不動産売却のコツ2022.04.02

相続財産管理人が不動産売却を進める方法

相続財産管理人とは、亡くなった方の遺産を受け継ぐ親族がいなかったり、相続放棄などで相続人がいない場合に、遺産を管理し清算する人を表します。
誰でも相続財産管理人になれるわけではなく、家庭裁判所から選任された上でが決まります。
ここでは、故人が不動産を所有しており、相続人全員が相続放棄をしたと仮定します。そして、その不動産を、相続財産管理人を選出した上が売却したいとした場合の流れを解説します。
そこで、まずは相続財産管理人の選出方法から順に説明していきましょう。

相続財産管理人を決定するまでの2ステップ

ステップ1:相続財産管理人の申し立て

相続財産管理人は「誰が申し立て」でき、「誰が選任」されるのかということから解説していきます。
相続財産管理人を選任申し立てできる人は、「利害関係にある人」、「検察官」です。
例えば、被相続人に生前お金を貸していた人や、親族ではあるが法定相続人ではない人、内縁の妻などが申し立てできる立場にあります。
また、申立人が候補者を選ぶこともできますが、一般的に弁護士が選任されるケースが多いようです。
なお、家庭裁判所に申し立てをする際には下記の必要書類を添付しなければいけません。

[必要書類]
・相続財産管理人の選任申立書
・被相続人本人の出生時から死亡時までの戸籍謄本
・被相続人の両親の出生時から死亡時までの戸籍謄本
・被相続人に死亡している子どもがいる場合、その出生時から死亡時までの戸籍謄本
・被相続人に死亡している兄弟姉妹がいる場合、その出生時から死亡時までの戸籍謄本
・被相続人の直系尊属で死亡している人の出生時から死亡時までの戸籍謄本
・代襲相続する甥や姪で死亡している人がいる場合、出生時から死亡時までの戸籍謄本
・財産関係の書類
・被相続人の住民票附票か、戸籍附票
※申立人が候補者を選出した場合は、候補者の住民附票か戸籍附票

ステップ2:家庭裁判所による選任の審判

申立人が家庭裁判所へ申し立てを行うと、家庭裁判所は審判に入り、被相続人の遺産を管理する相続財産管理人を選定します。

相続財産管理人が不動産売却する場合の3つの注意点

家庭裁判所より選定された相続財産管理人は、被相続人の遺産を管理、清算の業務に入ります。
では、被相続人の遺産の中に不動産が含まれていた場合の売却する手順について説明しましょう。

1:不動産売却の許可

売却にあたり、まずは、不動産売却の許可を家庭裁判所より得なければいけません。
許可がない限り相続財産管理人であっても他人の不動産を勝手に売却はできないので注意しましょう。
具体的には、不動産売却価格、売却先を明示した上で許可を待つ流れとなります。
ここでの不動産売却価格の設定方法は仲介とは異なり、路線価、時価等を考慮した上で第三者が公正に価格を決めなければいけません。
この売却価格の公平性に関しては家庭裁判所の審査が厳しいため、専門家である不動産鑑定士に査定調査を依頼し、価格を決定することになります。
その後、家庭裁判所から売却許可が下りると売買契約の締結が可能となります。

2:名義変更登記

通常は売買契約後、買主へ所有権移転登記を行い、相続財産管理人が行う不動産売却時は、一旦「相続財産法人」へ登記します。
不動産に関わらず、被相続人に相続人がいない場合、相続財産は相続財産法人となります。

3:買主への所有権移転登記

相続財産法人の登記後、不動産を売却できる状態となります。相続財産管理人が不動産を売却できる方法は、
1:競売
2:任意売却
の2種類となります。
競売は、故人の債権者に借金などを返済する必要がある場合に、不動産を現金化する手段として使われる方法です。
任意売却は、競売よりも短期間で売れる可能性があり、より高く売却できる方法でもあります。
売却後は買主へ所有権移転登記の手続きが必要となります。

不動産仲介会社へ相談は可能?

不動産会社によっては、相続財産管理人による売却をサポートしてくれる所もあるようです。
仲介のみを行っている不動産仲介会社では扱えない場合もあるので、もし不動産会社へ相談する際は任意売却や相続に知見のある不動産仲介会社を選びましょう。

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著者
相続財産管理人が不動産売却を進める方法

札幌手稲店 野口 祥子

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