不動産に関する手続き2024.06.27

不動産売却でインスペクションは必要?メリットや費用、流れも確認

こんにちは。イエステーション北章宅建 江別店の赤井です。

「不動産売却を考えているけれど、インスペクションをしたほうが良いのだろうか」
そんなお悩みをお持ちではないでしょうか。

インスペクションを行う利点や、かかる費用が知りたいと思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

そこで今回のコラムでは、不動産売却でインスペクションは必要かどうか解説していきます。
メリット・デメリット、費用相場や流れもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

インスペクション

 

不動産売却時の「インスペクション」とは?

不動産売却時のインスペクションとは、建物の状況調査を指します。

国が定める講習を修了した、建築士資格を持つ検査員「既存住宅状況調査技術者」が行う建物状況調査のことです。

注意点として、新築やリフォーム物件にも対応する「ホームインスペクション(建物診断)」とは種類が異なります。

大きな違いとして、先述したインスペクション(建物状況調査)は主に中古住宅を対象としており、新築物件には適用されない点が挙げられます。

売り主と買い主のどちらが実施しても問題ありませんが、買い主側が行うには、売り主の承諾が必要となります。

 

インスペクションの目的と重要性

インスペクションの実施は、中古住宅の売買取引を行う上での安心感につながります。

住宅の現状、例えば、雨漏りや欠損など、「劣化による問題の有無」を売買契約に先んじて知ることができるので、取引上のトラブルを防ぐことができるでしょう。

売り主に実施の義務はありませんが、売却をスムーズに進めるには有効な手段といえます。

また、事前に問題があると把握できれば、修繕などの解決策を講じ、市場に流通する中古物件の質を一定以上に保つことにも役立ちます。

その重要性は、改正された宅地建物取引業法にて、不動産会社がインスペクションや検査員のあっせんについての説明、調査結果の報告をするよう義務化されている(第34条2項)ことからもうかがえるでしょう。

 

インスペクションの調査内容

インスペクションでは、目視や計測、動作確認、非破壊検査などで、住宅の現在の状態を検査します。

国土交通省が平成25年(2013年)6月に策定した「既存住宅インスペクション・ガイドライン」によると、下記のような生活する上で重要になる部分を、専門家が客観的にチェックします。

<主な調査項目>

  • 柱や基礎など、構造耐力上主要な部分
  • 屋根や軒裏など、雨水の侵入防止に関係する部分
  • 給・排水管、換気ダクトなど設備配管部分

安全性に問題がないか、水漏れや雨漏りの発生がないか、日常生活に支障が生じる可能性はないかといった視点で確認していきます。

劣化や欠損、ズレ、腐食、シロアリ被害など「瑕疵(かし)」があれば、内容や修繕のアドバイスを伝えてくれますよ。

「全ての瑕疵がない」という証明ではありませんが、「プロ目線から見て不具合がなかった」という安心感につながります。

 

不動産売却時にインスペクションを行うメリット・デメリット

では、不動産を売る際にインスペクションを行うメリット・デメリットには、いったいどのようなものがあるのでしょうか。

売り主と買い主それぞれの視点でご紹介していきましょう。

 

売り主に対するメリット

売り主側のメリットには、次の2つが挙げられます。

  • 安心感を持って取引できる
  • 早期売却できる可能性が高まる

売り主は、買い主に対して契約内容に応じた物件を提供できない場合、「契約不適合責任」を負います。

売却物件に不具合や問題が見つかったとき、「契約にはなかった」として、契約解除や修繕費用、損害賠償を求められる恐れがあるのです。

インスペクションで瑕疵が見つからなければ、プロの視点から見ても「安心して住める物件=トラブルになりにくい物件」だといえるでしょう。

買い主にも「プロのチェックを受けた」と伝えられるので、インスペクションを受けていない競合物件よりも安心感が増し、購入してもらいやすくなる期待が持てます。

契約不適合責任の概要は、「不動産売却で注意すべき瑕疵担保責任とは?責任への対策方法も解説」で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参考にしてください。

 

買い主に対するメリット

一方、買い主側のメリットには、次の3つが挙げられます。

  • 購入の安心材料になる
  • 調査結果に応じて値引き交渉がしやすくなる
  • 購入後の修繕計画を立てやすい

「中古物件だから雨漏りや不具合はないだろうか」
「築年数が古いと修繕が必要になるだろうな」
中古物件を購入する際は、多かれ少なかれ、上記のような不安を抱えている買い主が多いでしょう。

インスペクションを行えば、専門家によるチェックで物件の不具合状況が明らかになるので、安心して購入を決めやすくなります。

結果に応じて「値引きしてほしい」と交渉を持ちかけることもできるでしょう。

また、どんな修繕をしたら良いかわかるので、プロのアドバイスを踏まえて、リフォームや修繕計画を立てられる利点があります。

 

デメリットは基本的に売り主・買い主に共通する

デメリットには、「売り主・買い主に共通するもの」「売り主のみ」の2つが挙げられます。

<売り主・買い主共通>

  • 検査費用がかかる
  • 検査に時間がかかる

<売り主のみ>

  • 売却前に修繕の費用・手間がかかる
  • 値下げ交渉される場合がある

売り主・買い主のどちらが検査費用を払うにしても、検査完了までの待ち時間がかかります。

目安としては、検査自体は1~3時間ほど、結果の報告書類ができあがるまでには、2週間ほどを要します。
あらかじめスケジュールに余裕をもって売却計画を立てることが大切です。

ただし、どちらの負担が大きいかといえば、売り主のほうでしょう。
インスペクションで不具合が見つかると修繕費がかかりますし、修繕せずに買い主に引き渡すなら「修繕費分の値下げ」を求められるケースがあるからです。

なお、修繕費用については、インスペクションを実施し、基準に適合すれば「既存住宅売買瑕疵保険」に加入でき、補助を受けられる場合もあります。

加入済みの場合、売却・購入のあと、住宅の構造耐力上主要な部分や、雨水の侵入を防止する部分について瑕疵が見つかったとき、「住宅瑕疵担保責任保険法人」から支払われる補修費用などの補助が利用可能です。

検査業者のあっせんとあわせて、不動産会社に相談してみましょう。

 

不動産売却時のインスペクションの費用はどちらが負担する?

不動産売却時のインスペクションの費用は、売り主が希望する場合は売り主が、買い主が希望する場合は買い主が負担することが一般的です。

費用の相場は、6万円程度となっています。

昨今では、より安全な住まいを求めて、買い主側から「インスペクションしてほしい」と申し出があるケースが増えています。

「買付証明書」を提示した上で申し出があった場合は、真剣に購入を検討しているといえます。

ポイントとして、調査結果を第三者に漏洩しないこと、結果の写しを提供してもらうことを条件に承諾しましょう。

 

不動産売却でインスペクションを行う場合の流れ

STEP

最後に、不動産売却でインスペクションを行う流れをご紹介します。

不動産会社に買い手を探してもらう「仲介」の売却の流れを例に、どのようなステップで進むのか確認しておきましょう。

<インスペクションを行う際の不動産売却の流れ>

1.不動産会社に物件の査定を依頼する
2.不動産会社と媒介(仲介)契約を結ぶ
3.不動産会社にインスペクション業者(検査員)のあっせんを相談する
4.インスペクションを依頼する
5.検査から検査報告書が作成される(2週間ほど)
6.売却活動を開始する
7.買い主と売買契約を結ぶ
8.売却代金の決済、物件の引き渡しを行う

検査の結果、インスペクションに問題がない(基準を満たしている)なら、広告や内覧など販売活動を開始します。
基準を満たさない場合は、修繕をするかどうか検討しましょう。

買い主の合意があれば、修繕しなくても売却は可能ですが、査定価格を見直し、修繕の必要分を見込んだ売出価格へ変更する必要があります。

修繕したほうが買い手が付きやすいですし、高く売れる可能性がありますが、修繕にかけたお金が全て取り戻せる保証はありません。

不動産会社と相談しながら、修繕するかどうか慎重に考えることをおすすめします。

 

まとめ

●不動産売却時のインスペクションとは、建物の状況調査のこと
不動産売買におけるインスペクションとは、中古住宅を目視や動作確認などで検査することです。
建築士の資格を持つ検査員が不具合など瑕疵をチェックし、内容や修繕のアドバイスをしてくれます。

●インスペクションは不動産売買取引上の安心感・トラブル回避につながる
インスペクションの実施は、検査費用や、不具合があれば修繕など対策にお金がかかるものの、売買取引上の安心感、トラブルの回避につながります。

●インスペクションの費用は実施した側が払う
インスペクションの費用相場は6万円ほどで、一般的には「実施を希望した側」が費用を負担します。

●不動産売却時のインスペクションのタイミングは媒介契約の締結後
インスペクションの検査業者は、不動産業者に相談すれば紹介してもらえます。
検査依頼のタイミングは、媒介契約を結んだあととなり、結果が受け取れるまでには、2週間ほどを要します。

北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。

 

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江別店 赤井 圭一出会うお客様は一人一人違う想いを持っていらっしゃると思います。それぞれのお客様に共感し、最後には「任せて良かった」とご納得していただける様日々取り組んで参ります。 空知エリアの不動産に関する事は私にお任せください。

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