土地や空き家のこと2022.09.29
空き家を購入しても問題ない? メリット・デメリットを徹底解説!~その1
いま、日本では急速に空き家が増えています。所有者にとって、活用する予定のない空き家は、住んでいないにも関わらず維持管理費がかさむ「負動産」。放置され老朽化が進んだ空き家が様々な悪影響を及ぼす「空き家問題」も、深刻な社会問題となっています。自治体によっては、空き家問題解決のために、補助金制度を設けているところもあるほどです。
この状況は、家の購入を考えている人にとって、有利な条件で物件を購入できるチャンスでもあります。空き家の購入には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
空き家の定義とは?
総務省の「住宅・土地統計調査」によると、平成30年の総住宅数は約6241万戸あり、そのうち849万戸が空き家となっています。総住宅数に占める空き家の割合は過去最高の13.6%にも上り、少子高齢化が進む日本では年々増えているのが現状です。
では「空き家」とはなんでしょうか。「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、空き家を「住居その他の使用がなされていないことが常態であるもの」と定義されています。具体的には、1年以上住んでいない、または使われていない家が空き家と判断されます。
その中でも特に対策が必要なのが「特定空き家」です。そのまま放置すれば倒壊や犯罪に利用される恐れがある空き家は、市区町村から「特定空き家」と認定され、当然ながら居住には不適切です。特定空き家以外の空き家の購入について、考えていきましょう。
空き家を購入するメリットは?
空き家を購入するには、以下のようなメリットがあります。
①購入費用が安く済む
新築よりも格段に安いのはもちろん、所有者が早く処分したいと考えているケースが多いため、一般的な中古住宅と比較しても安いと言えるでしょう。中にはタダ同然で売りに出される物件もあります。格安でも売りたいケースには次のような理由があります。
・過去に売却活動したものの、買い手がつかなかった
・最初から売れる可能性がないと諦めている
・税金などの維持費だけでもバカにならないため、どんなに安くても早く手放したい
・老朽化が激しく、住めるようにするには大きなリフォームが必要
こうした理由を分析すると、さらに価格交渉できる可能性があります。
②広い敷地と大きな家が、少ない資金で手に入る
山間部や農村には、敷地も家もかなり大きい空き家が数多くあります。利便性は悪いものの、自然に囲まれた静かな環境で暮らしたい人にはぴったり。面積あたりの価格が安い分、同じ資金で購入できる新築や一般的な中古住宅に比べて、広々した敷地・家が手に入ります。
③好立地の物件もある
空き家は、山間部など田舎にあるイメージがあるかもしれませんが、そうとは限りません。古くからある建物のため、意外に新築や築浅よりも好立地の物件があります。しっかり探せば、駅前や人気エリア周辺の空き家を購入できる可能性があります。
④補助金制度が利用できる
自治体によっては、空き家対策の補助金制度を設けていることがあります。
補助金制度の種類は大きく分けて、空き家に対する「解体」「リフォーム」「取得」の3分類があります。
大阪市の「空家利活用改修補助事業」では、バリアフリーや省エネといった性能向上に役立つ改修工事を行って、住宅として空き家を利活用する場合は、補助率50%以内で1戸あたり75万円を限度として補助金が受けられます。また、福岡市では、空き家を自己居住用の住宅として取得、または賃借して活用する場合などに、改修工事や家財道具の処分などにかかる費用の一部を助成する「福岡市空き家活用補助金」の制度を設けています。(いずれも様々な要件があります)
また、空き家の持ち主へ向けての制度にはなりますが、北海道内の様々な市町村では、「解体」の補助金制度があり、倒壊や倒壊や建築資材飛散などのおそれがある空き家の除去工事にかかる費用の一部を補助しております。
空き家を選ぶ場合は、あらかじめその自治体の補助金の有無などを確認しておくといいでしょう。調べる際は、「「地方公共団体による空き家対策支援制度」検索サイト 」が便利です。
参考:大阪市|空家利活用改修補助事業
福岡市|福岡市空き家活用補助金
次回は、空き家購入のデメリットについて解説します。