不動産売却のコツ2023.03.23
築50年超えの古い家は売れる?少しでも高く売るためのコツを解説〜その2
築50年以上が経つ一戸建てだと、売却しにくいのは事実です。とはいえ、売却が不可能なわけではありません。少しでも高く売るためにはどうすれば良いのか、知っておきたいポイントを紹介します。
家としてもう価値がない場合
前回の記事では、築50年以上でもメンテナンスの状態によっては家としての価値があると評価できるケースがあり、その場合の2つの売却方法を解説しました。
では長年空き家となっていたような、人が住めないほど劣化が進んだ家の場合はどうでしょうか。家としての価値がない場合の売却方法は、次の3つがあります。
「古家付き土地 更地渡し可」として売却する
「更地渡し」とは、売主の負担で建物を解体・撤去してから土地を売却することを言います。
土地だけを購入したい人にとって、築50年の中古住宅は不要なもの。「できれば、撤去の費用や手間もかけたくない」と考えるのが普通です。一方で、どんなに古くてもいいから安く家を購入したいと考える人もいます。もし売主が先に建物を解体してしまったら、そう考える人に売却するチャンスを失ってしまうことになります。
そこで有効なのが、「古家付き土地 更地渡し可」として売り出す方法です。「古家」を探している人と「土地」を探している人の両方にアピールできるため、どちらか一方よりも買主を見つけやすくなります。
「古家付き土地」として売却する
一見、中古住宅の売却と同じ意味のようですが、「中古住宅」としての売却はあくまでも「家」がメインであるのに対し、「古家付き土地」は「土地」を売却することがメインという捉え方です。「古家付き土地」と表現することで、土地を探している人にアプローチすることができます。また、あらかじめ「古家付き」であることを謳って売却するため、売主が解体費用を負担する必要もありません。
もう一つ重要なポイントが固定資産税です。土地に建物が建っていれば、「住宅用地の特例」の適用で固定資産税は6分の1(※住宅用地のうち200㎡の部分)で済みますが、更地にすると特例の適用が受けられないため、買い手が見つかるまで高い税金を払うことになります。古い家であっても、売却までは家をそのままにしておいた方が良いと言われるのは、その方が売主にとってメリットがあるためです。
「更地」にしてから売却する
深刻なシロアリ被害など、到底そのままでは住めない家や、明らかに管理状態が悪く倒壊しそうなほど劣化が進んだ家は、取り壊して更地にしてから売却する方が良いでしょう。
売主が更地にすれば、建物に対する契約不適合責任がなくなるのはもちろん、もしも土地に危険物や汚染物が埋まっていることが分かった場合でも、実情を契約書に正しく記すことができます。
次回は、相続した古い家を売却する場合の優遇税制について解説します。