不動産管理コラム
不動産管理のこと2026.02.12
アパート・マンションの共用部照明は重要?管理の基本を解説
こんにちは。イエステーション北章宅建 不動産管理部の小幡です。
「共用部の照明って、どこまで気にするべき設備なのだろう」
「LEDに変えたほうが良いと聞くけれど、本当に必要なのか判断がつかない」
そんな悩みや疑問をお持ちではありませんか?
共用部の照明は、入居者の安全性や防犯性に直結する重要な設備です。
しかし、管理責任の範囲や費用負担、交換時期の判断など、オーナーや管理担当者が迷いやすいポイントも多くあります。
今回は、アパート・マンションの共用部照明について、管理の基本からLED化のメリット、交換・不具合対応の判断基準まで詳しく解説していきます。

アパート・マンションの共用部の照明が重要な理由は?管理の基本を解説
アパート・マンションの共用部照明は、単に通路を明るくするための設備ではなく、入居者の安全性・防犯性・物件全体の印象に関わる重要な管理項目です。
アパート・マンションの共用部の照明が重要な理由
共用部照明が重要とされる理由は、入居者の安全と物件の印象の両方に影響するためです。
主なポイントは次の通りです。
- 夜間の転倒防止:廊下や階段を明るくし事故リスクを減らす
- 防犯対策の強化:明るい共用部は不審者が入りにくい環境づくりにつながる
- 内見時の印象向上:管理が行き届いている物件という印象を与えやすい
- 帰宅時の安心感の確保:夜間でも入居者が不安を感じにくい
- 物件価値の維持:照明の点灯状況は管理状態の指標の一つ
なお、共用部の照明のうち、誘導灯や非常用照明器具といった防災用の設備は、消防法および建築基準法に基づき設置・維持が求められており、定期的な点検や報告が必要となる「法定点検」の対象です。
アパート・マンションにおける法定点検の種類や必要性については、「アパート・マンションの法定点検とは?必要性や種類など詳しく」でも解説しています。
点灯不良や暗さを指摘された場合の一次対応の考え方
入居者から「共用部の照明が暗い」「点灯していない」といった連絡を受けた場合は、すぐに業者へ依頼するのではなく、まず原因を整理することが基本的な一次対応です。
連絡を受けた際、確認したい主なポイントは次の通りです。
- 電球・LEDランプの球切れ:単純な交換で解決するケースが多い
- 人感センサーやタイマー設定:感度や点灯時間の設定不備で暗く感じることがある
- 照明器具本体の不具合:内部部品の劣化や接触不良で点灯が不安定になる
- ブレーカーの状態:共用部の回路が落ちている場合がある
上記のように、原因を整理することで、簡単な調整で解決できる場合もあります。
現場対応と業者依頼の判断基準
原因を確認したあとは、その場で対応できる内容か、専門業者へ依頼すべき内容かを見極めます。
判断の目安は次の通りです。
- 低所での電球交換:脚立で安全に届く範囲なら自己対応が可能な場合がある
- センサー設定の調整:感度や点灯時間の変更で改善する場合がある
- 高所作業が必要な場合:転落リスクがあるため業者依頼が安全
- 器具交換・配線が関係する不具合:資格が必要な場合があるため専門業者へ依頼
- 原因が特定できない不具合:無理に触らず早めに専門業者へ相談するのが安心
共用部は多くの入居者が利用する場所であり、作業中の事故や感電リスクは避けなければなりません。
「対応できるかどうか迷う場合は、無理をせず業者に相談する」という判断基準を持っておくことで、安全性と効率性の両立が図れます。
なお、共用部照明の管理は、建物全体の維持管理の一部にすぎません。
築年数が経過した物件では、照明だけでなく外壁や設備更新など、総合的な判断が必要になる場面も増えてきます。
古いアパートを相続した場合の経営判断については、「古いアパート経営のお悩み解決。継続か売却かの選択肢」でも詳しく解説しています。
アパート・マンション共用部照明の管理責任と費用負担の考え方
共用部照明は専有部分ではなく、建物全体の維持管理に含まれる設備です。
そのため、日常的な点灯確認や不具合対応は、オーナーまたは管理会社が担うことが一般的です。
共用部照明の管理を怠った場合、次のようなリスクにつながる可能性があります。
- 入居者からのクレーム増加:暗さや不点灯が不満要因になる
- 安全面のトラブル:転倒事故や接触事故の発生リスクが高まる
- 空室リスクの上昇:内見時の印象低下により入居判断に影響する
- 物件の評価低下:管理状態が悪い建物という印象につながる
一般的な共用部照明の明るさや設置数について、建築基準法などで細かな照度義務が定められているわけではありませんが、防犯や安全性の観点から「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」などで照度の目安が示されています。
点灯不良や極端な暗さを長期間放置すると、管理が行き届いていない物件と受け取られるだけでなく、事故・トラブルのリスクも高まります。
特に、誘導灯・非常用照明器具に関しては、消防法や建築基準法といった関連法令に基づき維持・管理し、定期点検を行いましょう。
なお、共用部照明にかかる費用は、入居者全体で利用する設備に対する維持費として扱われるのが一般的で、多くの物件では次のように処理されます。
- 電気代:共益費または管理費から支出
- 電球・LEDランプの交換費用:共益費または管理費から支出
- 照明器具の交換・工事費用:修繕費扱いとなるケースが多く、修繕積立金または臨時徴収で対応する場合がある
ただし、費用の扱いは物件の規模や契約形態、管理方式によって異なる場合があります。
賃貸借契約書や管理規約を確認し、どの費用区分に該当するのかを整理しておくと安心です。
賃貸物件における、その他の設備の管理責任の考え方は「賃貸物件の設備交換のタイミングと対応方法を解説」で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。
アパート・マンションの共用部照明のLED化が進んでいる理由は?
近年、アパートやマンションの共用部では、蛍光灯からLED照明へ切り替える動きが広がっています。
背景には、照明機器を取り巻く環境の変化と、管理面での実用的なメリットの両方があります。
LED化が進む背景
従来広く使われてきた蛍光灯は、環境規制の影響により将来的な供給縮小が見込まれています。
2023年(令和5年)10月~11月にかけて開催された「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」では、水銀を含む一般照明用蛍光灯の製造・輸出入を段階的に廃止していく方針が示されました。
また、日本国内でも省エネルギー政策の一環として、高効率照明への転換が推奨されています。
このような背景から、既存の蛍光灯がすぐに使用できなくなるわけではありませんが、交換や修繕のタイミングでLEDへ切り替える選択が現実的になっている状況です。
LED照明に交換するメリット
共用部照明を、従来の蛍光灯からLEDに交換することで、主に次のメリットが期待できます。
- 消費電力の削減:比較的消費電力を抑えやすく、電気代の節約につながる
- 長寿命化:一般的に蛍光灯より使用可能時間が長く、交換頻度を減らしやすい
- 作業負担の軽減:高所での交換回数が減り、管理の手間と事故リスクを抑えやすい
- 防犯面の安定性:明るさが安定しやすく、照度低下が起こりにくい
- 虫が寄りにくい:紫外線の発生が少なく、共用部の清掃負担を軽減しやすい
さらに、LEDは人感センサーや照度センサー・自動点滅器(EEスイッチ)と組み合わせやすい点も特徴です。
必要なときだけ点灯させる仕組みを取り入れることで、無駄な点灯時間を減らし、電気代と管理負担の両方を抑えやすくなります。
自治体によっては、LED照明への省エネ改修や照明交換に対する補助制度を設けている場合もあります。
ただし、対象条件や補助額は地域ごとに異なるため、事前確認がおすすめです。
共用部照明をLEDに交換する一般的な流れ
共用部照明のLED化の一般的な進め方は次の通りです。
1.既存照明の種類・設置数の確認
2.複数業者から見積もりを取得
3.工事内容・日程の決定と入居者への周知
4.既存照明の取り外しとLED器具の設置
5.点灯確認と不具合の有無をチェック
費用の目安は、簡単な交換であれば1カ所あたり5,000円〜2万円程度と案内されることもありますが、実際の金額は設置場所の高さ、器具の種類、配線状況、業者ごとの料金体系によって大きく変動します。
あくまで目安として捉え、具体的な工事内容については現地調査の上で見積もりを取ることをおすすめします。
共用部全体をまとめて交換する場合は、業者に現地調査を依頼し、総額で検討すると判断しやすくなります。
アパート・マンションの共用部照明の交換・不具合対応はどこまで対応すべき?

共用部照明の作業には、誰でも行える軽微な内容と、専門資格が必要になる内容が混在しています。
安全面と法令面の両方を踏まえ、「自分で対応できる範囲」と「専門業者に任せる範囲」を整理しておくことが重要です。
管理人・オーナー自身で対応可能なケース
安全を確保できる範囲であれば、次のような作業は自己対応が可能な場合があります。
- 低い位置の電球・LEDランプ交換
- 人感センサーやタイマーの設定調整
- ブレーカーの確認・復旧
- 器具周辺の清掃による照度改善
作業前には必ず電源を切り、安定した足場を確保しましょう。
天井に引っ掛けシーリング(差し込み式の電源ソケット)が設置されている場合は、照明器具の交換を資格なしで行えるケースもあります。
専門業者へ依頼すべきケースの判断基準
安全性と確実性を優先すべき場面では、専門業者へ依頼する判断が適切です。
次のような作業は、自己対応を避けたほうが安心です。
- 高所作業が必要な場合:転落事故のリスクが高い
- 照明器具本体の交換:直接配線タイプは専門知識が必要
- 配線トラブルの疑い:断線・漏電の可能性がある
- 同じ箇所で不具合が繰り返される場合:内部故障の可能性が高い
自己判断で作業を進めると、思わぬ事故や法的トラブルにつながる可能性があります。
特に、直管蛍光灯からLEDへ切り替える際に行う「バイパス工事」は、安定器の取り外しなど配線作業を伴うため、電気工事士資格が必要になるのが一般的です。
「対応できそう」と感じた場合でも、安全面に不安がある作業は専門業者に依頼したほうが結果的にコストを抑えられることがあります。
共用部照明の管理が負担に感じる場合の選択肢
照明管理に手間や不安を感じる場合は、管理体制を整えることで負担を軽減できます。
- 不動産管理会社への委託:点検や交換を一括で任せられる
- 定期点検の導入:不具合を早期に発見しやすくなる
- 照明専門業者との保守契約:緊急時の対応がスムーズになる
管理を外部へ委ねることで、入居者の安全性を維持しながら、オーナー側の作業負担を抑えることが可能になります。
また、照明の点検や交換とあわせて清掃体制を整えることで、共用部全体の管理品質を高めやすくなるでしょう。
清掃業務の委託については、「マンション・アパート管理では清掃が重要。業務委託も検討を」で詳しく紹介しています。
まとめ
●アパート・マンションの共用部照明は、物件の安全性と印象を左右する重要設備
共用部照明は、夜間の転倒防止や不審者の侵入抑止、内見時・帰宅時の安心感につながり、物件価値に影響します。
●管理責任はオーナー・管理会社、費用は共益費などで負担するのが一般的
共用部照明は一般的にはオーナーまたは管理会社が管理責任を負い、電気代や交換費用は共益費・管理費から支出されるケースが多いです。
●共用部照明のLED化は省エネと長寿命の観点から現実的な選択肢
蛍光灯からLEDへの交換は、消費電力の抑制、長寿命化、虫が寄りにくい特性などがあり、電気代や交換頻度の削減が期待できます。
●アパート・マンションの共用部照明交換の作業範囲は、安全性と資格の有無で判断する
低い位置の電球交換や設定確認は自己対応できる場合がありますが、高所作業や配線を伴う修理は専門業者へ依頼したほうが安全です。
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著者
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