頭金だけでなく、売却価格や住宅ローン残債も含めて整理することが大切です。

今回のコラムでは、財産分与の基本的な考え方を踏まえながら、離婚時に家を売却する際の頭金の基本的な扱い方、トラブルになりやすいポイント、後悔しないための整理の進め方についてわかりやすく解説します。
離婚で家を売却

 

離婚で家を売却する際、頭金は財産分与でどう扱われる?

離婚で家を売却する際、購入時に支払った頭金がどう扱われるのかは、頭金の「出どころ」によって大きく異なります。

 

頭金の原資によって扱いが変わる

頭金をどこから出したのかによって、財産分与での整理方法は変わります。
大きく分けると、「共有財産から出した場合」と「特有財産から出した場合」の2つです。

 

共有財産から頭金を出した場合

結婚後に夫婦で貯めた預貯金や、婚姻期間中の収入から積み立てた資金を頭金に充てていた場合、その頭金は共有財産として扱われます。

この場合、頭金だけを特別に区別することはせず、売却時点の家の価値を基準に、多くの場合は夫婦で2分の1ずつ分ける形が一般的な整理方法です。

 

特有財産から頭金を出した場合

特有財産とは、夫婦の共同生活とは無関係に取得した個人の財産を指し、原則として財産分与の対象には含まれません。

特有財産には、次のようなものがあります。

  • 結婚前から保有していた預貯金
  • 独身時代に積み立てていた積立金や保険金
  • 親や親族から個人に対して援助された資金
  • 相続によって取得した財産

これらのお金から頭金を支払っていた場合、その頭金は一方の配偶者の特有財産として評価され、財産分与の際にその割合が考慮される可能性があります。

 

特有財産から頭金を出した場合の計算方法

特有財産から頭金を出していたとしても、支払った金額がそのまま戻るとは限りません。

住宅の価値は時間の経過とともに変動するため、売却時点の価値を基準に、購入時の頭金の割合を按分して整理する考え方が取られることがあります。

例えば、3,000万円で購入した家に対して600万円の頭金を出していた場合、「600万円 ÷ 3,000万円 = 0.2(20%) 」となり、頭金の割合は20%になります。

離婚時に家を1,800万円で売却するのであれば、「1,800万円 × 20% = 360万円」となり、この360万円が特有財産として考慮される可能性があります。

その上で、残りの金額については共有財産として扱われ、原則として夫婦で2分の1ずつ分ける形になります。

頭金は「支払った金額がそのまま返金されるもの」ではなく、購入価格に対する頭金の割合をもとに、売却時点の価値から整理される考え方がある、と理解すると分かりやすいでしょう。

 

名義や住宅ローンとの関係

家の名義が単独か共有かという点は、財産分与の金額そのものを直接決める要素ではありません。

ただし、売却時に双方の同意が必要になるかどうかや、住宅ローンをどちらが引き継ぐかといった手続き面には影響します。

共有名義の家を売却する際の住宅ローンの扱いや注意点は、下記のコラムで詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。
共有名義の住宅ローンは離婚でどうなる?財産分与や名義変更は可能?
離婚により夫婦共有名義の持ち家を売る場合の注意点

 

離婚と家の問題で頭金がトラブルになりやすい代表的なケース

離婚時に頭金が原因でトラブルになるケースは少なくありません。
ここでは、代表的なトラブル事例をご紹介します。

 

①一方が多く頭金を負担していたケース

夫婦のどちらか一方が、独身時代の貯金や親からの援助で頭金の大部分を負担していたにもかかわらず、記録が残っていない場合はトラブルになりやすい傾向があります。

特有財産であることを示す資料がないと、相手から「共有財産として半分に分けるべき」と主張されるかもしれません。

通帳の入出金履歴、振込記録、贈与契約書など、資金の流れを確認できるものが必要です。

 

②親や親族からの援助を「贈与」と思っていなかったケース

親や親族から頭金の援助を受けた際、「借りたお金」なのか「もらったお金(贈与)」なのかを明確にしないまま購入を進めてしまうケースも見られます。

離婚時になると、配偶者から「返済が必要な借金だから財産分与の対象にならない」と言われたり、親族から「貸付金なので返してほしい」と求められたりすることがあります。

資金を受け取った時点で、贈与か貸付かをはっきりさせ、可能であれば書面に残しておくことが望ましいでしょう。

 

③名義と実際の負担割合が一致していないケース

家の登記名義と、頭金や住宅ローンの実際の負担割合が一致していない場合も、対立が生じやすくなります。

例えば、妻の親が多くの頭金を出しているにもかかわらず、家の名義が夫の単独名義になっているような状況です。

このような場合、「実際の負担割合を反映すべき」という意見と「登記名義に合わせるべき」という意見がぶつかり、話し合いが長期化することがあります。

 

頭金の問題は早期の整理と相談がカギ

頭金をめぐるトラブルに共通しているのは、購入当時の取り決めや理解の違いです。

「自分の貯金で支払った頭金だから全額戻るはず」と考える人もいれば、「結婚後に購入した家だから半分ずつ分けるもの」と捉える人もいます。

このような認識のズレがあるまま話し合いを進めると、売却や財産分与の決定に時間がかかってしまうでしょう。

また、頭金の特有財産性や具体的な財産分与の計算方法は、個別の事情によって異なる場合があります。

最終的な取り分の決め方については、弁護士など法律の専門家へのご相談もご検討ください。

早い段階で頭金の出どころ、名義、ローンの状況を整理し、必要に応じて専門家に相談することが、より円滑な解決につながります。

 

離婚時の家の判断は「売却価格・住宅ローン残債・頭金」の整理から

離婚届
離婚に伴い家をどうするかを考える際には、「売却する」「どちらかが住み続ける」といった選択肢があります。

いずれを選ぶ場合でも、売却価格・住宅ローン残債・頭金の扱いをセットで確認することが大切です。

 

売却価格・住宅ローン残債・頭金をセットで考える理由

家の売却や居住継続の判断では、次の3つの要素を同時に確認すると全体像が見えやすくなります。

 

①売却価格(現在の相場)

まず、家が現在いくらで売れそうかを把握します。
不動産会社に査定を依頼すれば、無料で価格の目安を知ることができます。
複数の会社に依頼すると、相場の幅や地域の動向も把握しやすくなるでしょう。

 

②住宅ローン残債

次に、住宅ローンがいくら残っているかを確認します。
売却価格がローン残債を上回る場合は、売却代金で完済し、残った金額を財産分与の対象として整理できます。

一方、売却価格よりもローン残債が多い状態は「オーバーローン」と呼ばれ、自己資金の用意や金融機関との相談が必要になることがあります。

 

③頭金の扱い

頭金に特有財産が含まれている場合は、その割合を考慮して取り分を調整します。
一般的には、売却価格から住宅ローン残債を差し引いた金額(純資産)を基準に、特有財産の割合を差し引き、残りを分けるという整理がとられます。

離婚で家を売却する場合・住み続ける場合、それぞれのケースと注意点は、「離婚で家を売るべき? 財産分与やローン残債、売却手続きなど徹底解説」で詳しくご紹介しています。
ぜひあわせてご参照ください。

 

離婚後の生活を見据えた判断をするために、早めの情報整理と相談を

離婚にともなう家の整理は、感情面の負担が大きく、当事者同士だけでは冷静な判断が難しくなることもあります。

そのため、売却価格や住宅ローン残債、頭金の内訳などの情報を整理した上で、必要に応じて第三者の意見を取り入れることが、円滑な判断につながります。

特に家の売却や価格の目安を知りたい場合、不動産の市場価格や売却手続きに詳しい不動産会社へ相談することで、感覚ではなく数字や資料をもとに話し合いを進めやすくなります。

不動産会社に相談すると、家の価値や売却の流れが具体的に見えるようになり、次のような判断材料を得られるでしょう。

 

①客観的な価格査定と市場情報の提供

不動産会社は、周辺の成約事例や現在の市場動向をもとに、家のおおよその価格目安を提示します。
当事者の希望や感情に左右されにくく、現実的な判断材料を得やすくなります。

 

②売却手続きのサポート

家の売却には、査定、売り出し、内覧、契約、引き渡しなど複数の手続きがあります。
専門家に依頼することで、手続きの抜け漏れやスケジュールの遅れを防ぎやすくなります。

 

③財産分与に必要な評価資料の取得

財産分与の話し合いでは、家の評価額を示す資料が重要になります。
不動産会社の査定書は、取り分を検討する際の基礎資料として活用できます。

 

まとめ

●離婚時の財産分与で家の頭金は、原資によって扱いが変わる
離婚時の財産分与では、原則として2分の1ずつ分けることが目安とされていますが、頭金を独身時代の貯金や親からの援助など「特有財産」から出していた場合は、その割合を考慮して整理されます。

●頭金の記録や認識のズレがトラブルを招きやすい
負担割合が曖昧、贈与か貸付か未整理、名義と実態の不一致などが、売却や財産分与を長引かせる原因になります。
早い段階で頭金の出どころ、名義、ローン状況を整理することが重要です。

●離婚時の財産分与では、家の売却価格・ローン残債・頭金をセットで確認する
家を売るか住み続けるかの判断は、価格・残債・頭金を総合的に見ることが大切です。
不動産会社など第三者の意見を取り入れると進めやすくなります。

北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。

 

家を売るなら不動産売却相談 家を売るなら不動産売却相談
著者
離婚で家を売却するとき頭金は?財産分与と整理の進め方

札幌北店 蛸星 香奈実平成22年から不動産業に従事し、主に土地、中古戸建、新築戸建、マンション等の不動産売買をお手伝いしてきました。平成28年より、ご縁があり北章宅建株式会社に入社しました。 日々、お客様とのふれあいを通じて、新たな発見ができることを楽しみながら仕事をしています。 ご売却、ご購入に限らず、お住まいでお悩みのことがありましたら何でもご相談ください。 過去の経験や知識を活かし、お客様の希望をかなえられるよう、より良い提案をさせていただきます。どうぞ宜しくお願いいたします。

この担当者がいる店舗のページ
  • 地方マンションが売れない理由は?見直したいポイ...
不動産売却物語 不動産売却のヒント 不動産売却のご相談
総合ガイドブック
電子ブックはこちら
空き家対策ガイドブック
PDFダウンロード
お役立ち冊子お申込み
ご相談
お問合せ
無料査定