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引越しや住み替えのこと2020.08.23
転勤になったら持ち家は売却?賃貸?それぞれの判断基準と注意点 ~後編~
転勤が決まった際、持ち家をどうすれば良いのか。前回のコラムでは、「売却する」ケースについて紹介しました。
今回は、「賃貸に出す」場合の注意点を見ていきましょう。
1.持ち家を賃貸に出す選択基準とメリット・デメリット
賃貸を選択するのは、「いずれ戻る予定」または「戻ってくる必要がある」ということが大前提。その上で、単身赴任ではなく家族全員で転居する、収益を上げたいというケースが多いです。
また、売却しても売却額で住宅ローンの残債をまかなうことができず持ち出しが発生する場合や、物件に希少性があったり、賃貸で高い収益性が見込める物件の場合でも検討されます。
賃貸に出して収益を得るということは、個人事業者としてビジネスを始めることを意味します。
税金や修繕費が発生しますので、手取りが予想よりも減ってしまうことは多いです。見積もりを取り、かかる費用について十分調査しておいてください。
また、借地借家法で借主が保護されているため、普通借家契約の場合は自分たちが元の家に戻りたいと思っても、入居者に退去してもらうことはできません。
2.住宅ローンが残っていると、賃貸に出せないことも
住宅ローンは家族の居住を条件としていることが多く、そもそも契約上、住宅ローンの残債がある状態で賃貸に出すことが禁じられていたり、OKでも「転勤の場合に限る」という条件付きの場合もあります。
まずは住宅ローンの契約内容がどうなっているか、金融機関に確認しましょう。場合によっては勤務先から証明書を発行してもらう必要があります。
3.賃貸にかかる費用とは
■修繕
物件を探している人に気に入ってもらえるよう、家の状態によってはリフォームが必要です。ある程度の修繕費用がかかることは念頭に置いておきましょう。
住宅設備は貸主のものなので、エアコンや給湯器の故障などで修理をする場合も貸主の負担となります。
また、基本的に「自然損耗・経年劣化は貸主負担」です。借主が退去後、次に貸しに出す際はクロス代などが再度必要になります。
他にも、家賃の集金や借主との交渉を任せるための入居者管理料として、家賃の数%程度を管理会社に支払うケースもあります。
■税金
固定資産税はそのまま発生し続けます。
また、毎月の家賃収入は不動産所得となりますので、確定申告が必要です。
貸し出す際にかかった費用は必要経費として計上できる部分もありますので、しっかり把握しておきましょう。青色申告の適用や、減価償却費用・住宅ローンの金利分は計上が可能です。
4.住宅ローン減税は適用外
住宅ローン減税が適用されるのは、実際の居住期間のみです。転勤などで住んでいなかった期間には控除の適用外となります。
それでも、元の家に戻ってきた時に再適用の手続きをすれば、残りのローン控除期間を利用することが可能です。
5.賃貸の契約形態
賃貸の契約形態には、「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。
普通借家契約は、期間に定めのない賃貸借契約。借主が住み続けたい場合は、貸主側から契約終了を申し出ることができません。
定期借家契約は、契約期間を自由に決められます。その期限が終われば契約を終了させることができます。
2年後に帰ってくるなど、赴任期間が決まっている場合は定期借家契約がおすすめです。
一方デメリットは、相場より2~3割安い家賃でしか貸せないことや、法人契約の場合には定期借家の物件は契約不可が多いなど、借り手が見つかりにくいという点です。
契約時にどちらかに決める必要があり、契約後には変更できませんので注意しましょう。
持ち家を空き家にしておくのはデメリットが多い
「いつか戻ってくるから」「他人に住まわせたくない」などの理由から、空き家にしておきたいという人もいるでしょう。
しかし、住宅ローンが残っている人は支払いが続きますし、ローン控除も適用されなくなるため、金銭的に余裕がある人にしか向きません。かつ誰も居住しなくなると住宅ローンの契約違反となるので、ローンを借りている金融機関への相談も必要になります。
まとめ
相場の面で売却価格と貸出賃料を比べると、売却のほうが相場に左右され、貸出賃料は比較的一定で、景気に左右されにくいという性質があります。
そうはいっても、売買と賃貸のどちらが良いか一概には言えません。
勤務先の制度などを確認したり、自分の今後のライフプランを想像しながら総合的に判断をするのが良いでしょう。
もっと詳しく聞きたい方や、不動産業者を探しているという方は、ぜひイエステーションまでご相談ください。