不動産に関する手続き2021.03.02

私道負担(しどうふたん)とは何か?

道路には公道と私道があります。私道負担とは、売買する土地の一部に私道が含まれていることを指す言葉です。私道負担のある土地は、よく理解せずに購入すると、後々その権利や使い方を巡ってトラブルに発展するケースがあるため注意が必要です。

私道の場合の負担面積や負担金、負担料について

私道負担付きの土地は、大きく分けて2つのパターンがあります。「土地の一部が私道になっている」パターンと「敷地に面している道路が私道で、利用するために負担が生じる」パターンの2つです。

その道路が私道かどうかは、「誰が所有者か」によって判断します。その道路の所有者が国や自治体であれば公道、それ以外の一般の人(私人)であれば私道です。

【POINT】
契約書や重要事項説明書に出てくる「私道」にも2つの意味がある

●不動産売買契約書や重要事項説明書に記載される「私道」
重要事項説明書の「敷地等と道路との関係」の項目での「私道」(建築基準法上の道路で、国・地方公共団体以外の私人が所有権を有している道路)

●私道負担の「私道」
重要事項説明書の「私道に関する負担等に関する事項」の「私道」の意味であり、単に通行用(利用者が特定少数の場合も含む)の通路で私有のもの(建築基準法上の道路ではない道)も対象

私道は様々な事情から生まれるため、いくつかの所有パターンがあります。主なものは次のようなパターンです。

[共有]私道に接している土地の所有者が、道路の所有権を共有している。
[単有]私道に接している土地所有者が、道路の一部をそれぞれ所有(単有)している
[第三者]住宅地を開発・分譲した不動産業者などの第三者が、道路の所有権を持っている

調査にあたっては、共有持分の割合、単有で持つ私道の面積、第三者所有の場合はその所有の経緯などを調査します。

では、2パターンの私道負担付きの土地について、負担面積や負担金などを具体的に説明していきます。

①土地の一部が私道になっている

私道部分は、建物の敷地面積に参入できないため、建ぺい率や容積率の計算から除外されます。
例えば、330㎡のうち30㎡が道路であれば、建ぺい率や容積率の算定基礎となる面積は300㎡となります。

②敷地に面している道路が私道で、利用するために負担が生じる

私道の所有権を持たない者が、その私道を勝手に通行したり、上下水道の配管や整備をすることはできません。
そのため利用に当たっては、道路所有者の承諾を得る必要があり、例えば、通行料を支払ったり、掘削料や使用料を支払うことがあります。

なお、私道負担については仲介業者に説明義務があり、重要事項説明書にも記載があります。

重要事項説明書の「私道に関する負担等に関する事項」とは?

次は、不動産取引で大切な重要事項説明書の中にある「私道に関する負担等に関する事項」という項目を解説していきます。

この項目では、対象不動産と関連する私道について、買主が何らかの負担をする場合や利用制限を受ける場合は内容を明記し、説明しなければなりません。「対象不動産に含まれる私道に関する負担の内容」と「対象不動産に含まれない私道に関する事項」の2つに分けて記載されます。

ここでいう「私道」は、重要事項説明書の敷地等と道路との関係の項目で意味する「私道」(建築基準法上の道路)だけでなく、単に通行用(利用者が特定少数の場合も含む)の通路で私有のものも含まれます。

また、「負担等」とは、「対象不動産に含まれている土地の一部が私道になっている場合の負担面積」や「これに伴う負担金(公租公課を除く)」、さらに「対象不動産には含まれていない私道を利用することに対して課せられる負担等」を指し、分けて説明を受けることになります。

①対象不動産に含まれる私道に関する負担の内容

対象不動産に私道が含まれる場合、この上に建物を建てたり塀を設置するなど、自由に使うことはできません。また、その私道が建築基準法上の道路の場合は、その部分の面積は建ぺい率・容積率の算定面積から除かれます。利用できる面積が減る分、土地の利用に大きな制約を受け、多くのケースで土地の値段は相場より安くなります。

なお、私道の形態や負担面積は、重要事項説明書の「不動産の表示」の項目に記載(面積が不確定の場合は、約◯㎡と表示)されます。

【私道が単独所有で負担金のない場合】
単独所有以外の場合は、その持分が記入されています。

また、私道について、維持管理費といった負担金等が課せられている場合や、将来的に負担金が課せられることが明らかな場合は、負担金は「有」となり金額が記入されています。

【私道が共有であり、負担金がある場合】
例えば、「当該私道は◯◯◯◯以下共有者12名に管理責任がおり、その費用として上記負担金があります」などと記載されます。
セットバック部分については、セットバックが済んでいるか否かに関わらず、私道負担として説明されます。

【セットバック済である場合】
土地の一部が、通行権の目的となっていて、隣地の居住者の日常の通路として使用されている場合があります。このような場合も、私道に関する負担があるものとして考え、負担面積の欄に通行に供される部分の土地面積が記入されています。

その通行権の内容については、空欄に「上記負担面積は、建築基準法第42条第2項により道路としてみなされる部分です」と記載されています。

【敷地の一部が第三者の通行の対象となっている場合】
この場合は、空欄に例えば「敷地の一部に北側隣接地所有者のための通路があり、無償で通行させることになっています」などの記載があります。

②対象不動産に含まれない私道に関する事項

対象不動産には含まれていなくても、対象不動産の敷地を利用する上で密接な関係がある私道がある場合は、この項目に記載されています。第三者の名義である土地を通行することのできる根拠には、大きく分けると次のようなものが挙げられます。

・袋地の場合の通行権、いわゆる民法による囲繞地通行権…共有土地の分割または土地の一部を譲渡したことにより袋地が生じた場合の通行権
・通行地役権…対象不動産の元の地主や分譲主が、その所有者である場合、契約によるもの・時効取得によるもの・黙示によるもの
・債権による通行権…賃借権・黙示を含む使用借権・通行契約によるもの
・位置指定道路…建築基準法によって定められた道路のため、一般的に人が通行できるとされている

私道を利用するにあたり通行料や使用料といった負担があり、その金額があらかじめ決まっている場合は空欄に記載されています。また、今までは無償でも、売買で所有権が移転することなどをきっかけに、私道の所有者から通行料を請求される場合があるため注意が必要です。

中には、私道の利用を巡ってご近所トラブルが発生するケースもあります。将来に渡って良好な関係を保てるよう、通行権の根拠を明確にし、通行承諾書を取得しておくのが望ましいでしょう。

時に注意が必要なのは、私道を掘削する場合です。
対象不動産に含まれない私道に、上下水道やガス管を敷設する際は原則として所有者の承諾が必要となります。相手によっては承諾を得るための費用を請求される場合もありますので、慎重に確認した方が良いでしょう。
掘削することが明らかな場合、あらかじめ私道の所有者から承諾書を取得しておけば、未然にトラブルを防ぐことができます。

【前面道路(私道)に所有権等がなく、その使用について明確な取決めがない場合】
自分に所有権のない私道について、料金等の取決めがない場合は、利用条件等の欄に「当該私道の通行および上下水道管やガス管等の敷設をする場合は、所有者(登記名義人に同じ)の承諾書が必要です」などの記載があります。

掘削に関して共有者の承諾を必要としないケースもあります。その場合は関係各所(水道局・水道工事業者・ガス会社等)へ確認した上で、問題がないかどうか共有者から聞き取る必要があります。

【前面道路(私道)を分譲会社等が所有している場合】
利用条件等の欄に「開発行為の工事完了公告後、◯◯市に帰属する予定です」などと記載されています。

中には、分譲した不動産会社が私道部分を所有したままになっており、倒産などによりその会社がすでに存在していないケースがありますが、この場合は役所と協議し、どのようにすれば良いか相談することになります。

まとめ

購入する土地に私道が含まれている場合は、事前に確認しておくべき注意点がたくさんあります。

こうした資産価値に直結する重要な内容は、重要事項説明に必ず含まれていますが、十分理解しないまま契約すると、後々トラブルに発展する可能性もあります。

分からない点があれば、購入前に納得するまで説明を受けるようにしましょう。

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私道負担(しどうふたん)とは何か?

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