相続や名義のこと2021.05.11
家を相続したら、売るのか住むのか?メリットデメリットを解説
相続により親や親族の家を譲り受けた場合、その後どうしたら良いか分からないといった方も少なくありません。
特に築年数が古い場合や、立地が良くない場合、維持費もかかることを考えると、いっそのこと売却してしまった方が良いのでは?と思われる方も多いでしょう。
相続で譲り受けた物件は売るべきか、住むべきか、はたまた別の活用方法があるのか、詳しくご紹介します。
売却するとどうなる?
現在家を持っているなどで、特にその家に住む必要がない、もしくは手放したいと考える方も案外多いものです。
現在の生活を変えてまで譲り受けた家に住むことは現実的に難しいですし、リノベーション費用や引っ越し費用など様々なコストがかかってきます。
そこで、思い切って売却しようと考えた場合、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
家を売却するメリット
住宅を持っているだけでも固定資産税や光熱費などがかかるため、維持費として年間数万円〜数十万円の支出になってしまいます。
また、誰も住んでいない空き家を放置しておくことによって「特定空き家」という状態に指定されてしまい、場合によっては過料や勧告の対象になることがあります。
売却をするとそういった心配がなくなり、維持費や税金からも解放されます。
空き家を放置していると近隣住民からクレームが来たり、不審火や放火を誘発してしまう危険性も考えられます。
また、相続時に売却した金額を相続権のある人全員で平等に分けることによって、相続トラブルを防ぐことができます。
家を売却するデメリット
家を売却すると、当然実物がなくなってしまうため、将来的に資産として考えることができなくなります。
また、場合によっては売却価格が相場を下回ってしまったり、買い手がすぐに見つからないことも想定されます。
賃貸物件として人に貸すという選択肢もあると思いますので、立地が良かったり、需要が高そうな物件だと判断した場合はいったん売却を控え、活用方法を検討するのも良いかもしれません。
住むとどうなる?
もし譲り受けた住宅に住むとなると、将来的に資金源として考えられるのはもちろん、ちょうど住み替えを考えていた場合などはメリットの方が大きく感じられるかもしれませんね。
住宅を売却せずに自分で住む場合には、どのようなメリットやデメリットがあるのか見ていきましょう。
家に住むメリット
家に住んだ場合、単純に空き家状態にならないため、近隣住民からの苦情の心配がなく、防犯面でも安心です。
空き家が一つでもあると、その地域の方に治安面で不安を与えかねませんので、そういったことを考えるのであれば、住んで治安を維持する方が安心してもらえるでしょう。
現在住んでいる家よりも立地や間取りが良い場合や、築年数が浅い、リノベーションをしたてといった場合には、今よりも綺麗で広い家に住めるメリットもあります。
もし、家族が住宅ローンを完済していれば、資金面の負担が少なく住み替え出来るのも嬉しいですね。
思い入れのある実家等に住むことで、家族との思い出と共に暮らすことができます。
家に住むデメリット
相続で住宅を譲り受けた場合は、登記や相続手続き、税務署への申請なども必要となるため、通常の住宅購入よりも面倒な手順を踏まなくてはなりません。
また、地域の公示価格の下落により、資産価値が大きく変動してしまう可能性も視野に入れる必要があります。
将来的に賃貸に出そうと考えている方は、現在考えられる賃料よりも、下げる必要があるかもしれませんので、低く見積もっておくほうが安全でしょう。
もし築年数が古いなどであれば、安心して住めるように補修やリノベーションも必要となりますので、それらの費用も考えておかなければなりません。
控除を活用して節税しよう
物件を相続すると相続税の対象となりますが、この金額が数十万円から数百万円と非常に高いのです。
しかし、相続税を節税するための控除や特例が用意されていますので、それらを活用すると少し負担が軽くなります。
まず、相続税の基礎控除として3000万円+法定相続人の人数×600万円が適用できますので、こちらを活用しましょう。
また、相続してから5年を超えた段階で売却すると、長期譲渡所得の特例を利用できるので、すぐに売却するのではなくワンクッション置いて売却に踏み切ると良いでしょう。
使用予定がなければ売却した方が安心
相続した物件が相当立地が良かったり、需要のある間取りである場合は、一時的にあなたがその家に住んで将来的に賃貸に出すというのも、一つの方法です。
しかし、住宅を維持するには固定資産税をはじめ、様々な費用がかかるため、もし使用予定がなければ思い切って売却してしまった方が様々な問題から解放され、メリットは大きいでしょう。