不動産売却のコツ2022.12.16

駐車場用地を売却する方法は?流れや注意点も解説

こんにちは。イエステーション北章宅建 江別店の寺杣です。

「駐車場の借り手が少なくなってきたし、そろそろ売りたいな」とお考えの方はいませんか?

駐車場用地を所有し、売却を検討中の方には、そもそもどうやって売るのか今一つわからない、といった方もいるかもしれません。

そのまま事業用として売るのか、それとも設備を解体して売るのか…。
売却方法によって、かかる手間やコスト、売れるまでのスピードも違ってきます。

今回は、駐車場用地を売却する方法を詳しく解説。
売却の流れや注意点もあわせてご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

駐車場用地を売却する方法は?

駐車場用地の売却には「現状のまま売る」「更地にして売る」という2通りの方法が代表的です。

また、不動産仲介での方法だけでなく、不動産会社に「買取」をしてもらう方法もあるので、合わせてご紹介します。

それぞれメリットデメリットが異なるため、売却したい駐車場用地にあった方法を検討しましょう。

 

売却方法①:現状のまま売る

駐車場には、砂利を敷いただけのものもあれば、コンクリートで地面を固めた上、駐車場設備を備えたものもあります。

現状のまま売る方法は、どちらかと言えば設備を備えている駐車場に適した売り方です。
理由は、設備が整った駐車場を解体するには比較的多くの手間・コストがかかり、売却までの手続きも時間がかかるから。

設備付きでそのまま売ってしまえば、現状の賃貸状況・設備を買主に引き継げば良いだけ、というメリットがあります。

デメリットとしては、売り出しが収益・事業用物件に限られてしまうので、買主の条件が「駐車場経営をしたい人」とかなり限定的になること。

売却できるまで時間がかかる可能性は高く、早く現金化をしたい人には向いていないと言えるでしょう。

 

売却方法②:更地にして売る

駐車場用地は、地目(土地の用途)の中で「雑種地」と呼ばれるもの。
駐車場の設備を解体してしまえば、用途を変更し、住宅用の土地(宅地)にも利用可能です。

雑種地について詳しくは「雑種地の売却を解説!土地の特徴や売却のコツをわかりやすくご紹介」にて解説していますので、あわせてチェックしてみてくださいね。

更地にすることで、自宅や賃貸マンション、商業地として利用したい人など、さまざまな買主へアピールが可能になります。

購入希望者の幅が広いので買主が付きやすく、売却までのスピードはもちろん、高価格での売買も期待できるメリットもあるでしょう。

デメリットは、解体費用や用途変更に伴う手続きが必要で、売り出しの準備に時間がかかること。

まずは駐車場を借りている人たちに賃貸借契約解除を告知し、立ち退いてもらう必要があります。

契約は貸主から一方的に解除できますが、トラブルを防ぐためにも、立ち退きを求めてから1〜2カ月程度の猶予期間を設けておくのがポイントです。

なお、立退料の支払いは必要ありません。

解体費用は、駐車場用地の立地条件や業者によって異なるので、適正な価格で行ってもらえるよう、複数社に見積もりを取ることをおすすめします。

 

売却方法③:不動産会社に直接買取してもらう

上記の売却方法は、不動産会社に買主を探してもらう「仲介」を主としていますが、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」も可能です。

購入者が不動産会社になるので、売却活動に時間がかからず、仲介よりスムーズな現金化ができるのが買取の強みです。

事業用の土地を主に扱う(得意とする)会社を選ぶと、独自の販売ネットワークや専門知識を活かし、高値で評価してくれる可能性も。

適正な価格を把握するために、複数社に査定を依頼し、査定額や対応力を比較して検討しましょう。

 

駐車場用地を売却する流れもチェック

駐車場用地に限らず、不動産を売却する基本の流れは次の通りです。

1.売りたい物件の売却相場を調査する
2.不動産会社に査定を依頼し、媒介(仲介)契約を結ぶ
3.不動産会社が売却活動(買主探し)を開始する
4.買主の発見後、売買契約の締結・物件の引き渡しを行う

「相場の調査は不動産会社に任せておけば良いのでは?」と思われがちですが、自分で物件の売却相場を調べておけば、信頼できる不動産会社選びに役立ちます。

国土交通省の「土地総合情報システム」や一括査定サイトサービスなどで簡単に調べられるので、利用すると良いでしょう。

一般宅地を売る際の流れと異なるのは、駐車場設備を残したまま売る場合は「賃貸借契約を買主に引き継ぐ」という取り決めを売買契約書などで行うこと。
取り決めについて特別な手続きはいらないため、不安に思う必要はないでしょう。

設備を解体して更地にする場合は、利用者に立ち退いてもらうこと、解体業者に見積もりを取って費用・期間を確認した上で、売却のスケジュールを立てることが必要です。

利用者に立ち退き拒否の権限はないものの、賃貸借契約の内容を確認し、なるべく不満を抱かせないように配慮が大切ですね。

 

駐車場用地を売却する際にかかる税金は?特別控除も確認

駐車場用地を売却すると、売却費用とは別に税金がかかります。

1つは、不動産を売却して出た利益「譲渡所得」にかかる所得税・住民税。
もう1つは、更地とせず駐車場用地としてそのまま売った際にかかる「消費税」です。

それぞれ確認していきましょう。

 

税金①:譲渡所得にかかる所得税・住民税

譲渡所得とは、売却代金から不動産の購入費など取得費、売却にかかった譲渡費用を差し引いた売却益を指します。

不動産を所有していた期間が売却した年の1月1日において5年を超えるときは「長期譲渡所得」、5年以下では「短期譲渡所得」に分類されます。

譲渡所得金額に一定の税率をかけて税額を求めますが、所得税・住民税にかかる税率が、次の通りそれぞれ異なります。

所得税 住民税
長期譲渡所得 15%(15.315%) 5%
短期譲渡所得 30%(30.63%) 9%

所得税の()内の数字は、2013年1月1日から2037年12月31日まで課せられる復興特別所得税(税率2.1%)を含めた税率です。

税率を譲渡所得に乗算する前に、特例を受けて「特別控除」を差し引けるケースがありますので、のちほど解説しますね。

 

税金②:消費税

土地を駐車場として売る場合は、事業用設備として税法における「資産の譲渡等」に該当し、消費税の対象となります。

宅地など一般の物件を売る際と異なる点ですので、注意が必要です。
消費税も、所得税や住民税と同じく、譲渡所得に税率(10%)をかけて算出します。

 

駐車場用地の売却時に利用できる特別控除とは?

先に少し触れましたが、譲渡所得の計算の際には、一定の要件に当てはまるときに特別控除を受けられます。

一般の宅地よりも数は少なく要件も特殊ですが、駐車場用地の売却時にも次のケースに当てはまった場合、特別控除を適用可能です。

  • 国から要請を受けた公共事業のために売却:最大5,000万円
  • 国や公共団体主体の再開発・造成事業などのために売却:最大2,000万円
  • 宅地造成や住宅建設などのために売却:最大1,500万円
  • 平成21年及び平成22年に取得した土地を売却:最大1,000万円

所得税と住民税、消費税の税率を乗算する前に、特別控除を差し引いて売却益がゼロになれば、課税対象がなくなるため税金が発生しません。

差し引き後も譲渡所得が残る場合は、確定申告が必要になるので、忘れず申告しておきましょう。

特別控除についての詳細は、国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」をご参照くださいね。

 

駐車場用地を売却する際の注意点

駐車場用地を売却する際、設備を解体して更地にした方が買主を探しやすく、土地の用途を買主に任せるほうが売りやすいと言えます。

解体する場合は利用者との賃貸借契約を解除しますが、賃貸料を前払いでもらっている場合は日割りで返金することになります。

買主が引き続き駐車場として活用する際も、利用者が困らないよう、書面上で継承するだけでなく、きちんと引継ぎしておくことが大事です。

さらに、固定資産税についても注意が必要です。
固定資産税は、売却して年度途中で土地が売主から買主に変更されても支払った分の税金は戻らないため、日割りで買主から売主に払う方法をとるケースが多いです。

また、駐車場用地を売却して利益が出た際に、特別控除を受ける場合は必ず確定申告をしなければなりません。
利益が出なければ不要ですが、忘れずに行いましょう。

 

まとめ

●駐車場用地の売却には、「現状のまま売る」「更地にして売る」の2通りの方法が多いですが、不動産会社に買取をしてもらう方法もあります。現状のままで売れば、解体の費用・手間がかからず、駐車場の借り手も引き続き利用可能。更地にして売る場合は、買主が自由な用途で使えます。なるべく早く売りたい方は買取がおすすめです。

●売却までの流れとして、賃貸借契約を買主に引き継いだり、解体の時間も見越してスケジュールを組んだりする必要があります。

●駐車場用地の売却時には、譲渡所得にかかる所得税・住民税、現状のまま売る場合は消費税も課税されます。適用要件は特殊なものの、特別控除を受けられる場合も。譲渡所得がゼロとなれば、税金もかかりません。

●駐車場用地を売る場合は、駐車場利用者への配慮も大切。立ち退きの告知から1〜2カ月猶予期間を設けたり、賃貸料を日割りで返金したりなどして、円満に賃貸借契約を解除できるようにしましょう。固定資産税の支払いや確定申告の有無にも注意が必要です。

北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
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駐車場用地を売却する方法は?流れや注意点も解説

江別店 寺杣 友紀出身は和歌山県ですが、生まれは札幌です。前職は自動車の営業をしておりました。不動産業界は全くの未経験で不慣れなことだらけですが、早く仕事を覚えてお客様のお役に立てれるよう努めます。精一杯頑張りますので宜しくお願い致します。

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