2020.04.29不動産売買についての考察

【不動産売買業務における基礎と応用の違い】『~90%の基礎と10%の応用の重要性~』

北章宅建株式会社の坂本です。

【人口減少下でも売れる不動産は売れます】

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【不動産需要の時代変化について】

【不動産売却には情報統合が大切です】

 という不動産売却に関するコラムを書いてきました。

 今回は、不動産流通業務における基礎と応用の違いについて書いてみたいと思います。

目次

1、当社には約80万文字分の業務マニュアルがあります。

2、不動産会社でありがちな教育方法。

3、トラブルは基礎的な知識の不足で起きます。

4、90%の基礎と、10%の応用の違い。

5、当社は継続して教育方法の向上を図っています。

1、当社には約80万文字分の業務マニュアルがあります。

不動産流通、売買に関わる業務は一般に難しいというイメージを持たれている方も多いかと思います。確かに難しい面もあります。この難しさを言葉で表すと

「何が分からないのか分からない」

「不動産会社だけど、建築のことも多少知っておいた方が、そうだ法律も」

「分からないから危険予測が出来ず不安が大きくなる」

「価格も大きく責任も重くなる」

「仕事が辛い、問い合わせも怖い」

といった点に集約されるのかなと思います。かく言う私も、新卒時にこういった難しさを経験してきた一人になります。

22歳の新卒入社当時は約2週間の研修があり、その後現場で「見て覚えなさい」、「分からなかった聞きなさい」という世界に飛び込んで、試行錯誤しては失敗の繰り返しでした。

今思うと、本当にお客様には迷惑な営業だったなと思います。

何とか不動産業界の中を溺れながら泳いでいる中で、ある時、本当に一瞬の出来事でしたが、取引で使用する知識の規則性、コツみたいな物を見つけた事がありました。

その知識の規則性を見つけてから、知識の蓄積を文章にて行い始め、それ以降は自分で言うのもなんですが、それなりの営業マンになってきたかなと思います。

創業してからも知識の蓄積を行い、途中から現場に蓄積業務を委任し、校正担当の専門人員も割り当て、2020年現在では蓄積13年の歴史の中で約2000ページ、80万文字分の分量になっています。

こういった前提を踏まえながら、コラムを進めてみたいと思います。

 

2、不動産会社でありがちな教育方法

作家の新庄耕さんの本で狭小邸宅という本があります。実はこの本はノンフィクションだと言われていて、東京のある不動産会社を題材にしていると聞いたことがあります。この本の中に、こういったセリフが出てきます。

狭小邸宅のある一節

「武田ぁ、お前、案内入ってないのによく昨日帰れたな。てめぇ、なめてんだろ」

「おい、お前、今人生考えてたろ。何でこんなことしてんだろって思ってたろ、なぁ。何人生考えてんだよ。てめぇ、人生考えてる暇あったら客みつけてこいよ

「木村ぁ、お前、まだ辞めてねぇのかよ。辞めるか売るかはっきりしてくれよ、なぁ。お前のそのやる気のない面が周りの士気を落とすんだよ。わかってんのかよ、てめぇ」

これはそれぞれ別ページの別場面でのセリフです。こう見ると文章が繋がっている様にも見えます。それは終始一貫、売れるか売れないかのある意味一本筋の話だからだと思います。主人公の新卒社員に対して、教育の機会も無くずっとこうです。

この本を読んでいると、私は昔を思い出し、胸が少しきゅっと締め付けられる気分になります。営業へ振れ幅が大きい会社や組織にいた不動産営業経験者の方だと、このシチュエーションは見聞きしたり、それこそ昔を思い出すのではないかなと思います。

「見て覚えなさい」「分からなかったら聞きなさい」「なぜ聞かなった」「〇〇という様な営業トークで話してみなさい」「お客様にこう言われたら、こう言いなさい」「俺は昔からこうやってきた」「気合と努力と根性で乗り切れ」等々。

狭小邸宅と比較して言葉の厳しさは和らぎますが、本質は同じです。上記の様なセリフは今でも不動産業界の中で多く聞くのではないかと思います。

このセリフの前提として見て分かる資料がありません。ある意味、素質と自主性に頼った相手任せの教育でもあります。こういった下では危険予測を行う下地がない状態で、営業成績ばかりが先行し、未経験者の不安感を取り除くことが出来ません。

不動産業界で今現役で頑張っている人の9割は程度の差こそあれ、恐らくこういった環境で何とか生き残ってきた人達だと思います。だからこそ相手に同じことを求めてしまうという事も多いのだろうとも思います。

もちろん、これはこれで良いだろうという人も中にはいらっしゃると思います。ですが、こういった教育方法は、意図せず取引のトラブルを招く可能性が非常に大きく、お客様にサービスを提供する企業としては正直お勧め出来ません。

当社はこういった教育方法をほぼ完全に排除している自信があります。未経験者の戦力化も積み上げで出来る様になりました。

3、トラブルは基礎的な知識の不足で起きます。

不動産売買、不動産流通業務におけるトラブルはその殆どが「それを知っていれば買わなかった、売らなかった」に集約されます。

営業という言葉から連想するイメージから考えると、マナー不足、接客態度、言葉遣いでのトラブルの方が要因が大きいと思われる方もいらっしゃると思います。これらの点は基礎的な事が出来てれば、それ程多くの問題は生み出しません。

以前、別のブログでも記載しましたが、不動産売買、不動産流通業は個別性の強い「情報」を如何にスムーズに伝達するかがトラブルを防ぐために重要で、この情報をどの様に危険予測を行い、先回りして整理するかが不動産売買営業としての勘所になります。

【安心安全な不動産売却、取引とは】『~不動産取引は情報伝達が何よりも大切です~』

【不動産売却には情報統合が大切です】『~不動産情報を扱う不動産会社としての要点~』

個別情報を扱う為の知識と活用が「知っていたら買わなかった、売らなかった」と言ったトラブルを防ぐのに重要です。ただ残念な事に、この要点を網羅している、見てわかる道具を揃えていない企業、組織が本当に多いと感じます。

「努力、気合、根性」「見て覚えなさい」という教育や精神論がまだまだ横行しています。営業力という言葉のみを重要視し、不動産業界に染まり切り、古い体制に縛られている組織、企業ほど、基礎的な改善の重要性を認識していなく、積み上げに程遠い現状があります。

(あくまでも個人の意見という事は付け加えておきます)

4、90%の基礎と、10%の応用の違い。

不動産売買、流通業務においては90%の基礎と10%の応用の違いで知識を区別出来ます。90%の基礎における不動産取引の流れを約100段階に分けて、細かく記載していくと、殆どの必要な内容は網羅出来ます。これが当社で言うところの社内営業基礎マニュアルになり、2020年現在では80万文字の分量があります。

企業としての取り組み 3、成長できる仕組みと道具

当社では、不動産業界未経験者が入社して90%の知識を蓄えるのに、約半年から10ヵ月の時間を取ります。この不動産という仕事に余程の覚悟が無ければ、90%の基礎を1から10まで全て「見て覚える」事は難しく、相手の素質任せの教育手法は離職率を高める要因にもなっています。「何が分からないのか分からない」「事前の危険予測が出来ず不安」という事が起きます。

そして悪意も無いのに、取引でトラブルを生み出し、精神的な負担が増えます。

「見て分かる」道具を用意し、「何が分からないのか」明確にし、「事前の危険予測」をある程度見える様にすると定着率が良くなります。そして何より、そういった文化で育つと、後継者を育てる際に、同じように工程的に教えていくという循環が出来、安定したサービスの提供が可能となり、業務水準の見える化と向上が出来る土台が出来ます。

少しずつ自信と確信を付けていき、その上で実地で10%の応用を学んでいきます。

マニュアルでは10%の応用は中々書ききれません。それこそケースバイケースという事も多く、その時々の担当営業としての判断は経験の中で導き出される事も多いです。ですが、それは10%の応用的な物事に限られ、90%の物事は必ず見える化出来ます

同じ不動産売買、流通業務の延長にあると言っても、この2つには明確な差があります。

この差を理解してサービス水準の平準化と向上を図る事が不動産流通企業として重要な要点であると考えています。

 

5、当社は継続して教育方法の向上を図っています。

不動産売買、不動産流通、取引という一つの業務でも、段階によってそれが基礎であるのか、応用であるのかによって教育の要点や勘所が大きく違います。

当社は不動産流通売買業務の平準化を図り、その平準化のラインを企業としての能力で向上させて行く事に力を入れています。不動産売却を検討される際は、ぜひこういった観点を持っている当社 【イエステーション 北章宅建株式会社】へお気軽にご相談下さい。

きっと皆さまのお役に立てると思います。

 

 

 

 

 

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【不動産売買業務における基礎と応用の違い】『~90%の基礎と10%の応用の重要性~』

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