相続や名義のこと2021.02.19
相続した不動産を遺産分割する方法は?それぞれの特徴や注意点も。
こんにちは。
イエステーション北章宅建 江別店の赤井です。
土地や建物など不動産の相続では、現金や預金のように簡単に分配することができません。
どのように分けるか、いくらずつ分けるか、不動産の相続ではトラブルが起こりやすいものです。
不動産の相続で揉めることなく遺産分割するには、どのような方法があるでしょうか。
今回は、不動産の遺産分割の方法や相続の流れについて解説します。
不動産の遺産相続は揉めやすい?遺産分割の重要性とは
相続トラブルは資産家だけの問題ではありません。
「遺産は田舎の土地とボロボロの実家だけで、財産なんてないよ」というような場合でも、意外に揉めることはあります。
たとえば、相続財産が預金や現金なら複数の相続人で公平に分割するのもスムーズですが、不動産の相続はそう簡単にいくとは限りません。
建物や土地などの不動産は現金のように人数で割って分けるというわけにはいかないので、どうしてもトラブルが起こりやすいです。
不動産の相続ではまずその価値を確認しないといけないのですが、評価方法は複数あり、「いったいどのくらいの価値がある不動産なのか」という点でも揉めやすいです。
相続するにしても処分するにしても、さまざまな方法があるため相続人の中で意見がまとまらずにトラブルになってしまうこともあります。
また、とりあえずそのまま共有で相続しておくという判断もおすすめできません。
共有での相続は不動産の増改築や解体をしたり売却するときに、相続人全員の同意が必要なため、とても手続きが煩雑になってしまうのです。
その状態で相続人の1人が亡くなれば、その妻子へ相続されてさらに名義人が増えるという事態にも。
後々のトラブルを防ぐためにも、不動産の相続では遺産分割をきちんと行うことが大切です。
相続する不動産を遺産分割する方法
不動産の相続で遺産分割の方法は4つあります。
現物分割
そのままの形で分割して相続する方法です。
土地は分筆して相続できますが、建物の分割は不可能です。
代償分割
1人が不動産を相続する代わりに、ほかの人には代償金を支払うことで平等に分配する方法です。
換価分割
不動産を売却して売却金を分配する方法です。
共有分割
不動産の形はそのままで、複数の相続人の共有名義にして相続する方法です。
続いて、それぞれの特徴や注意点などをご紹介していきますね。
不動産の遺産分割方法ごとの特徴と注意点
不動産の遺産分割方法についてそれぞれの特徴と注意点を知って、状況にあった分割方法を選びましょう。
現物分割の特徴と注意点
一番シンプルでわかりやすい分割方法です。
ただし建物は現物分割ができないので、相続財産が建物しかない場合はこの方法は使えません。
Aさんは建物、Bさんは現金と分けることもできますが、建物以外の財産が建物よりも少ない場合は誰がどちらを相続するかで揉めがちです。
土地は分筆で現物分割できますが、あまり小さく分けすぎると価値が低くなってしまう可能性があります。
代償分割の特徴と注意点
公平性を保った分割ができること、不動産を売却せずにそのままの形で受け継げることがメリット。
ただし、不動産を相続する人が代償として渡せる財産を持っていなければ選択できません。
不動産の評価方法や評価額も確定しないといけないため、ここで揉める可能性があります。
たとえば、今後値上がりする可能性がある、賃貸していて家賃収入があるといったことでも揉めるケースがあります。
換価分割の特徴と注意点
不動産を売却して現金にするため、公平に分割できることが大きなメリットです。
売却が前提のため、「先祖から受け継いだ土地や建物を手放したくない!」「親と同居していた長男夫婦がそのまま住みたい」などのケースには向きません。
当然ですが買い手がいないと成り立ちませんので、田舎の土地や古家は買い手がつかずに換価分割することができないという可能性もあります。
また、不動産を売却して利益が出た場合は譲渡所得税がかかるケースがあります。
共有分割の特徴と注意点
不動産を手放すことなく、そのままの形で受け継げることがメリットです。
ただし、その後の増改築や解体、売却などの際には相続人全員の同意が必要となり、手続きが煩雑になってしまうのがデメリット。
この状態で所有者の1人が亡くなって相続が発生すれば、権利関係がさらに複雑になってしまいます。
不動産の遺産分割に関しては、共有分割はおすすめできません。
不動産の遺産分割と相続の流れを確認
不動産相続がどんな流れで進んでいくのか、順を追って確認しておきましょう。
【1】相続人の確認
まずは相続人が誰になるのかを確認しましょう。
相続人の人数によって相続税額が、続柄によって法定相続分が決まります。
法定相続人は配偶者と子どもです。
子どもがいなければ孫などの直系卑属、子どもも孫もいなければ両親などの直系尊属、直系尊属もいなければ被相続人の兄弟姉妹となります。
相続人の確認には、被相続人の出生時から死亡時までの戸籍を遡って調査します。
【2】相続財産の調査、確認
相続の対象となる財産がどのくらいあるのかを調査、確定します。
現金や預金、不動産のほか、証券、保険、借金なども相続財産の対象です。
【3】遺言書の確認
相続について遺言書が残されている場合、遺言書を優先して遺産分割がなされます。
自宅、法務局、公証役場などに遺言書が残されていないか確認しましょう。
遺言書は体裁が整っていないと、法的な効力を持たない場合があります。
自宅に保管してある自筆遺書はその場で中身を開封して確認してはいけません。
中身の改ざんを防ぐために、家庭裁判所での検認が必要となります。
【4】遺産分割協議
相続について遺言書が残っていない、または遺言の内容に不満がある場合は、相続人全員の話し合いで分割方法や内容を決定します。
全員の合意により分割内容を決定し、遺産分割協議書を作成します。
【5】相続税の申告、確定申告、納税
相続税が発生する場合は、相続開始(被相続人の死亡)を知った日の翌日から10ヵ月以内に相続税の申告と納税が必要となります。
相続税の有無は相続財産の総額と相続人の人数などから決まります。
また、換価分割や家賃収入のある不動産を相続した場合は、確定申告が必要になるケースもあるので注意しましょう。
不動産相続で確定申告が必要となるケースについては、こちらのコラムでも詳しくご紹介しています。
不動産相続で確定申告が必要なケースと方法、注意点を解説!
【6】相続登記
不動産を相続したら相続登記の手続きをして、所有権名義を変更しておきましょう。
いつまでにという手続きの期限はありませんが忘れがちですので、できるだけ速やかに行うことをおすすめします。
不動産の相続登記の方法については、こちらのコラムをご参照ください。
不動産の相続登記、必要書類はこれ!自分でできる相続の手続き
まとめ
・不動産の相続では遺産分割が重要
不動産は現金のように割り切れないので、相続でトラブルになりやすい事項のひとつ。不動産の評価方法や処分方法が複数あることも、揉める原因になりがちです。
・不動産の4つの遺産分割方法
不動産の遺産分割方法には、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割の4つの方法があります。
・不動産の遺産分割の特徴と注意点
不動産の4つの分割方法では、不動産をそのままの状態で分割するもの、不動産を相続する代わりに別の財産を渡すもの、不動産を売却してその売却金を分割するものなどがあります。それぞれメリットとデメリットがありますので、不動産や相続人の状況に合わせてどの分割方法が良いのか話し合いましょう。
・不動産の遺産分割と相続の流れ
相続が発生したら、相続人の確定、相続財産の確定、遺言書の有無を確認し、遺言がない場合は遺産分割協議によって分割内容を決定します。相続財産の内容や分割方法によっては相続税の申告や確定申告が必要となるケースもありますので忘れないようにしましょう。
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著者
江別店 赤井 圭一出会うお客様は一人一人違う想いを持っていらっしゃると思います。それぞれのお客様に共感し、最後には「任せて良かった」とご納得していただける様日々取り組んで参ります。 空知エリアの不動産に関する事は私にお任せください。
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