2021.06.02地域歴史情報

小樽西部の中心地『塩谷』の歴史 ~合併から現代まで~

さて、前回前々回と明治期の忍路郡の中心地であった『塩谷』の歴史について紹介しましたが、引き続き小樽市への合併後、昭和33年以降の歴史を追ってゆきましょう。

現在の塩谷の俯瞰写真

紆余曲折あって小樽市に合併された塩谷村ですが、合併をしたはいいものの、その後、昭和後期には目立った話は少なくなってゆきます。

 

昭和40年代の航空写真を見てゆきましょう。

昭和40年代の塩谷の航空写真

左上が一部欠けていますが、畑が広がり、かなり拓けた状態となっているのが分かりますね。

 

前回、『小樽西部の中心地『塩谷』の歴史 ~大正から合併まで~』でご紹介した塩谷村が小樽市に合併されるにあたっての要望事項のうち、『 沖合漁業の根拠地としての塩谷港の拡張工事の実施』については昭和40~50年代にかけて実現することとなります。
昭和46年には塩谷港の消波工が着工、昭和50年以降も消波工の改良をはじめとした漁港の整備が行なわれます。

平成4年の塩谷漁港図

昭和62年の塩谷漁港の写真

現在の塩谷漁港

塩谷漁港の警告看板

塩谷港は現在でも小樽の沖合漁業の拠点の一つとして機能しています。

 

さて、続いてはその頃の塩谷駅の話題を取り上げましょう。

塩谷駅の看板

塩谷駅構内

昭和42年には東映の映画『旅路』のストーリーに塩谷駅が登場するものの、実際のロケ地は国鉄岩内線の幌似駅だったそうです。
また、昭和50年には『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』のロケが行われたそうですが、私自身は映画本編を見られていないので説明は割愛します。
昭和57年には塩谷駅の物取扱が廃止、昭和59年には物取扱いも廃止、そして無人化となります。
昭和50年代の航空写真を見てみましょうか。

昭和50年代の塩谷の航空写真

昭和62年には前年に施行された日本国有鉄道改革法によって国鉄が分割民営化され、塩谷駅はJR北海道の駅となります。

改元後の平成元年には駅舎が現在のものに改築されます。

塩谷駅の外観

この時点で塩谷駅は既に荷物・貨物の取扱いは停止されており、乗降客数もそう多くはありませんが、昨今話題のニセコエリアと札幌圏を結ぶニセコライナーの停車駅の一つという訳です。

さて、平成10年代以降の国土地理院航空写真を見てみましょう。

平成10年以降の塩谷の航空写真

塩谷港の消波工が設置されたほか、各所のアスファルト舗装も充実している様子が伺えます。
平成17年には北海道ガス株式会社の小樽工場が、それまでのコークス炉ガスから液化天然ガスへの転換によって、塩谷駅裏の小樽工場が閉鎖されます。
そして平成19年には、北海道ガス株式会社から小樽工場の敷地が土壌汚染されていることが発表されますが、該当部分の地表のほとんどがアスファルト舗装されている為、近隣への影響はないという内容の発表となりました。
そして平成の末期には小樽から延伸して後志自動車道が余市、倶知安、ニセコへ到達することが決定し、平成30年には、余市インターチェンジの開設と同時に塩谷インターチェンジも供用開始されます。

塩谷インターチェンジの看板

塩谷後志自動車道の看板

後志自動車は注目度の高いニセコ・倶知安方面と札幌方面を結ぶこととなる高速道路ですが、小樽市街で乗降する小樽インターチェンジを含まず、朝里インターチェンジで分岐している為、従来とは異なった新しい交通網が形成される可能性があります。

これまでも小樽と余市を結ぶ小樽市西部の中心地としての役割を担っていた塩谷エリアですが、時期は未定であるものの将来、共和インターチェンジ倶知安インターチェンジが開業する事で、交通の要所としての役割を担うことになるのでしょう。

 

・・・さて、3回に渡ってかつての忍路郡の中心地、そしてこれからの交通の要所となる塩谷エリアについてご紹介をして来ました。
思いのほか盛り沢山の内容で、2回にまとめ切ることが出来ませんでしたが、色々な地名の変遷など地域の歴史には興味深いものがありますね。

当記事は⼩樽・後志エリアでインターネットに掲載されていない物件情報や、地域ならではの不動産の売却・購⼊・賃貸・管理に関するノウハウを有するイエステーション:北章宅建株式会社のスポンサードコンテンツです。
⼩樽・後志エリアの不動産に関するご相談はイエステーション⼩樽・余市・手稲・⽯狩の各店舗への依頼をお薦めします。

細井 全

【参考文献】
◇塩谷村役場『忍路郡郷土史』昭和32年
◇竹内荘七『忍路郡塩谷村鮏漁場実測図』明治29年
◇須磨正敏『ヲショロ場所をめぐる人々』平成元年
◇小樽市役所『小樽市史 第1巻』(旧版)昭和18年
◇小樽市役所『小樽市史 第2巻』(旧版)昭和18年
◇小樽市役所『小樽市史 第3巻』(旧版)昭和19年
◇小樽市役所『小樽市史 第1巻』(新版)昭和33年
◇小樽市役所『小樽市史 第2巻』(新版)昭和36年
◇小樽市役所『小樽市史 第3巻』(新版)昭和56年
◇小樽市役所『小樽市史 第4巻』(新版)昭和56年
◇小樽市役所『小樽市史 第5巻』(新版)昭和56年
◇小樽市役所『小樽市史 第6巻』(新版)昭和56年
◇小樽市役所『小樽市史 第7巻 行政編(上)』(新版)平成5年
◇小樽市役所『小樽市史 第8巻 行政編(中)』(新版)平成6年
◇小樽市役所『小樽市史 第9巻 行政編(下)』(新版)平成7年
◇小樽市役所『小樽市史 第10巻 社会経済編』(新版)平成12年
◇小樽市役所『小樽市史 第10巻 文化編』(新版)平成12年
◇小樽市『未来のために=山田市政3期12年をふりかえって=』平成24年
◇大日本帝国陸地測量部五万分の一地形図『余市』明治29年測量、明治43年部分修正
◇内務省地理調査所二万五千分の一地形図『余市』昭和33年
◇国土地理院 航空写真各種
◇小樽観光大学校『おたる案内人 検定試験公式ガイドブック』平成18年
◇佐藤圭樹『小樽散歩案内』平成23年
◇永田方正『北海道蝦夷語地名解』明治24年
◇北海道ガス株式会社『北ガス小樽工場跡地の土壌調査結果と今後の対応策について』平成19年

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