土地や空き家のこと2022.11.25

雑種地の売却を解説。土地の特徴や売却のコツをわかりやすくご紹介

こんにちは。イエステーション北章宅建 小樽店の枝久保です。

「土地」の種類はさまざまあり、「雑種地」と聞いてピンとこない方もいるでしょう。

土地の登記記録に記載される地目(土地の用途)は23種目とされていますが、22種目の用途のいずれにも該当しない土地のことを雑種地といいます。

雑種地は宅地に比べて一般的に売りにくいため、売却にはコツが必要です。

そこで今回のコラムでは、雑種地はどう売却すれば良いかを解説。

雑種地の特徴や雑種地であることを確認する方法についても、あわせて確認していきますので参考にしてくださいね。

 

売却前に雑種地とはどんな土地か確認!

雑種地の売却を検討中の方は、売り出す前に雑種地に値するのか、まずは土地の地目を確認しましょう。

なぜなら、調べてみたら雑種地ではなかったというケースもあるからです。

地目とは土地の用途による区分のことで、不動産登記簿に記されています。
たとえば、地目の1つである「宅地」は、現在建物が建っていたり、建物の敷地(住宅用地)に使われたりする土地、という基準で登記官に判定されます。

地目は23種目と定められており、判断の基準が設けられているのは次の22種類の地目です。

田 / 畑 / 宅地 / 学校用地 / 鉄道用地 / 塩田 / 鉱泉地 / 池沼 / 山林(森林) / 牧場 / 原野 / 墓地 / 境内地 / 運河用地 / 水道用地 / 用悪水路 / ため池 / 堤 / 井溝 / 保安林 / 公衆用道路 / 公園

出典:法務省「不動産登記事務取扱手続準則」第68条・69条

雑種地はこの22種目に値しないものとして23種目の地目とされており、土地の面積に対し極めて小さい建物が建っている土地のことを指します。
具体的には駐車場やゴルフ場、資材置き場などです。

ただし、登記地目(登記簿上に登録された地目)と現況地目(課税地目)は異なることがあることに注意が必要です。

 

雑種地と思っていても違うケースもある

基本的に登記地目と現状地目は一致しているのが通常ですが、所有者が変更を申請せず2つが異なるケースや、土地の経過状況でいつの間にか現況地目が変わっているケースもあります。

現況地目とは、固定資産税や相続税を適正に課税するため、市区町村や税務署が土地の現況を見て判断しているもの。

所有者の申請がいらないため、随時行われる調査によって現況が変われば、それにあわせて変更が加えられる地目です。

たとえば、不動産登記簿に登録された当時は雑種地であったけれど、今は住宅が建っているというケースでは、現況では「宅地」に該当します。
作物を植え育てている状況であれば、「田」や「畑」に当てはまるでしょう。

土地の利用状況や環境が変化すると変更されるため、雑種地として認識していた(登録されている)土地でも、現況地目では他の地目に変わっていたという場合があるのです。
逆に、宅地や畑で登録されていた土地が、変化によって雑種地に該当する場合もあります。

 

雑種地の地目を確認する方法を知ろう

登記簿上の地目を確認するには、登記記録が活用できます。

土地の所有者や大きさ、構造などの情報とともに地目も電子データ化され、法務局にて誰でも閲覧が可能です。

記録を用紙に印刷した登記事項証明書(登記簿謄本)が必要なく、内容だけ閲覧したい場合は、オンラインで利用できる「登記情報提供サービス(有料)」もあります。

閲覧する情報によってかかる料金が違うため、金額は登記情報提供サービスのホームページをご参照ください。

 

現況地目を確認する方法は?

続いて、実際に現況地目を確認する方法をご紹介します。

最も現況がわかりやすい方法は、現地まで見に行くことです。
建物が建っていたり、農地として作物が育てられていたり、山林になっていたり…目視で22種目の地目の条件が見て取れなければ、雑種地である可能性が高いと判断できます。

現地まで遠くて見に行けない場合は、Googleマップなどインターネット上の住宅地図を使えば、ほとんどの地域は航空写真にて確認可能です。

航空写真で今一つ現況がつかめない場合は、固定資産税の課税明細書を確認しましょう。

不動産を所有している人には、毎年4〜5月頃に固定資産税の納付書が送付されます。
その際一緒に送られてくる課税明細書には、税額の基準である不動産評価額の他、現況地目も記載されています。

また、固定資産評価証明書を市町村役場などで取得し、現況地目を確認する方法もあります。

 

雑種地を売却する方法やコツ、注意点は?

雑種地は宅地に比べて一般的に売りにくく、そのまま売っても高額な売却額は期待できません。

そのため、単体で売るのではなく、所有地として別に宅地などがある場合は別の土地とセットで売る方法をおすすめします。

依頼する不動産会社に「雑種地も一緒なら宅地を売る」と条件を付けて提案したり、宅地の購入希望者に雑種地をセットで買うようすすめたり、といった方法です。

宅地の立地・環境などの条件が良ければ、合わせての売却でも買い手が付く見込みはあります。

また、雑種地をそのまま売り出す際は、売却活動を依頼する不動産会社選びも大切です。

複数の会社に無料査定を依頼して対応を比較し、できるだけ高くスムーズに売れそうな不動産会社を選びましょう。
雑種地の売却ノウハウ(取り扱い実績)があるかといった点も選定のポイントです。

そのまま売りたいけど、セットで売れる宅地がない…という方は、雑種地の地目を「宅地」に変えて売る方法もあります。

また、雑種地が農地に値する場合は売却する際に注意が必要なため、そちらもあわせて知っておきましょう。

 

雑種地の地目を「宅地」に変更して売却する方法とは?

地目の変更は、土地の所在地を管轄する法務局に申請し、変更登記を行うことでできます。
手続き自体は登記申請書を作成して提出するだけなので、難しくはありません。

注意したいのは、その土地が建物が建てられる「宅地」として利用可能かどうか確認が必要なこと。

宅地に変更できるかどうかは、雑種地が「市街化区域」にあるか、それとも「市街化区域外」にあるかで、確認の手間や売却できるかどうかも違ってきます。

 

雑種地が市街化区域にある場合

市街化区域とは、都市計画法に定められた「都市計画区域」の1つ。

都市計画区域は、次の3つに区分されます。

1.市街化区域:優先的・計画的な市街化を予定している区域
2.市街化調整区域:市街化を抑制すべき区域
3.それ以外(非線引区域)

基本的にはまず、宅地として利用できるか市町村の都市計画課などへ確認を取ることをおすすめしますが、雑種地が市街化区域であればほとんどの場合、地目の変更は可能です。

 

雑種地が市街化区域外にある場合

一方、雑種地が市街化区域外、特に市街化調整区域にある場合は、宅地化が厳しいかもしれません。

市街化調整区域は、建築物の建築など開発行為の規模に関わらず、建物を建てるため原則的に、行政(市町村の都市計画課など)の許可を必要とする区域です。

立地や都市計画の方向性によっては、一切の建物建築が認められない場合もあり得ます。
許可を得られなかった場合は、老人ホームやコンビニなど特定の産業施設や、無人駐車場、墓地に活用できるケースもあります。

手順として、まずは行政に相談することから始めましょう。

市街化区域・市街化調整区域における雑種地の取り扱いは「雑種地とはどのような土地?相続をしたら何から始めるべき?」でも解説しています。
ぜひあわせてご覧くださいね。

 

雑種地が農地に値する場合の売却方法

水田や畑で作物を作るなど、雑種地を農地として使用している場合は現況地目で田や畑に当てはまるため、「農地法」に気を付けましょう。

農地法は、農地の売買や転用などを規制する法律です。

農地を農地以外の目的で、例えば宅地で使用したい場合は、原則として農業委員会の許可が必要となります。
ただし市街化区域内の農地の場合は、あらかじめ農業委員会に届け出ていれば、特例として行政の許可は不要です。

いずれにしても雑種地を農地として使用しているときは、まずは農業委員会に相談し、その後に都市計画課など行政に相談する手順となります。

行政への許可など専門的な知識が必要とされる場面もあるため、法律知識が豊富なプロである不動産会社へ無料査定とあわせて相談してみるのも良いでしょう。

 

まとめ

●雑種地とは、法令上定められた22種類の地目のいずれの用途にも該当しない、23種目とされる土地のこと。地目は登記地目と現況地目(課税地目)があり、現況地目は、土地の利用状況や環境によって変更される場合があります。そのため、売却前に確認することが大切です。

●登記地目がわからない場合は「登記情報提供サービス」を利用すれば、オンラインで確認できます。現況の地目は、現地あるいはGoogleマップなど衛星写真を見たり、固定資産税納付書と一緒に送付される「課税明細書」を見たりすることで確認できます。

●雑種地を売却する方法は、そのまま売るか地目を変更して売るかのどちらかです。そのまま売る方法は、他に宅地があり、セットで売却できる方におすすめです。地目を変更する場合は、雑種地が市街化区域にあるか、それ以外にあるかで確認の手間が異なります。農地として使っている場合は農業委員会へ相談し、その後行政に相談する手順で進めましょう。

北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。

家を売るなら不動産売却相談 家を売るなら不動産売却相談
著者
雑種地の売却を解説。土地の特徴や売却のコツをわかりやすくご紹介

小樽店 枝久保 良太平成27年4月より入社致しました。日々勉強して一生懸命頑張らせていただきます。 父母が小樽市内で商売を行っており、昔からこの街には馴染みがあります。2017年に地元に住宅を購入し、よりお客様の気持ちに寄り添いたいと改めて思います。小樽は海と山が近くにあり、自然が多い所が魅力です。 大学時代はサッカーをやっており、冬はスキーを楽しんでいました。これからも休日などに続けていけたらなと思っています。 北章宅建株式会社をこれからも宜しくお願いします。

この担当者がいる店舗のページ
  • 成年後見制度を活用。 認知症の親の不動産を売却す...
不動産売却物語 不動産売却のヒント 不動産売却のご相談
不動産売却の手引き
電子ブックはこちら
空き家対策ガイドブック
PDFダウンロード
ご相談
お問合せ
無料査定