不動産売却の基礎知識2020.11.07

基礎にひび割れ・亀裂がある家は売却できる?原因と対策、売却のコツを解説

2018年に発生した北海道胆振東部地震では最大震度7を記録し、多くの建築物に被害が生じました。地震大国といわれる日本では、いつ自分の身に降りかかるか分からず、他人事ではありません。

地震が原因かどうかにかかわらず、家を売ろうと思ったら住宅の基礎にひび割れや亀裂を見つけた、ということも珍しくありません。

直してから売却すべきか、隠すと問題になのか悩むところですが、必要以上に不安にならなくても大丈夫。基礎のひび割れや亀裂の程度に応じた売却方法があるのです。

この記事では、基礎部分にひび割れ・亀裂が生じている住宅を売却する際の知識や注意点を解説します。

 

基礎のひび割れ・亀裂は0.5mm以上だと売却価格に影響する

 

そもそも、コンクリートには何らかのひび割れが生じる性質があります。そのため基礎にひび割れがあったとしても、そのすべてが売却に影響があるわけではありません。

問題になるのは、建物の構造を劣化させる恐れがあるひび割れです。住宅に悪影響を与えると判断されると、売却価格は下がってしまいます。では、どの程度のひび割れが売却価格に影響するのでしょうか。

ひび割れには住宅性能を測る公式な目安があり、基礎のひび割れの幅が0.5mm以上あれば、瑕疵になる可能性が高くなります。

また幅寸法とは別に、深さが20mm以上あり、さび汁を伴うものについても、瑕疵が存在する可能性が高いとされています。

基礎部分にこのようなひび割れがある場合は、売買契約時の重要事項説明に記載し、買主に告知しなければなりません。

ひび割れ幅は自分で測ることもできます。0.5mmを測定するには、クラックスケールと呼ばれる定規のような道具を用いる方法があり、ホームセンターなどで500円程度で購入できます。

ほかにも、太さ0.5mmのシャープペンシルの芯を、該当箇所にあてがって調べる方法もあります。

なお、ひび割れの太さや深さが0.5mm未満であれば、売却価格にはほとんど影響しませんので、安心して良いでしょう。

 

基礎のひび割れ・亀裂の原因と対策

 

基礎にひび割れが発生する原因は何なのでしょうか。

原因次第では、売却価格が下がるだけでなく、売却後に契約不適合として損害賠償や契約解除を請求される可能性があるので注意が必要です。

基礎のひび割れが起こる原因と対策を解説していきます。

 

【原因その1】基礎の施工不良によるひび割れ・亀裂

手抜き工事などの施工不良が原因で、基礎にひび割れが起こるケースがあります。

基礎は住宅本体を支える重要な部分です。ここにひび割れが発生するということは、基礎の強度不足が考えられる上、大きな地震が発生すれば家屋の倒壊につながりかねません。

具体的にどのような手抜き工事を行っているケースがあるのでしょうか。

 

①鉄筋の本数が少ない

鉄筋コンクリート造において、鉄筋は強度を高める役割を果たしています。

必要な本数は構造計算によって算出されますが、設計よりも鉄筋の間隔を広く開けたり、細い口径の鉄筋を使用していたりすると、コンクリートが力の負担に耐えらません。

本来必要な鉄筋が不足していると、ひび割れが発生し、倒壊の危険性が高まるのです。

 

②鉄筋の位置が表面に近すぎる

鉄筋を覆うコンクリートの厚さは、一般的に鉄筋の表面5cm程度と決まっています。

施工ミスによりこの厚さが十分ではなく、鉄筋の位置が表面近くに設置された場合、雨水が侵入して鉄筋が錆びてしまいます。

錆が発生すると赤茶色のさび汁が発生してしまうだけでなく、鉄筋が錆で膨張するため、ひどい場合にはコンクリートが剥離したり、鉄筋が露出することもあります。

また鉄筋の配置がコンクリート表面に近いと、鉄筋コンクリート造本来の特性が発揮されません。基礎が設計強度に到達していないことも十分に考えられます。

 

③品質が劣悪なコンクリートを使用

本来、建築資材は、JIS規格に基づいた製品を用いることが義務付けられていますが、建築費用を抑えるため品質の悪いコンクリートを使っている場合があります。

現場で練ったコンクリートやJIS認定のない工場から出荷された製品を使うと、品質が劣悪で強度が不足し、ひび割れや劣化が発生しやすい恐れがあります。

 

④コンクリートの施工不良

コンクリートは強度を保つための水分量が決まっています。しかし中には基礎にコンクリートを流し込む時間を短縮するために、水を足したり、雑な施工をする業者もいます。これも強度不足になる原因の一つです。

 

【基礎が施工不良の場合の対策】

施工不良が原因で基礎にひび割れが発生している場合、基礎が設計上必要な強度に達していない可能性があります。

この場合は、単に補修しただけでは解決しません。

非破壊検査を実施して基礎コンクリート内部の鉄筋の本数などを確認するほか、シュミットハンマーでコンクリートの強度を確認し、必要な基礎の補強をする必要があります。

 

【原因その2】不同沈下によるひび割れ・亀裂

基礎には問題がなくても、地盤が軟弱なために住宅が沈み、基礎にひび割れが発生することがあります。

地盤が部分的に沈下していくと、住宅も影響を受けて傾斜していきます。

不同沈下が進行していくと、基礎のひび割れの以外にも「外壁にひび割れが発生」「内壁のクロスが分断する」「建具の開閉が困難になる」「床に置いた物が転がる」などの事象が生じる可能性があります。

基礎にひび割れがあり、こうした事象が発生している場合は、不同沈下が進んでいると判断すべきでしょう。

 

【不同沈下が原因の場合の対策】

不同沈下が原因で基礎がひび割れし、住宅が傾いた場合は、ジャッキアップなどの方法で建物自体を持ち上げて工事を行います。

沈下修正には、鋼管杭を支持地盤まで圧入して建物を支持する方法や地盤改良など、様々な工法があります。

 

 

 

基礎にひび割れ・亀裂のある家をスムーズに売却するには

 

基礎にひび割れがある家は、安全上の不安も大きいため、売却しにくいことは想像できると思います。

では、どうすればスムーズに売却できるのでしょうか。

 

①基礎のひび割れ・亀裂は必ず告知する

基礎のひび割れは見栄えが悪いため、補修をしてから売却を進めることがあります。

しかし、購入希望者にそうした事実を隠ぺいしてはいけません。告知せずに売却した場合、後に買主から契約不適合として、損害賠償を求められることがあるからです。

ひび割れがあった事実や補修履歴を明らかにすれば、売却価格を値切られることはあったとしても、長期的にみれば、大きなリスクを回避することができるのです。

 

②重大な不備は補修をする

ひび割れのある住宅は、買い手が見つかりづらいのが現実です。ある程度売却価格を下げても、購入希望者が内覧の際に基礎の亀裂を発見したり、家の傾きに気づけば、購入を躊躇したり見送る可能性は十分にあります。

そのため、重大なひび割れは事前に補修しておいた方がスムーズに売却できます。

修繕費用を売却価格に上乗せすることはできませんが、売却できないまま何年も経ってしまうよりは良い選択。決して無駄な出費ではありません。

また欠陥がある箇所を補修することで、既存住宅売買瑕疵保険を利用できるというメリットがあります。

この保険に加入していれば、売却後に住宅の瑕疵が見つかっても、買主から請求される補修費用を保険金でまかなうことができますし、買主にとっても安心して購入できます。

 

③価格交渉には柔軟に対応する

基礎にひび割れのある家を、積極的に購入したいという人はなかなかいないでしょう。

購入を希望する人が現れたら、売却価格の値切り交渉が入った場合は大きく譲歩する方が、スムーズな売却に繋がります。

あるいは売却価格は維持したまま、「修繕費用〇〇万円負担」といった形で売り出すのも手。購入希望者の目に止まりやすくなります。

 

④買取専門の会社に買い取ってもらう

買取専門の不動産会社は、基礎にひび割れがあるといった「訳あり物件」も買い取ってくれます。

「ひび割れがある家は売れないのではないか」と心配したり、「修理費用を負担する資金がない」という悩みを抱えている方は、選択肢の一つとして考えると良いでしょう。

買取専門の不動産会社は、こうした家を買い取って、改修・リフォームすることで新たな価値を生み出すノウハウを持っています。売却の方法を熟知しているからこそ、意外と高値で買い取ってもらえます。

 

まとめ

基礎のひび割れ・亀裂は、幅0.5mm以上、または幅とは関係なく深さ20mm以上あると売却価格に影響します。

このようなひび割れの原因は、基礎の強度不足や不同沈下などが考えられます。構造の劣化につながるひび割れであれば、売却はそう簡単には進みません。

重大なひび割れは事前に補修し、既存住宅売買瑕疵保険に加入するなど、できるだけ買主の不安を解消する対策を講じるようにしましょう。

もし補修費用を工面できないなどの事情がある場合は、訳あり物件も扱う買取専門の不動産会社に相談する方法もありますので、選択肢に加えてみると良いでしょう。

イエステーションでも、様々な不動産売却のご相談をお受けしています。基礎にひび割れ・亀裂がある住宅の売却を検討している方は、一度当社までお気軽にお問い合わせください。

 

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