不動産売却のコツ2021.11.30
結露しやすい家でも売却できる?結露の原因と売却方法を解説〜その2
結露しやすい家だと売れないのでは…と不安に思っている人は少なくないでしょう。しかし結露が多い家は珍しくありません。原因や程度に合わせて適切な対処ができれば、売却する方法はあります。
今回は、結露によって引き起こされる問題や、結露しやすい家を売却するにはどのような方法があるかを解説していきます。
結露が引き起こす問題とは
家は適切にメンテナンスしないと傷みが進行してしまいます。結露対策もその一つ。しかし、なぜ結露を放置してはいけないのでしょうか。
結露は、カビやダニの発生原因となるだけでなく、壁の内部が結露することによって家の老朽化を早めてしまう可能性があるためです。では具体的に、結露によってどのような問題が起こるのか見てみましょう。
カビやダニの原因になる
カビは、湿度が高く、気温が20℃~30℃の環境で繁殖しやすいと言われています。冬に暖房で暖められた室内は、まさにカビが発生しやすい環境なのです。
カビは壁紙やカーテンなどの見栄えを悪くするほか、カビを餌とするダニも発生してしまいます。これらは、喘息やアレルギーの原因と言われており、健康被害につながりかねません。家族の健康を守るためにも、結露にはすぐに対処することが大切です。
内部結露は家自体を傷める
結露には、窓やサッシに発生する「表面結露」と、壁の内部で起こる「内部結露」の2種類があります。
窓ガラスについた水滴であれば、見てすぐ分かるので拭き取ればいいのですが、内部結露が起こるのは目に見えない場所。被害が大きくなって初めて気付くケースが少なくありません。
内部結露の怖さは、知らないうちに柱や梁が腐食するなど、家の傷みが進んでしまうこと。さらにシロアリの被害を受けると、家の耐朽性や耐震性が低下し、地震が起こった際に倒壊する恐れもあるため非常に危険です。
こうなると資産価値は下がり、売却に影響する恐れもあります。結露しやすい家を売却するには、主に3つの方法があります。
結露しやすい家を売却する3つの方法
①修繕して売却
②更地にして売却
③買取専門の不動産会社に売却
状況によって選択すべき売却方法は変わってきます。それぞれの家に合った方法を選びましょう。
①修繕して売却
結露を防げるよう修繕することで、相場に近い価格で売却が可能です。
修繕は、結露が最も発生しやすい窓を次のように加工・変更することがポイントです。
・断熱コーティングや結露防止シートで加工する
・樹脂製のサッシに変更する
・内窓を設置して窓を二重にする
また内部結露は、壁の断熱リフォームで断熱材や防湿シートを施工することで防ぐことが可能です。
しかし、こうした結露対策には、当然費用がかかります。例えばサッシの取り替えは数十万、断熱リフォームの場合は150万前後が相場です。修繕が高額になる場合は、修繕前に売却を依頼する不動産会社に相談する方が良いでしょう。
②更地にして売却
結露が原因で家の基礎が腐食したり、シロアリの被害に遭っている場合は、資産価値が大きく下がります。多額の費用をかけて大規模リフォームを行う必要があります。
とはいえ、お金をかけてリフォームするよりも、解体費用の方が安く済むことも考えられます。売却後に手元に残るお金がより大きいのはどちらなのか、よく検討しましょう。
更地にしてから売却した方が買主の対象は広がりますが、一方で、解体には多額の費用がかかります。更地にすることを前提に、古家付きとして売却することも可能です。更地にすることを検討している場合は、必ず事前に不動産会社に相談してください。
③買取専門の不動産会社に売却
内部結露で家の傷みが激しい場合は、買取専門の不動産会社への売却を検討してみましょう。
通常の仲介による売却では難しい物件でも、買取であれば不動産会社や買取業者に直接買い取ってもらえる可能性があります。早く売却できるメリットは大きいでしょう。
ただし、価格は通常の売却に比べてどうしても低くなります。金額よりも早く売ることを優先する場合は、買取が向いていると言えます。少しでも高く買い取ってくれる専門業者を探してみてください。
まとめ
家の結露を放置しておくと、カビやダニが発生し、家族に健康被害が出る可能性もあります。気付いたらすぐに対策を施すことが必要です。
売却の予定がある場合は、なおさら結露対策は重要です。部分的な修繕で済むのか、大規模リフォームか、あるいは更地にするのか。結露の程度によって判断し、多額の費用がかかる場合は、工事や解体を行う前に、まずは売却を依頼する不動産会社へ相談することをおすすめします。