不動産売却の基礎知識2021.04.27

借地権とは?旧法・新法による借地権の種類や調べ方などを解説

家を建てようと不動産情報を調べていると、「借地権」「借地権付き建物」という言葉を見たことがあると思います。「借地権」とはどういう意味なのでしょうか。

借地権とはどんな権利?

「借地権(しゃくちけん)」とは、自分の建物を建てるために地代(賃料)を払い、他人の土地を借りる権利のことをいいます。「借地」は、土地を借りること、または借りた土地を指す言葉です。

さらに借地権は、建物を建てるための「地上権」と建物を建てることを目的とする「土地賃借権(または賃借権)」という2つの権利に分けられます。しかし実際には、建物を建てるために地上権を設定することはレアケースで、ほとんどは賃借権です。そのため、土地を借りる場合に締結するのは、ほとんどが賃貸借契約です。

借地権の種類

借地権は次の4つに分けられます。

①旧借地権:1992(平成4)年8月施行の借地借家法(しゃくちしゃっかほう)より前からあった、旧借地法が適用される借地権

②普通借地権:定期借地権ではないという意味で、現行の借地借家法が定める更新可能な借地権

③定期借地権:借地借家法により創設された借地権で、借地契約満了後に更新がなく、土地を所有者に返還しなければなりません。定期借地権には、「一般定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」「事業用定期借地権」の3種類があります。
それぞれ異なる特徴があるため、土地を借りたい場合は特徴をよく理解し、目的に応じた選択の必要があります。
・一般定期借地権:期間50年以上に渡り、土地を利用できる借地権
・建物譲渡特約付借地権:契約後30年以上が経過した時点で、借主がその土地に建てた建物を地主に譲渡する特約がついた借地権
・事業用定期借地権:事業用の建物を建てることを目的とする定期借地権

④一時使用目的の借地権:臨時設備の設置や、その他一時使用のために設定したことが明らかな借地権。例えば建設工事の現場事務所、選挙事務所、イベント用といった、臨時的な用途に限られます

借地権の調べ方

気になる不動産に借地権がついているかどうかは、法務局で登記簿謄本を取得すれば調べられます。

登記簿謄本を確認し、土地と建物の所有者が全く異なる場合は、建物所有者が地主から土地を借りて建物を建てている(地主からすれば、土地を貸している)可能性があります。この場合、売主にヒアリングし、借地権であれば借地契約書も確認します。
土地を借りている人(借地権を有している人)を借地権者といい、土地を貸している地主、つまり借地権を設定している人を借地権設定者といいます。

借り手側の「借地」に対する用語として、貸し手側の「底地(そこち)」があり、「底地権」とは、借地権が設定された宅地の所有権のことをいいます。
なお、自治体などが管理する道路部分において底地という言葉が使われることもあります。道路調査などで、「市が底地(資産)として管理する道路ではないが、舗装などの表面管理は市で行っている」というように使われ、この時の底地は「その土地を所有していること」を意味しています。

〈借地権かどうかの調査のポイント〉
・戸建や非敷地権マンションの場合…土地・建物の所有者名を確認する。土地または建物の所有者が売主と異なる場合には、借地権の可能性がある。
・敷地権マンションの場合…建物謄本の土地の権利形態が、所有権ではなく地上権・賃借権などになっている場合は、必ず土地謄本を取得し、所有者名を確認する。

地上権と賃借権の違いとは?

地上権と賃借権は借地権の一種で、どちらも建物の所有を目的として他人の土地を利用する権利ですが、権利の強さに大きな違いが見られます。

地上権は、土地を直接的に支配できる強い権利を持ち、地主の承諾がなくても、地上権を登記して第三者に譲渡・賃貸することが可能です。また、地主には登記の協力義務があり、借地権の所有者が希望すれば地上権の登記に応じなければなりません。

一方で賃借権は、賃貸人(地主)の承諾を得て、土地を間接的に支配する権利です。地上権に比べて権利は弱く、賃借権(借りる権利)を登記するのも、第三者への譲渡や賃貸をするのも地主の承諾がなければできません。賃借権には、地上権と違い地主に登記の協力義務はないため、所有する建物の登記をすることによって、賃借権を登記したのと同様の効果を得ることができます。

ただ実際には、借地権は賃借権が設定されるケースがほとんどです。
賃借権は、1992(平成4)年8月1日に施行された「借地借家法(新法)」が適用されている借地権と、それ以前の契約に適用されている「旧借地法(旧法)」があり、旧法上の借地権は今も多数存在します。

旧法と新法の大きな違いは、新法で定期借地権制度が創設されたことです。 旧借地法では、地主が一度土地を貸したら一生帰ってこないといわれ、土地の借り手側の権利が優先されていましたが、新法では定期借地権制度により地主の立場が守られ、貸した土地は期間満了後に必ず地主に戻すよう定められました。

そのため借地権付き不動産を取引する場合は、借地契約書の確認を忘れてはいけません。新法の普通借地権は最低の契約期間が30年以上ですが、旧法の場合は非堅固の建物が20〜30年間、堅固な建物だと30〜60年間と異なります。また、定期借地権の契約期間は50年以上です。更新時期が近い時は更地にする必要があるかなど、条件にも注意して確認する必要があります。

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借地権とは?旧法・新法による借地権の種類や調べ方などを解説

札幌手稲店 野口 祥子

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