不動産売却のコツ2023.03.04
家をすぐに現金化するための4つの方法を詳しく解説〜前編
急にまとまったお金が必要になった、収入減により家計が苦しくなった…など、お金の悩みが出てきたら、持ち家を売却して現金化するという手段があります。
とはいえ、不動産売却は買い手が見つかるまで待たなければならず、そうすぐに売れるものではありません。家を現金化するにはいくつかの方法があり、方法次第で現金化までにかかる時間も手に入る金額も異なります。
今回は、家を現金化する4つの方法を、2回に分けて詳しく解説します。自分にはどの方法が適しているのかしっかり検討しましょう。
不動産仲介で家を売却する
不動産会社に仲介を依頼し、市場で買主を探してもらう最もオーソドックスな方法です。買主と売買契約を結んだら、引き渡しのタイミングで売却代金が入ってきます。
〈メリット〉
不動産会社が物件の広告宣伝を行い、しっかり時間をかけて購入希望者を探すため、相場に近い価格、またはそれ以上の高値での売却が可能です。手取り額を最大化できるのが魅力です。
〈デメリット〉
最も大きなデメリットは、売却に時間がかかること。物件の場所や状態などによりますが、おおむね3〜6カ月程度、中には1年以上かかる場合もあり、それだけ現金化まで時間がかかります。
売買契約の段階で手に入るのは売買価格の一部である手付金で、お金が支払われるのは物件引き渡しの時。少しでも早く現金化したい人は別の選択肢を検討した方が良いでしょう。
家を担保に入れてお金を借りる
売却せずに現金化する方法もあります。それは家を担保に金融機関からお金を借りる方法。家に「抵当権」をつけて、その担保価値の分の融資を受けるのです。
「担保」はお金を借りた人が、万が一債務の支払いができなくなった場合に備えて、債権者の損害を補うためにお金を借りる人に提供させるもののことで、「抵当」ともいいます。この方法でまとまった現金を借入れることができますが、あくまで借金ですので、毎月返済する必要があります。
近年は、自宅を担保にそこに住み続けながら老後資金を借りることができる、シニア向けの「リバースモーゲージ」というローンも注目を集めています。一般的なローンとは異なり、融資枠の中で定期的、または一括で融資を受け、元金の返済は契約者が亡くなった後に、担保にしていた家の売却代金で一括返済する仕組みです。
月々の支払いは利息のみなので、年金収入だけで生活費や住宅ローンの残債のやりくりが難しい高齢者には、利用価値の高い現金化の方法といえるでしょう。
〈メリット〉
老後の生活を支える資金調達方法のため、早く現金化できるのが特徴です。家の査定後、抵当権の設定(抵当権設定登記)と金銭消費貸借契約(お金を貸し借りする契約)を結んだら、すぐにお金を手にすることができます。契約期間中は家を手放すことなく住み続けられる点もメリットです。
〈デメリット〉
リバースモーゲージの融資限度額は金融機関により異なりますが、一般的には家の評価額の5〜6割程度。家を売却する場合よりも、入手できる金額は少ないといえるでしょう。
また、毎月利息の支払いが発生するのはもちろん、変動金利を採用している金融機関が多いため、金利が上昇した場合は返済額が膨らむリスクがあります。融資額は担保評価額に応じて決められますが、契約期間中に評価額が下がると、融資限度額も減額に。もし実際の利用額が上回ってしまったら、不足分の返済が必要になるということも知っておきましょう。
リバースモーゲージは、土地をメインに不動産評価額が決められます。そのため担保の対象となるのは基本的に一戸建て。評価額の低い田舎の戸建てや土地の持ち分が少ないマンションは、対象外となるケースが少なくありません。
次回は、「不動産会社による買取」と「リースバック」を利用する方法について解説します。