マンションのこと2023.04.21
オール電化マンションは売れない?理由や対策、今後の予想も解説
こんにちは!イエステーション北章宅建 江別店の寺杣です。
オール電化マンションとは、生活に必要な給湯・調理・冷暖房などに使うエネルギーを、電気で賄うマンションのこと。
「オール電化マンションは売れないと聞いたけど本当なのだろうか…」
売却を検討される方には、そんな不安を抱えている方もいるかもしれません。
そこで今回のコラムでは、売れないといわれる理由を徹底解説。
デメリットへの対策や、今後の需要についてもあわせてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
オール電化マンションが売れない理由とは?
オール電化マンションとは、ガスや灯油などの燃料を使わず、電気エネルギーのみで給湯や調理、冷暖房といった設備を利用できるマンションです。
ガスコンロではなく、「IHクッキングヒーター」を使い、暖房には灯油やガスなどではなく、蓄熱ヒーターや温水を床下に張り巡らせた床暖房などを使用します。
また、ガス給湯器の代わりとして、電気でお湯を沸かす「電気温水器」や「エコキュート」を活用します。
ガスを使わないからガス漏れの心配がなく、不完全燃焼で一酸化炭素中毒になるリスクもなく、火災にもなりにくいオール電化。
フラットな構造のIHクッキングヒーターは、ガスコンロより掃除がしやすく、火が出ないので室内が熱くなりにくいメリットもあります。
では、どうしてオール電化マンションが売れないといわれてしまうのでしょうか。
その理由は、電気がないと生活に必要な設備が使えなくなること。
そして、近年の電気代の値上がりが挙げられます。
それぞれ詳しくご紹介します。
停電すると生活手段が途絶えてしまう
買い手をオール電化マンションから遠ざけてしまう理由には、「停電したら生活に大きな支障が出る」という不安感があります。
オール電化の弱点が露わになった出来事として、2011年に発生した東日本大震災が挙げられます。
電気が途絶えたことで、暖房や調理が行えない…。
まだ寒さが残っている地域では、特に生活の不便さが浮き彫りになりました。
さらに、計画停電が実施されたことで、電気に頼り切るオール電化の危うさを知り、ガスとの併用を希望する人が増えたことも、売りづらさの原因と考えられます。
電気代が値上がり傾向にあり、金銭的な負担が心配
近年、世界的に燃料価格や卸電力の市場価格が高騰したことを受けて、各電力会社で電気代の見直し・値上げがされ、燃料代が上昇しています。
ガスと併用している家庭に比べると、オール電化住宅の負担の上昇率は高く、金銭的な負担を嫌って、購入を避ける買い手も多いでしょう。
たとえば北海道電力では、電力の安定供給を続けるため、2023年6月1日より電気料金の値上げ、燃料費調整の見直しをするとアナウンスしています。
他の電力会社でも、プラン変更や値上げが行われる予定があり、どこまで値上げが行われるのかという不安を感じている人も少なくないでしょう。
オール電化にはメリットもありますが、それを上回るデメリットを感じてしまうので、購買意欲が減少していると考えられます。
オール電化マンションが売れないときの対策法
オール電化マンションが売れない場合、どのような対策を取れば良いのか。
具体的には、次の3つの方法があります。
- ターゲットを絞る
- 蓄電池を設置する
- オール電化以外の売れない理由もないか確認して対策をする
1つずつご紹介します。
ターゲットを絞る
対策としては、オール電化マンションを売りたいターゲットを絞ることが挙げられます。
オール電化マンションは光熱費の高騰がネックではあるものの、火災が起こりにくいという安全性の面ではメリットが高いです。
停電時には、調理はカセットコンロを使う、銭湯を利用するといった対策をとれるのであれば、日々の安全性が高いほうが安心できるという人もいらっしゃいます。
特に高齢者層などは調理中の火の事故が起きるリスクが高いため、売却をする際には安全性を重視する人をターゲットとした宣伝活動を行うと良いでしょう。
蓄電池を設置する
「停電中の生活に困る」といったオール電化の弱点をカバーする対策として、蓄電池の設置を検討してみることもおすすめです。
蓄電池とは、電気を蓄える機能が付いた装置で、一般的には室外機ほどの大きさがあります。
電気を貯めておけば、災害時に停電した際の非常用電源として利用できます。
家庭用蓄電池に貯められる電気は「電力会社から供給される電気」「太陽光発電などで作った電気」の2種類。
電力会社と契約している場合、電気代の安い夜間に電気を貯め、消費が多く電気代が高くつく昼間に使うことで、電気代の節約になります。
蓄電池は初期費用やメンテナンスの負担はありますが、使用電力に無駄が出ないので環境に優しいというメリットもあります。
国による蓄電池などの導入支援制度や、地方自治体でも蓄電池補助金制度を用意している場合がありますので事前にご確認ください。
オール電化以外の売れない理由もないか確認して対策をする
マンション物件がなかなか売れない理由は、価格設定が相場に合っていなかったり、メリットを伝えきれていなかったりと、いくつか考えられます。
オール電化マンションは売りづらい特徴もありますが、「オール電化だから売れない」と断定するのは早計です。
マンションが売れない場合は、マンションの取り扱い実績が豊富であったり、エリアごとの需要など、情報や知識を備えた不動産会社に相談することをおすすめします。
マンション売却の失敗例については、「マンション売却の失敗例とは?事例をもとに対策を立てよう!」にて詳しく解説していますので、ぜひあわせて参考にしてみてください。
オール電化マンションのメリット・デメリットは?今後の予想も確認
最後に、オール電化マンションのメリット・デメリットをご紹介します。
まず、オール電化マンションの主なメリットは次の通りです。
- ガスを使わないのでガス漏れの心配がなく、火災発生率が低い
- 直火ではないのでキッチンが暑くなりにくく、燃焼による二酸化炭素の発生がない
- IHクッキングヒーターの手入れが楽ちん
- 修繕は地上にある架線をつなぐだけなので、ガス管より復旧が早い傾向がある
- エコキュートがあれば、貯めた水を生活用水に利用できる(飲用はダメ)
- 光熱費の項目をまとめられて、管理が楽になる
- 上手く利用すれば、光熱費を節約できる(深夜電力を使うなど)
続いて、オール電化マンションのデメリットについても確認しておきましょう。
- 停電に弱い
- 調理器具が限定され、買い換えが必要になるケースがある
- エコキュートなどのタンク内に貯めたお湯を使い切ると、湯沸かしに時間がかかる
日本は現在、省エネ効率の良いヒートポンプを使ったエコキュートやエアコンを導入した場合に、補助金を出す支援策を創設するなど、省エネルギー対策を実施し、全国規模で電力系統の整備を進めています。
初期費用ゼロで省エネ家電を使えるよう、機器のリースサービスを行う電力会社もあり、電力利用の追い風となる可能性が期待できます。
オール電化住宅は火事が起こりにくいなどの安全性があり、子どもや高齢者、ペットがいる家庭でも安心して使える魅力があるため、一定数の需要があります。
将来的に電力供給が落ち着き、災害時も安定して利用できる整備が整えば、メリットにより多くの注目が集まり、需要が伸びる可能性もあるでしょう。
まとめ
●オール電化マンションとは、生活に必要な給湯・調理・冷暖房などに使用するエネルギーを、電気で賄うマンションのこと。売れづらい原因として、停電してしまうと生活に必要な設備が使えないことと、近年の電気代の値上がりが挙げられます。
●売れないときの対策としては、売りたいターゲットを絞る方法や、蓄電池を設置したりする方法があります。また、オール電化以外の売れない理由もないかを確認したり、マンション売却の実績が豊富な不動産会社に相談したりすることもおすすめです。
●将来的に電力供給が安定すれば、オール電化マンションの安全性など本来の魅力に注目が集まり、需要が高まる可能性も期待できるでしょう。
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著者
江別店 寺杣 友紀出身は和歌山県ですが、生まれは札幌です。前職は自動車の営業をしておりました。不動産業界は全くの未経験で不慣れなことだらけですが、早く仕事を覚えてお客様のお役に立てれるよう努めます。精一杯頑張りますので宜しくお願い致します。
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