不動産管理コラム

不動産管理のこと2023.12.06

賃貸管理のクレームの事例と適切な対応について解説

こんにちは。イエステーション北章宅建 管理事業部の佐々木です。

マンションやアパートなど賃貸管理を行うにあたり、さまざまな業務が発生します。
その中の一つが、クレーム対応です。
クレームには大きなトラブルに発展したり、入居者の満足度低下につながったりするため、適切に対処することが求められます。

そこで今回は、賃貸管理のクレームについて解説。
クレーム処理の重要性や、クレーム事例とその対処法、注意点などもあわせてご紹介します。

トラブル相談

 

賃貸管理のクレーム処理の重要性

マンションやアパートなど賃貸管理には、入居者の募集や賃貸借契約の締結、入居者の管理・家賃回収、清掃や修繕といった建物管理など、さまざまな業務があります。
賃貸管理業務の中でも重要な業務なのが、クレーム処理です。

クレーム処理を放置していると、入居者が退去してしまったり、公的機関に報告されたり、悪い評判が広がってしまったりすることも。
また、クレーム処理に時間がかかると入居者の暮らしに影響を与えてしまい、別の賃貸物件へ仮住まいを用意する可能性もあります。
その場合は、仮住まい費用を請求される恐れもあるでしょう。

クレームは、いかに早く、そして適切に対応するのかが重要になります。

クレームというと「文句を言われる」などのマイナスのイメージが強いかもしれませんが、より良い賃貸管理ができるようになるチャンスでもあります。
不満を持ちながらもクレームを言わずに退去するというケースも少なくないため、クレームは貴重な意見をいただいたと前向きに捉えることが大切です。

なお、不動産オーナー様が賃貸物件を自己管理している場合は、クレームの対応は不動産オーナー様が行います。
一方、契約内容にもよりますが、不動産管理会社に委託管理している場合は、一般的に管理会社がクレームの対応を行います。

マンションやアパートの管理を自分で行う場合の業務内容については、下記コラムでもご紹介していますので、あわせてご覧ください。
マンション・アパート管理は自分で行える?メリット・デメリットを解説

 

賃貸管理のクレーム事例と対処法

賃貸管理においてよくあるクレームの事例とその対処法について、詳しく見ていきましょう。

 

事例①水が漏れている

マンションやアパートで多いトラブルの一つが水漏れです。
水漏れには、大きくわけて「上階の部屋からの水漏れ」と「水道からの水漏れ」があります。

上階の部屋からの水漏れの原因は、主にお風呂やトイレが詰まったことや、床に大量に水をこぼしたこと、排水管が破損したことなどが挙げられます。
一方、水道からの水漏れの原因は、蛇口や配管の破損、配管工事の欠陥であるケースが多いです。

 

クレームの対処法

水漏れのクレームがあった際は、すぐに修理業者へ連絡し、調査と修理を依頼します。
水漏れの責任の所在は、入居者の過失があるのであれば、修理費用などは入居者に請求します。
しかし、水道管の老朽化など設備の不具合が原因であれば、基本的には不動産オーナー様が修理費用を支払うことになります。

なお、水漏れによって床やクロスにもダメージがあれば、貼り替え工事の手配を行いましょう。
また、水漏れ被害の規模が大きい場合は、入居者に仮住まいが必要となるケースも。
これらの費用についても、責任の所在によって支払う人が異なります。

 

事例②音がうるさい

入居者同士のトラブルに発展することが多いのが、騒音です。
上階や隣家の足音や生活音、大音量の音楽、騒ぐ声、ペットの鳴き声など、さまざまな音が騒音トラブルの原因になります。

 

クレームの対処法

騒音のクレームがきたら、まずは双方の主張を聞きましょう。
状況を詳しく聞き、夜間の音楽や生活音が原因であれば、夜間の使用を自粛してもらうなど、入居者みんなが穏やかに暮らせるよう仲裁します。

これが難しいようであれば、客観的な判断の方法としては、騒音をデシベルメーターで計測して騒音レベルを確認するというのも一つの方法です。
明らかに常識をはずれた騒音レベルが検出されれば、該当の入居者に注意したり、入居者全体に騒音に配慮するようチラシを配布したりしましょう。

 

事例③悪臭がする

悪臭も騒音と同じくトラブルに発展しやすいクレームです。
例えば、「タバコのにおいがベランダに干している洗濯物についた」「ゴミのにおいが部屋から漏れている」「ペットのにおいが臭い」など。

原因はさまざまですが、悪臭はクレームを申し出た入居者だけではなく、ほかの入居者の生活に影響を与える可能性があるため、早めに対応しましょう。

 

クレームの対処法

まずは、マンション・アパートの管理規約に反していないかを確認します。
管理規約でベランダでのタバコを禁止しているのにベランダで喫煙していたり、ペット飼育の規約に反する飼育環境だったりする場合は、入居者へ改善を求めます。

ゴミが原因の場合も入居者に改善するよう依頼しますが、ゴミ屋敷のような厳しい状況であれば、清掃業者を紹介するなど、早めに改善できるよう努めましょう。

 

事例④設備が壊れている

給湯器やエアコン、扉や窓など、室内の備え付け設備が故障したことによるクレームも、よくある事例の一つです。

 

クレームの対処法

修理業者を手配し、修理してもらいましょう。
とくに給湯器やエアコンの故障など、生活に影響をおよぼす設備の故障は、すぐに対処する必要があります。

なお、故障の原因が入居者にあるのであれば、修理費用は入居者に請求できます。
しかし、設備の老朽化などが原因であれば、不動産オーナー様が修理費用を支払うことになります。

 

事例⑤共用スペースのマナーが悪い

玄関や階段などの共有スペースは入居者全員のものです。
廊下に私物を置いていたり、ゴミ捨てのルールに違反していたりと、マナーが悪い入居者がいると、クレームにつながります。

 

クレームの対処法

まずは現状を確認し、誰が行なっているのか特定できるのであれば、直接注意しましょう。
入居者が特定できない場合は、エントランスに張り紙を貼って注意喚起するのも効果的です。

なお、ゴミ捨て場のマナーが悪い場合は、防犯カメラを設置するのも効果的です。

 

事例⑥防犯面に不安がある

マンション・アパート内で不審者に遭遇したなど、防犯面の不安に対するクレームも。
実際に事件が起きた場合は、入居者の退去につながるため、しっかり対応しましょう。

 

クレームの対処法

セキュリティ対策が不十分であれば、センサー付きのライトや防犯カメラを設置します。
オートロックではない物件であれば、オートロックに変更するのも効果的でしょう。

なお、玄関まわりやゴミ捨て場が荒れていたり汚れていたりする場合は、不審者に狙われやすいです。
定期的な掃除を心がけ、清潔な状態を保ってくださいね。

 

賃貸管理のクレーム対応の注意点

マンションやアパートなど賃貸管理のクレーム対応において、いくつかの注意点があります。

 

対応の要・不要を適切に判断する

入居者からのクレームは、内容によっては不動産オーナー様や不動産管理会社が対応する必要がないものもあります。

備え付け設備の故障や水道・ガス・電気の不具合、騒音、マナー違反など、入居者の暮らしに影響をおよぼすクレームは、不動産オーナー様や不動産管理会社が対応する必要があります。

しかし、入居者が自身で購入した設備の故障については、入居者自身が対応すべき内容です。
クレームがきたら、まずは誰が対応すべきものなのか、適切に判断しましょう。

なお、修理が必要な場合の費用請求先は、原因によって異なります。
設備の老朽化など管理が原因の場合は不動産オーナー様が費用を支払いますが、入居者の過失や不注意によって修理が発生した場合は、入居者が支払います。

 

客観的に状況を確認する

騒音や悪臭などは、人によって感じ方が異なります。
これらのクレームについては、双方の意見を聞いたり、現状を確認したり、機器で数値を測ったりと、公平かつ客観的に状況を把握しましょう。

 

早めに対応する

クレームは迅速に対応することが重要です。
クレームを放置していると、不満を持った入居者が退去したり、悪い評判が広まったりするほか、大きなトラブルに発展することも。

とくにインフラの不具合やエアコン・給湯器の故障など、暮らしに欠かせない設備に関するクレームは、早めに対応しましょう。

迅速に対応することで、入居者は安心し、満足度も高まりますよ。

 

まとめ

●賃貸管理においてクレーム処理は重要な業務
マンションやアパートなど賃貸管理には、さまざまな業務がありますが、中でも重要な業務なのがクレーム処理です。クレーム処理を放置していると、入居者が退去してしまったり、公的機関に報告されたり、悪い評判が広がってしまったりすることもあります。

●賃貸管理のクレームの原因はさまざま
賃貸管理においてよくあるクレームとして、「水漏れ」「騒音」「悪臭」「設備故障」「共用部分のマナー違反」「防犯面への不安」などがあります。修理が必要な場合はすぐに修理業者へ依頼しましょう。入居者同士のトラブルは、規約に違反している場合は注意したり、双方の意見を聞いたりと、快適に暮らせるよう解決にむけて仲裁しましょう。

●クレームは対応の必要性や初動スピードに注意を
備え付け設備の故障や水道・ガス・電気の不具合、マナー違反など、入居者の暮らしに影響をおよぼすクレームは、不動産オーナー様や不動産管理会社が対応する必要があります。しかし、入居者が自身で購入した設備の故障については、入居者自身が対応する必要があります。公平かつ客観的に状況を把握し、迅速に対応することが何よりも大切です。

北章宅建では、都市部以外の賃貸アパート・戸建てを中心に不動産管理を行なっております。
不動産管理のことでお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

 

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著者
賃貸管理のクレームの事例と適切な対応について解説

栗山店 佐々木 博明不動産オーナー様の大切な資産の管理と、入居者様の住環境維持に努めてまいります。些細なことでもお気軽にご相談ください。 どうぞ、よろしくお願い致します。

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