不動産に関する経費2024.10.18
不動産売却時の解体費用は売主負担?買主負担?
こんにちは。イエステーション北章宅建 石狩店の古木です。
家の売却を検討中の場合、「解体費用は売主が負担しなければならないのだろうか?」と、疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。
金銭的に厳しい状況では「買主に負担してもらえないか?」と気になってしまいますよね。
今回のコラムでは、不動産売却時の解体費用は売主と買主、どちらの負担になるかについて解説します。
どのくらいの費用がかかるのか、売主が解体費用を負担する場合のメリットもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
不動産売却での解体費用は売主負担?買主負担?
不動産売却での解体費用について、「売主・買主のどちらが負担しなければならない」という法的な定めはありません。
ただし一般的には、売主が実質的に負担することが多い傾向があります。
更地渡しの場合は「売主負担」の傾向が強い
土地を売る場合、建物の解体後に引き渡す「更地渡し」と、建物を残しておく「古家付き土地」という2つの方法があります。
更地渡しは、建物がない状態が前提となりますので、解体は売主の責任下で行われます。
解体の手間はもちろん、費用も売主が負担するということです。
土地の魅力が高く、「売ってもらえるなら解体費用は払う」という買主がいる場合は例外として、基本的には売主が負担する傾向が強いと言えます。
古家付き土地の場合も実質的には「売主負担」のケースが多い
「古家付き土地」として売却する場合は、表面上は買主が解体費用を負担するように見えて、実質的には売主負担となるケースが多いです。
なぜなら、買主が土地のみに価値を見出し、古家には価値を認めない場合、売却金額から解体費用を差し引いた形で取引されることが一般的だからです。
「古家付きで買っても良いけど、解体費用分を減額してほしい」と価格交渉されることがあります。
買主側が求めて購入した古家の解体費用は「買主負担」になることも
ただし、状況によっては買主が解体費用を負担するケースもあります。
例えば、買主が古家をリノベーションして使用する予定で購入した場合や、一定期間、古家を使用した後に解体を決めた場合には、買主負担となることがあります。
最終的な「誰が支払う」という決定は、具体的な売買のシチュエーションで変わるのです。
当事者間の話し合いの結果、どちらか一方の支払いではなく、折半する場合もあります。
どちらの負担でも売買契約に明記することが大切
重要なのは後々のトラブルを防ぐためにも、解体費用の負担者を売買契約書に明確に記載することです。
契約書には、解体の実施時期や方法、費用の具体的な金額や支払い方法なども含めて詳細に記載することが望ましいでしょう。
解体費用の負担はどのくらい?
解体費用の負担はどのくらいか、目安をお伝えしますと、一般的な木造住宅(30坪程度)の場合は、120〜150万円ほどになるでしょう。
鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合は、解体の手間も増えるため、それぞれ180〜210万円、180〜240万円ほどが目安となります。
解体費用の金額は、建物の構造や、工事にかかる人件費、重機がすんなり入れるかといった立地条件なども関わってきます。
工事で発生する廃棄物の量や、請け負う業者のサービス内容によっても変動するでしょう。
あらかじめ自分で、庭木や庭石を片付けたり、家財道具を整理しておいたりすると、業者側が処理する廃棄物の量が減り、費用負担を軽減できるケースもあります。
まずは複数社に見積もりを取り、比較検討してみることが大切です。
あらかじめ費用の見積もりを出しておけば、買主に「解体にはいくらかかりそうだ」と伝えられますので、交渉がスムーズに進みやすくなるでしょう。
解体費用の内訳やその他付帯工事の費用は、「空き家の解体費用はどれくらい?更地にせずに売る方法はある?」にて詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参考にしてください。
解体費用を売主負担で売却するメリット
最後に、売主が解体費用を負担して売却するメリットをご紹介しましょう。
売主が解体費用を負担するメリット①売却価格の交渉がスムーズになる
まず、売主が解体費用を負担すれば、売却価格の交渉がスムーズに進めやすくなります。
例えば、「3,000万円で売りたいけれど、解体費用100万円は私が負担します」と伝えれば、買主にとっては実質2,900万円で購入できますね。
買主の金銭的な負担が減るため、物件購入のハードルが下がり、早期売却につながる期待が持てます。
売主が解体費用を負担するメリット②譲渡所得税の軽減につながる
次に、解体費用は譲渡費用として認められるため、譲渡所得税の計算時に控除できます。
譲渡費用とは、売却にかかった費用、譲渡所得税とは、売却価格から物件の取得・売却にかかった費用を差し引いた残りの金額である売却益「譲渡所得」に課される税金を指します。
つまり、解体を売主自ら行えば、課税対象となる譲渡所得が減少し、結果的に支払う税金が少なくなるというわけです。
譲渡所得税については「不動産売却時の譲渡所得税とは?仕組みや計算方法など詳しく解説」で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。
「解体費用の負担&更地渡し」でトラブル回避のメリットもある
さらに、解体費用を負担して更地渡しにすることで、付随的なメリットもあります。
例えば、売主自ら解体を行うことで、地中埋設物などのトラブルを買い手側に知られずに解決できるでしょう。
買主が解体をして、売却後に「実は地下に古い配管が残っていた」となった場合、撤去費用や損害賠償を求められたりする可能性があるのです。
解体費用の負担だけでなく、解体してから引き渡すかどうかもお悩みになる方は多いでしょう。
上記のメリットもあわせて、売却方法のご検討をされることをおすすめします。
古家付きか更地渡しのどちらが良いかは、「古家付き土地と更地渡し。売却はどちらが良い?メリット・デメリットも」でメリット・デメリットを解説していますので、ぜひあわせてご参考にしてください。
まとめ
●不動産売却での解体費用は売主負担になる傾向が多い
一般的に、不動産売却における解体費用は、売主負担になる場合が多いです。
更地渡しは建物がないことが前提であり、売主の責任下で解体が行われるからです。
また、古家付き土地として売る場合も、売却金額から解体費用分を差し引くことが多く、実質的には売主負担となる傾向が強いと言えるでしょう。
●解体費用の負担目安も確認しておこう
一般的な木造住宅(30坪程度)の場合は、120〜150万円ほどが目安です。
構造や工事の人件費、立地条件や廃棄物の量などでも変動しますので、まずは複数社に見積もりを取り比較してみましょう。
●解体費用を売主が負担するメリット
売主が解体費用を負担して更地渡しにすることで、「売却価格の交渉がスムーズになる」「譲渡所得税の軽減につながる」といったメリットがあります。
また、地中埋設物などのトラブル回避にもつながりますので、土地の売却方法とあわせて検討してみましょう。
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著者
石狩店 古木 篤広過去の経験や知識を活かして、お客様のお悩みや不安を解消する、最善と思われるご提案をさせていただきます。 お住替えや不動産売却などのお取引を通じて皆様のお役に立てるよう頑張ります。 不動産に関するご相談お待ちしております。
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