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不動産に関する手続き2025.09.02
不動産売却を秘密に進める方法は?注意点や成功させるコツも確認
こんにちは。イエステーション北章宅建 後志店の梅津です。
「近所の人や親族に知られずに家を売却したい」
「不動産売却は秘密に進められるだろうか」
そんな悩みをお持ちではありませんか?
離婚や相続、経済的な事情など、プライベートな理由で不動産売却を決断された場合、周囲に知られることで余計な詮索や噂に巻き込まれるのを避けたいと考えるのは自然なことです。
今回のコラムでは、周りに内緒で不動産売却を進める方法をご紹介。
注意点だけでなく、秘密の不動産売却を成功させるためのコツについても解説します。
不動産売却を秘密裏に進めたい人は多い?その理由と実現できる方法を解説
結論から言いますと、「周囲に知られずに不動産を売却したい」と考える人は少なくありません。
なぜなら、家や土地の売却には、下記のような個人的な事情やプライベートな背景が絡むことが多く、「事情を周囲に知られたくない」という心理が働きやすいからです。
- 配偶者との離婚
- 実家売却を巡る親族間の対立
- 住宅ローンの返済困難や事業資金確保などの経済的事情
- 転勤、急な引越し
では、具体的にどうすれば、秘密で不動産売却を進められるのでしょうか。
実現の方法としては、大きく分けて3つあります。
①不動産買取を活用する
不動産買取とは、不動産会社が直接、家や土地を買い取る方法です。
この方法の最大のメリットは、買い手を探す必要がなく、広告活動が不要なので、近所や親族などに「売却している」という情報が広まるリスクを大幅に減らせること。
一般の購入希望者が内覧に訪れることがなく、不動産会社の担当者確認だけで済むので、人目につきにくい点もポイントです。
さらに、売却までのスピードが仲介よりも早いため、噂が立つ前に引き渡しを終えられる可能性が高い利点もあります。
買取価格は市場相場のおよそ7〜8割程度になることが多いものの、「誰にも内緒で、かつスピーディーに売却したい」という場合には、非常に有効な選択肢です。
②仲介で広告の露出を抑える
不動産会社に仲介を依頼して売却する場合、通常は次のようなタイミングで情報が周囲に知られる可能性があります。
- 不動産流通システム「レインズ」への登録
- 不動産売却ポータルサイトやチラシでの広告
- 店頭掲示やオープンハウス(内覧会)での公開
- 購入希望者への内覧対応
レインズとは、不動産会社同士が物件情報を共有するための全国的なネットワークです。
登録された情報はほかの不動産会社にも伝わり、広く紹介されやすくなります。
こうした露出を最小限にするためには、「秘密厳守」を掲げた不動産会社に売却を依頼するほか、次のような方法があります。
- 水面下での売却(非公開売却)
- 限定公開での売却
- 相手を限定した売却
それぞれの方法について詳しく解説します。
水面下での売却(非公開売却)
レインズに登録せず、不動産会社の社内顧客ネットワークや既存の購入希望者リストの中だけで買い手を探す方法です。
広告を出さず、限られた顧客にしか情報を伝えないので、秘密を守りやすくなります。
限定公開での売却
レインズには登録するものの、ほかのポータルサイトには物件を転載しないように設定する方法です。
また、別の物件を探している顧客に対して、条件が合えばあわせて紹介するなど、広告を控えめにした販売活動を行う場合もあります。
相手を限定した売却
親族や知人、地元の地主など、信頼できる限られた相手にだけ売却を打診する方法です。
広告を出さない、内覧対応が限定的になるなど、秘密を保ちやすい方法の一つです。
なお、「仲介の流れが知りたい」という場合は、「不動産売却で多い悩みとは?解決策や対処法も紹介」で売却の流れを解説していますので、あわせてお役立てください。
③個人間売取引で売却を行う
個人間での売買取引とは、知人や親族など個人同士で直接契約を結ぶ方法です。
広告や内覧など販売活動が不要になるため、情報の露出を極力減らせるでしょう。
ただし、購入時に住宅ローンを利用しにくい場合が多く、現金一括払いができる人でないと売買が成立しづらいため、買い手候補がそもそも少ないというデメリットも。
また、個人で取引を進めるので、契約書の作成や登記手続きでもトラブルになりやすく、司法書士や不動産会社のサポートを受けるほうが無難という事情もあります。
売却相手の心当たりがないなら、買取や仲介よりも難易度が高く、時間がかかりやすい方法です。
不動産売却を秘密に進める場合の注意点
不動産売却を秘密で進める際には、いくつかの重要な注意点があります。
①完全に秘密にするのは難しい
不動産売却を「完全に秘密」にすることは、現実的には難しいです。
いくら工夫しても、不意に周囲へ伝わってしまう可能性があるからです。
例えば、購入希望者の内覧で見知らぬ人が出入りしている様子を近所の人が見て「もしかして売却中?」と勘づくことがあります。
また、引越し準備や荷物の搬出など、些細な変化もきっかけになるでしょう。
さらに、売却後は不動産登記法の仕組みにより、所有者情報が法務局で誰でも確認できます。
登記事項証明書を請求すれば、所有権が変更された事実は必ずわかります。
②「広告非公開」にはデメリットがある
広告を出さない、または広告を大幅に制限すると、次のようなデメリットが生じる可能性があります。
売却までの期間が長くなる
広告を抑えると購入希望者の数が減るため、通常よりも成約までに時間がかかるかもしれません。
急ぎの売却を希望する場合は、不動産買取も検討しましょう。
売却価格が下がるリスクがある
購入希望者が少ないと、市場での競争が起こらず、価格交渉で不利になる場合があります。
結果的に、相場より安い価格での売却を余儀なくされる可能性もあります。
③媒介契約によって情報公開範囲の違いがある
不動産会社に売却を依頼するときに結ぶ「媒介契約」の種類によって、物件情報がどこまで公開されるかが変わります。
専属専任媒介契約・専任媒介契約
レインズへの登録が義務付けられているため、情報が拡散されやすいです。
一般媒介契約
レインズへの登録義務や、不動産会社への販売状況報告の義務がないため、情報の露出を抑えやすくなります。
どの媒介契約を結ぶかで、情報の露出度が変わる点にご注意ください。
媒介契約の種類や特徴については「不動産売却の媒介契約は専任媒介契約?一般媒介契約?違いや選び方とは」で詳しく解説しています。
なお、不動産売却についての注意点は「不動産売却での注意点。家を早く高く売るために知っておくべきこと」で解説していますので、あわせてご参照ください。
近所に知られたくない、秘密の不動産売却を成功させるためのコツは?
秘密の不動産売却を成功させるには、以下のコツを意識することで、スムーズな成約につなげやすくなります。
コツ① 信頼できる不動産会社を探す
秘密売却の実績がある不動産会社や、個人情報管理を徹底している秘密厳守の不動産会社を選びましょう。
また、複数社に査定を依頼し、対応の仕方を比較するのもポイントです。
例えば、媒介契約の種類や広告方法について質問した際に、丁寧かつ誠実に答えてくれるかどうかなども、信頼できる不動産会社を選ぶ際の大きな判断材料になります。
コツ② 事前に事情を伝え、対応の工夫を依頼する
秘密裏に売却を進めるには、担当者に「近隣に知られたくない」という希望を明確に伝えておくと安心です。
仲介だけでなく、不動産買取を扱う会社かどうかも確認しておきましょう。
買取であれば広告が不要で、最小限のやり取りで済むため、仲介よりも秘密が漏れにくくなります。
また、内覧の対応方針もあらかじめ相談しておくと良いでしょう。
例えば、予約制・個別対応にするなど、周囲に目立たない方法で対応してもらえる可能性があります。
コツ③ 秘密保持契約の活用
売主と不動産会社、または売主と購入検討者の間で秘密保持契約を結ぶことで、売却情報の取り扱いを文書で明確にできます。
この契約を活用すると、売却に関する情報が外部に漏れないよう法的に保護されるため、周囲に知られずに売却を進めやすくなります。
コツ④ 市場動向や相場を確認し、希望売却価格を明確にしておく
秘密売却は購入希望者が少なくなりがちなので、無理のない価格設定が重要です。
相場より高すぎる価格は、限られた候補者から敬遠されやすいですし、安すぎる価格は損失につながる可能性があります。
複数社の査定結果を比較して、希望売却価格と最低ラインをあらかじめ決めておくことで、売り急いで不本意な値下げをするリスクを減らせます。
コツ⑤ スケジュールを立てておく
秘密売却では広告を控える分、売却までに時間がかかることがあります。
「いつまでに売りたいか」「引越しや新居探しとの兼ね合い」などを考え、余裕を持ったスケジュールを立てておきましょう。
不動産会社に相談する前に決めておくべきこと
不動産会社に相談する前には、下記の内容について決めておくと良いでしょう。
【価格について】
- 希望売却価格(最低ラインを含めて)
- 周辺相場の把握
- 住宅ローン残高や抵当権の有無の確認
【スケジュールについて】
- 売却希望時期
- 引越し予定時期
- 新居探しの計画
【広告・秘密性の希望について】
- 広告公開範囲(レインズ登録の可否、ポータルサイト転載の有無)
- 内覧の対応方針(予約制・個別対応など)
- 近隣への配慮事項
まとめ
●なるべく周囲に知られずに、秘密の不動産売却は実現可能
不動産買取や広告を抑えた仲介などを活用すれば、なるべく周囲に知られずに、秘密の不動産売却を進めることができます。
●秘密の不動産売却は、注意点を理解して進めることが重要
不動産売却を完全に秘密にすることは現実的に難しいです。
また、広告を制限すれば売却期間が長くなったり、希望価格より下がったりする可能性があることを理解しておきましょう。
●信頼できる不動産会社との連携が不可欠
秘密の不動産売却を成功させるには、秘密厳守の信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。
希望価格やスケジュール、広告の公開範囲などをあらかじめ整理し、担当者に明確な希望を伝えることで、状況に合った売却プランを提案してもらいやすくなります。
北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。
著者

後志店 梅津 大樹不動産の売買では、高く売れるか等、金銭的な部分にだけ目が行きがちですが、不動産は定価がなく、不動産会社は、売主様が所有する不動産を、仲介業務という形で、間接的に、買主様に売却する仕事です。つまり、弊社で不動産を仕入れする訳ではありませんので、売主様から伺った情報、買主様へ受け渡す(伝達する)というのが、主な業務となります。 不動産会社は、営業会社になりますので、「売り上げ至上主義」や「気合・努力・根性」の業界ですが、弊社は、取引の安全性や、情報伝達の正確性に重きをおいております。 安心して、不動産売却をお任せ頂けるよう、心掛けておりますので、不動産売却を検討中のお客様に置かれましては、弊社へのご依頼も、ご一考頂けますと幸いです。
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