不動産売却のコツ2022.04.02
購入時の売買契約書を紛失。売買契約書が必要な事例と代替案をご紹介
不動産の売買契約では署名捺印をする書類が多くあり、どれも重要なものばかりです。
その後、売買契約書が必要となる場面は多くはないものの、購入した不動産を売却した際や、住宅ローンの借り換え時などに利用することもあるため、大切に保管しておかなければいけません。
本記事では、
1:どのようなときに売却・購入時の売買契約書が必要となるのか?
2:購入時の売買契約書を紛失したときの代替書類や対処法
をご紹介します。
もし売買契約書を無くしてしまっても、慌てずこの記事を読んでみることで解決の糸口が見つかるかもしれません。
どんなときに売却・購入時の売買契約書が必要となるのか?
過去に取引した不動産の売買契約書が必要な場面はそうそう多くありませんが、ここでは次の2つのケースをご紹介しましょう。
確定申告時の譲渡所得税の計算
不動産売却後の確定申告で、譲渡所得税を算出する際には、購入費(不動産を購入した際の取得費)と売却値、両方の価格がわかる書類が必要となります。
ここで用意すべきなのは、下記の2種です。
・売却時の売買契約書
・その不動産を購入した際の売買契約書
購入時の売買契約書が見つからない場合は、「売却値×5%」で求めた値が取得費とされます。
(例:購入時2000万円の不動産でも、売却金額が1000万円で売買契約書がないと50万円で取得した不動産とみなされます。本来であれば1000万円の損失が出ている取引ですが、売買契約書がないことにより、税金の計算上は950万円の利益になるということです。)
住宅ローンの借り換え時
住宅ローンの借り換え時に購入時の売買契約書の提出を金融機関から求められることがあります。
住宅ローンの契約では、審査段階で担保不動産の価値を判断するため、購入時の売買契約書が必要となるのです。
購入時の売買契約書を失くした場合どのような対処の仕方があるのか?
こちらでご紹介する対処法は次の3つの方法となります。
1:取引した不動産仲介会社へ連絡をする
2:購入の際の売却価格が掲載されている書類で対応する
3:抵当権設定登記で対応する
1:取引した不動産仲介会社へ連絡をする
1つ目の方法は、購入時の不動産仲介会社へ連絡し当時の売買契約書を紛失したことを相談してみることです。
その際に、「売買契約書が必要となる理由」を伝えた方がより確実な対応を望める可能性もあります。
不動産仲介会社でも過去に取引した売買契約書の控えを保管している場合が多いので、利用目的に応じてコピーで対応できるケースもあります。
また、場合によっては再発行という方法もありますが、こちらに関しては当時の売主の署名捺印も必要となるため、より難しくなるでしょう。
2:購入の際の価格が掲載されている書類で対応する
2つ目は、売買契約書以外の書類で代替するという方法です。
利用目的に応じて代替可能かどうかは、提出する相手方へ確認をした方がよいでしょう。
代替書類は購入費用が記載されている次のようなものが挙げられます。
1:購入時のパンフレット
2:領収書
3:通帳の振込履歴
4:住宅ローン契約の際の書類
3:抵当権設定登記で対応する
抵当権設定登記には債権額が記載されているため、代替書類として認められる可能性もあります。
抵当権設定登記の確認方法は、管轄の法務局で閲覧するか、インターネットで調べることもできます。
まとめ
購入時の売買契約書が必要となるケースは、主に不動産価値や取得費の証明を求められる場合となります。
特に、取得費の証明書類がなければ、税金が多く課せられてしまうことも有り得ます。
万が一、購入時の売買契約書を紛失しても、ご紹介した代替書類で対応できることもありますので、まずは落ち着いて探してみることをおすすめします。