不動産査定について2025.09.10
マンション売却時に床の傷は直すべき?判断基準と売却のコツも確認
こんにちは。イエステーション北章宅建 滝川店の上家です。
「マンションを売却する際、床に傷があれば補修しておいたほうが良いのだろうか」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
長年住んでいれば、日常生活の中で床に多少の傷がついてしまうのは自然なことです。
しかし、いざ売却となると、床の傷が売却価格や印象に影響しないか気になる方も多いでしょう。
実は、マンション売却において床の傷は必ずしも修復する必要はありません。
今回のコラムでは、マンション売却前に床の傷を直すべきかどうかの判断基準をご紹介。
床に傷があってもスムーズに売却するコツについても詳しく解説します。
マンション売却前に床の傷は直すべき?直さなくても良いケースを確認
マンションを売却する際、軽微な床の傷は基本的に修復しなくても問題ありません。
理由は次の通りです。
- 中古マンションでは、生活で自然につく小さな傷は想定内
- 修繕費用を売却価格に上乗せしにくい
- 床材の色やデザインの好みが買い主によって異なる
- 修繕期間中、売却のタイミングを逃すリスクがある
上記の理由から、浅い擦り傷、小さなへこみ、薄いシミ、日焼けなどは、購入者にとって許容範囲内と考えられます。
中古物件を検討する買い主は、経年劣化を織り込み済みの可能性は高いでしょう。
また、修繕しても価格が上がるとは限らず、逆に「自分好みにリフォームしたい」と考える買い主にとっては、せっかくのリフォームが無駄になってしまうことも。
さらに、修繕工事に時間を取られれば、引越しシーズンなどの好機を逃すリスクもあります。
そのため、下記のケースでは、売却前の床の修繕は必ずしも必要ではありません。
- 家具移動時の擦り傷や、家具脚の重みでできた小さなへこみ
- ペットの浅い引っかき傷(ペット可マンションで一般的な程度のもの)
- 薄いシミや日焼けによる色むら
- 購入者が入居前に全面リフォームを予定している
ペットを飼っている住まいの売却に関する注意点は、「ペットを飼っていた家は査定額が下がる?売却の注意点と対策を解説〜その1」で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。
マンション売却前に床の傷を直したほうが良いケースとは?修繕方法の例も紹介
マンション売却では、基本的に床の傷を直さずに売却しても問題ありません。
しかし、安全面や衛生面への不安、購入希望者の印象に大きな影響を与えかねない傷の場合、修繕を検討したほうが良いケースがあります。
床の傷を修繕したほうが良いケース
下記のようなケースでは、売却前の修繕を検討することが望ましいです。
- 床に深い傷や大きなへこみがある(家電を落としてできた深い傷や穴、重い家具によるへこみなど)
- 部分的な剥がれや浮きがある
- 腐食や水漏れによるダメージが見られる(キッチンや洗面所付近など)
- 複数の目立つ傷があり、印象を大きく損なう
床の深い傷、大きなへこみ、部分的な剥がれや浮きがあると、つまずきやケガの原因となる可能性があります。
また、腐食や水漏れによるダメージは、内部の劣化やカビの発生につながり、衛生面への不安を与えかねません。
床の目立つ傷が複数あると、内覧時の第一印象を大きく下げるだけでなく、値引き交渉の材料となるリスクがあります。
そのため、売却後のトラブル回避のためにも、状況に応じて修繕を検討すると良いでしょう。
修繕方法の例
では、実際にどのような方法で、床の傷の修繕を行えば良いのでしょうか。
代表的な方法を3つご紹介します。
①DIY補修
基本的に床の浅い傷は補修不要ですが、傷が複数あったり、目立つ場所にあって気になる場合は、ホームセンターなどで販売されている補修キットを使って、自分で修繕できる場合があります。
費用目安は数千円程度と安価で、比較的手軽に試せる方法です。
②部分補修
限定的な範囲のダメージ(小さな深い傷、へこみなど)の修繕は、専門業者による部分補修が適しています。
費用は傷の程度や施工内容によって変動しますが、一般的には2〜5万円程度が目安です。
③フローリングの張り替え
広範囲のダメージや全体的な劣化が進んでいる場合は、専門業者によるフローリングの張り替えリフォームが必要になることがあります。
費用床面積や材質により異なりますが、目安として1㎡あたり約1.5万〜2万円前後です。
例えば、6畳(約10㎡)の部屋であれば、15万〜20万円程度が一般的な相場と考えられます。
リフォーム全般の判断ポイントについては、「家を売るときリフォームする?リフォームしないで売るのはアリ?」で詳しくお伝えしていますので、ぜひあわせてご参照ください。
マンション売却前に床の傷を直すかどうかを判断するポイント
床の傷を直すかどうかの判断は、複数の視点から検討してみましょう。
ポイント①目立つ傷かどうか
大きく深い傷や、リビング・玄関など目につきやすい場所にある損傷は、購入希望者の第一印象を下げやすいです。
一方、浅い擦り傷や家具の下にある小さなへこみなど、目立たない傷であれば、購入希望者は「これくらいの傷なら気にならない」と感じたり、「購入後に自分で修繕すれば良い」と考えたりする可能性が高いです。
そのまま売却しても、大幅な値引きを求められにくいでしょう。
ポイント②築年数や物件グレードに対し、傷の程度はどうか
築浅マンションや高級グレード物件を検討する購入希望者は、劣化が少ない状態を期待する傾向があります。
予想以上に大きな傷があると、マイナス評価を受けやすいでしょう。
一方、築年数が古い物件では、購入希望者はある程度の傷や経年劣化を「想定内」として受け止めることが多いです。
ポイント③修繕費用に見合う売却効果が期待できるかどうか
修繕費用をかけて、必ずしも売却価格が同等以上に上がるわけではありません。
例えば、部分補修に5万円をかけても査定額が変わらない可能性があります。
逆に、目立つ傷を放置したことで大幅な値引きを求められるケースもあり得ます。
費用対効果を考え、「修繕あり」と「修繕なし(値引きで対応)」を比較検討することが重要です。
ポイント④売却スケジュールに修繕期間を組み込めるか
工事期間が長引くと、引越しシーズンなどの売れやすい時期を逃すリスクもあります。
スケジュールに余裕がある場合は修繕を検討しても良いですが、急いで売却したい場合は、値引き対応など別の方法を選ぶほうがスムーズです。
最終判断は不動産会社と相談して行うのがおすすめ
ここまでお伝えした床の傷を直すか判断するポイントは、あくまで判断の目安です。
最終的な決断は、不動産会社や専門家の意見を参考にすると安心です。
「このグレードの物件では修繕してから売ったほうが良い」などと、実例に基づく具体的なアドバイスを提供してくれるでしょう。
床に傷があるマンションをスムーズに売却するコツ
床に傷があっても、対応次第で購入者に選ばれるマンションにすることは可能です。
コツ①査定時には床の傷を隠さず伝える
床の傷や劣化がある場合は、査定を依頼する段階で必ず正直に伝えておきましょう。
見えにくい位置だからと申告を省くと、「契約不適合責任」を問われ、「こんな傷があるなら購入しなかった」などと損害賠償や契約解除を請求されるおそれがあります。
事前に伝えておけば、査定額や販売戦略に反映され、後のトラブル回避につながります。
コツ②内覧時に印象を良くする工夫をする
床の傷を完全に隠すことはできなくても、室内全体の印象を向上させることで、傷の存在感を相対的に小さくできます。
室内の印象を良くする工夫をピックアップしてご紹介します。
ハウスクリーニングを実施
水回りや窓、照明器具などをプロに清掃してもらうと清潔感が増し、床の小さな傷が目立ちにくくなります。
傷を目立ちにくくする家具配置
大きな家具を使って傷を「隠す」のではなく、部屋全体を美しく見せるための演出として配置しましょう。
不自然な置き方は逆効果になるため注意が必要です。
照明と整理整頓を活用
照明を工夫し、自然光や間接照明を取り入れると、床の細かい傷が目立ちにくくなります。
さらに、物を減らして広く見せることで、購入希望者は部屋の魅力に意識を向けやすくなります。
傷の写真を事前に用意
査定時や内覧前に、傷の場所と大きさがわかる写真を用意しておくと、説明がスムーズになり、誠実さが伝わります。
物件の長所を強調
間取り、立地、眺望などをアピールして、床の傷から意識を逸らす工夫も有効です。
コツ③信頼できる不動産会社を選び、複数社に査定を依頼する
床の傷がある物件は、販売戦略や説明の仕方で印象が大きく変わります。
査定額だけでなく、床の傷への対応方法や販売戦略の提案内容を比較し、納得できる不動産会社を選びましょう。
類似物件の販売実績がある会社であれば、購入者心理を理解した効果的なアドバイスを受けられます。
不動産買取の検討もおすすめ
床の傷が多いもののリフォームをする時間や費用を捻出するのが難しいという場合は、不動産買取での売却を検討してみましょう。
不動産会社が直接購入するため、修繕せずにそのまま売却できます。
売却価格は仲介よりやや低くなる傾向がありますが、修繕費用・工事期間・販売活動の手間を省けるメリットがあります。
買取にかかる期間はおよそ1カ月とスピーディなので、相続不動産などで売却を急ぐときにも適しています。
不動産買取については下記のコラムでも詳しくご紹介しています。
不動産買取完了までの期間はどのくらい?早く現金化したい
まとめ
●マンション売却前の床の傷は基本的に修繕不要だが、ケースによっては検討を
マンション売却では、安全面や衛生面に影響を与えない程度の床の傷であれば、無理に修復する必要はありません。
ただし、安全面や衛生面に関わる深い傷や腐食、購入者の第一印象に大きく影響する損傷などは、状況に応じて修繕を検討しておくと安心です。
●マンションの床の傷を修繕するかどうかの判断は、総合的に行うことが重要
「傷がどの程度目立つか」「築年数や物件グレードとのバランス」「修繕費用と売却価格の費用対効果」「売却スケジュールへの影響」など、複合的に確認しましょう。
判断に迷うときは、不動産会社に相談し、アドバイスを受けると安心です。
●マンションのスムーズな売却には、誠実な対応と内覧での見せ方が大切
査定時に傷を隠さず正直に伝え、ハウスクリーニング、家具配置、照明・整理整頓などで内覧時の印象を向上させましょう。
信頼できる不動産会社を選ぶことも、スムーズな売却への近道です。
北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
空き家に関する相談や無料査定、相続問題など、どんなことでもお気軽にご相談ください。
著者

滝川店 上家 郁也現在は中空知、北空知、留萌地方を担当しております。過去には賃貸仲介業務にも携わってきました。 ご相談の際は売却・購入とともに賃貸との比較など、経験を活かしたご提案をさせていただきます。 私自身の個人的な経験では、中古住宅を購入してリフォームを行っておりますし、親族の不動産取引の委任を受け、売却の手伝いも経験致しました。それらの経験からもお客様にアドバイスできると思います。不動産のことでお困りでしたら、ぜひお任せください。
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