相続や名義のこと2022.02.03
シニア向け分譲マンションは相続できる?権利はどうなるのか?
特別な施設やサービスを設けて、シニアが快適に住むことができる分譲マンションがあります。
シニア向け分譲マンションとして注目されていますが、その権利や相続などはどのようになるのでしょうか?
通常の分譲マンションとどう違うのか、不安を感じる方も多いでしょう。
今回はシニア向け分譲マンションの相続や権利についてご紹介します。
シニア向け分譲マンションでも相続できる?
シニア向け分譲マンションは年齢制限があることが多く、例えば60歳以上で自立した生活ができる人などといった規則があります。
所有者は基本的に高齢者のため、自分が亡くなった後のことまで考えて購入を検討する方が多いです。
シニア向けという規則はありますが、分譲マンションなので購入者に所有権があります。
所有権があるということは、相続が可能であり、相続をしない場合は相続放棄するなどの方法を検討しなくてはなりません。
相続や売却の方法は、一般の分譲マンションと同様でどちらも可能となります。
しかし、シニア向けという括りがあるため、相続した後の活用方法や売却のポイントが変わってきます。
相続した後はシニア向けマンションをどう活用できる?
シニア向けの分譲マンションでも一般の物件と同じように相続が可能ですが、シニア向けとなるので相続後の活用方法についてポイントが変わる部分があります。
① シニア向けなので相続しても住めない
年齢制限の規約があるシニア向けマンションの場合、相続した親族の年齢が若く居住用とすることができないことが多いです。
相続しても規約年齢に達するまで住むことができないため、長期間利用できないケースもあるでしょう。
② 所有権なので管理費や修繕積立金がかかる
相続をした後に、年齢規約などで住めなかったとしても、所有権があるため管理費や修繕積立金がかかります。
そして毎年、固定資産税などの税金もかかってくるのでランニングコストをよく注意して考えることが大切です。
年齢制限によりなかなか住むことができない場合には、売却や賃貸を検討する必要があるでしょう。
③ 売却がスムーズにいかない場合がある
シニア向け分譲マンションは、一般の物件と同じように売却することが可能です。
不動産の売却は需要と供給のバランスがとれている時に成立するため、売却がスムーズにいくかはその時のタイミング次第でもあります。
ただし、年齢制限があるためこの種の物件を探しているのは購入検討者の中でも一部と言えるでしょう。
さらに、高齢者で住宅ローンを組めることは難しく、売却までスムーズにいかないことも想定されます。
すぐに売却をして相続税に充てようとしている場合には、間に合わないこともあるので、よく計画しておくことが大切です。
④ 資産価値が一般の物件と異なるケースがある
不動産の資産価値は、立地条件や築年数で決まることが多いですが、年齢制限やシニア向けサービス・特別な施設がネックとなり、資産価値が一般の物件と異なるケースもあります。
希少性が高いため、中古物件市場の中でも資産性が明確でないところも資産価値が不安定な要因と言えるでしょう。
付加価値があるため、場合によっては一般物件の市場よりも高く売却できる可能性もあり、まだまだ不透明な状況です。
⑤ 賃貸用としての運用は家賃が高くなりがち
自己居住としてはまだ住めないけれど、将来的に住むため売却はしたくない・・・という場合もあるでしょう。
その場合の選択肢として考えられる方法が、賃貸マンションとして活用すること。
賃貸マンションとして貸し出す場合、家賃設定が一般の物件より高くなることが多いです。
サービスや共有施設が充実している分、管理費や修繕積立金が高くなるため、その分賃料も高くなりがちなのです。
賃貸物件としての活用も可能ですが、ご紹介したように賃料が高めなことや年齢制限の規約などがあり、ハードルが少し高いでしょう。
相続後の計画を専門家に相談することも視野に入れましょう
シニア向けの分譲マンションは、所有権を得ることができるため、相続はもちろん売却することも可能です。
ただし物件の規約があるため、相続後の活用が難しい部分もあります。
相続の可能性がある場合は、先々の計画も早めにしておくと安心でしょう。