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不動産に関する手続き2021.12.16
抵当権消滅請求とは何か?
抵当権とは、住宅ローンで借り入れの際に必要となる担保であり、その抵当権があることで住宅ローンを組むことが可能です。
マイホームは購入した時点でなんでも自由にできるわけではありません。抵当権は債権者の持つ権利であり、基本的にはローンを完済するまで抵当権抹消をすることができません。
今回は、抵当権抹消請求についてご紹介します。
抵当権消滅請求とは?
抵当権消滅請求を知るためには、まず抵当権を知ることから始まります。
抵当権とは、住宅ローンを組む時に、土地と建物に金融機関が設定する権利のことです。
抵当権は「担保」とも同じ意味で使われ、抵当権のあるローンは「有担保ローン」、抵当権のないローンは「無担保ローン」とされています。
金融機関としては、途中で返済できなくなったリスクヘッジとして、土地や建物に抵当権を設定するのです。
誰もが住宅ローンの返済を100%完済できるとは限らないからです。
そして、住宅ローンの返済が終わると抵当権を抹消することが可能です。
今回の「抵当権消滅請求」とは、抵当権の付いた物件を新たに購入した所有者が、債権者に抵当権の抹消を請求する制度です。
ただし、抵当権の消滅は、新しい所有者が物件を購入すると確定してからになります。
抵当権消滅請求のポイントとは?
抵当権消滅請求をするにはポイントがあり、場合によっては請求できないケースもあります。
① 債務者は抵当権抹消請求ができない
② 抵当権消滅請求のみなし承諾
③ 抵当権消滅請求の時期
債務者は抵当権抹消請求ができない
債務者は借金をしている状態であり、基本的にはその借金を完済しない限り抵当権抹消請求はできません。
借金をしている状態で抵当権を抹消してしまうと、お金を貸している債権者側は無担保状態となってしまい不利益を被る状態となってしまいます。
抵当権消滅請求のみなし承諾
抵当権消滅請求する時は、債権者に法律に則った書面を送付しますが、スムーズに承諾してもらえるとは限りません。
手続きが完了しないと、不動産を購入した第三者や不動産の流通にも不都合が生じます。
そのようにならないためには、書面を抵当権者が受け取り後、2ヶ月以内に競売をしなければ「みなし承諾」とされ、抵当権抹消請求を承諾したとみなされます。
抵当権消滅請求の時期
住宅ローンの完済後であれば、抵当権自体の必要性がなくなるので消滅請求をすることができます。
またローン完済前で抵当権消滅請求をするタイミングとしては、競売での差し押さえの効力が発生する前に限られています。
差し押さえが始まってしまうと、自由に処分することができなくなるためです。
相続した物件が抵当権付きだった場合
不動産を相続するときに、抵当権の付いた物件を相続してしまう可能性もあります。
そのような場合には、抵当権を変更する手続きをしなくてはいけません。
相続ということは不動産の所有者が変わることになるため、登記上の変更手続きが必要です。
それと同時に抵当権は、次の新たな所有者に引き継がれます。
ローンを完済していれば、抵当権抹消請求をすることが可能ですが、完済できていない場合には抵当権を抹消することはできず、相続人が引き継ぐことになるでしょう。
抵当権の付いている不動産には2パターンがあり、抵当権抹消の手続きをしないで自動で消えるわけではありません。
・住宅ローン完済済みであるが、不動産登記上で抵当権が付いている
・住宅ローンが完済していないため、不動産登記上でも抵当権が付いている
上記のように住宅ローンを完済していても、手続きが完了していないと抵当権が付いたままの状態となります。
抵当権付きか確認する方法
相続する物件に抵当権が付いているかどうかは、法務局で管理している不動産登記で調べることが可能です。
登記簿謄本(登記事項証明書)に記録されており、法務局の窓口または郵送でも書類を請求することができます。
住宅ローン完済後は放置をせず抵当権抹消請求を忘れずに
抵当権は、お金を貸す側のリスクヘッジであり、住宅ローンを完済するまでは抵当権を外すことはできません。
抵当権があることで、お金を貸す側と借りる側とのバランスがとれています。
ローン完済後は、抵当権抹消請求を忘れずに手続きするようにしましょう。