不動産売却のコツ2023.01.23

お墓に近い家を売却するポイントは?メリット・デメリットも確認

こんにちは。イエステーション北章宅建 石狩店の古木です。

「家を売りたいけど、墓地が近いからちゃんと売れるか心配…」。

お墓が近くにあると人によっては良くないイメージがあるため、家が売れるかどうか、価格に影響はあるか不安な方もいるでしょう。

そこで今回のコラムでは、お墓に近い家を売却するポイントを解説します。

お墓が近くにあるメリット・デメリットもあわせてご紹介するので、売却をご検討中の方はぜひ参考にしてくださいね。

 

お墓に近い家は売却価格にどう影響する?

家の近くにお墓があると、一般的には市場相場より売却価格が安くなる傾向があります。

「建物や土地に問題はないのに…」と思われるかもしれませんが、お墓が近くにあると「怖い」「近くに住むのは嫌だ」と感じる人もいるからです。

このような施設(建物)を「嫌悪施設」といいます。

物件に何らかの瑕疵(欠点)がある物件のうち、周辺に嫌悪施設がある物件は「環境的瑕疵物件」と呼ばれ、市場価格の2〜3割減となることも多いです。

 

嫌悪施設とは?

嫌悪施設を詳しく説明すると、心理的に避けたいと思う場所や危険を感じる場所のことです。

また、悪臭や煤煙(ばいえん)、騒音が発生したり、治安が悪かったりする場所も嫌悪施設に当てはまります。

「この施設が嫌悪施設だ」といった明確な定義はありませんが、一般的には次のような施設が嫌悪施設といえるでしょう。

【心理的に忌避しやすい施設】
墓地、葬儀場、刑務所、拘置所など

【危険を感じやすい施設】
ガソリンスタンド、原子力発電所など

【騒音・悪臭・煤煙・振動が発生する施設】
鉄道、高速道路、飛行場、学校、工場、ゴミ焼却場、下水道処理場など

【治安の悪化を招きやすい施設】
風俗店、パチンコ店、暴力団事務所など

 

購入希望者の中には「嫌悪施設があっても気にしない」という人がいる場合もありますし、絶対に避けたいと望む人もいるでしょう。

そうすると、嫌悪施設について買主に知られなければ良いのでは、と考えそうになりますが、事実を告知しないでいるのはおすすめできません。

 

嫌悪施設であることを告知しておく方が安心

売主には、不動産売却時の重要事項説明にて、家に瑕疵があればその内容を買主に伝えなければならないという告知義務があります。

瑕疵とは、水漏れやシロアリ被害といった家の価値を下げる欠点のことです。

瑕疵があるのにわざと買主に隠していた場合、契約不適合責任を問われる可能性も。
「契約とは違う」「瑕疵があるなら買わなかった」として、代金の減額や契約解除、損害賠償を求められる恐れがあります。

契約不適合責任(瑕疵担保責任)についての詳細は、「不動産売却で注意すべき瑕疵担保責任とは?責任への対策方法も解説」をご参照くださいね。

 

お墓が近くにあるといった環境的瑕疵については、嫌悪施設に明確な定義がないのと同様に、告知義務の対象である規定はありません。

しかし、お墓のイメージは人それぞれですので、あとから「お墓があるなら買わなかった」とトラブルにならないよう、事実を告知しておくほうが無難です。

 

お墓に近い家のメリット・デメリットを知ろう

お墓に近い家はデメリットしかないイメージがありますが、実は買主へフォローとして伝えることができるメリットもあります。

事前に知っておいて、アピールポイントとしましょう。

 

お墓に近い家のメリット

家の近くにお墓があると次のようなメリットがあるため、不動産会社の担当者から買主に、よくアピールしてもらうと良いでしょう。

  • 静かな環境が得られる
  • 住環境が変わりにくい
  • 日当たりと風通しが良い
  • 地盤が安定している

 

お墓は人の気配が薄いイメージがあり、行事などがない限り、普段は静けさに包まれた環境です。
緑が多く配置された墓地も多く、隣地がお墓であれば、緑豊かで閑静な環境が得られるでしょう。
日の光や風の通りが建物に遮られることもないので、洗濯物もよく乾きます。

また、住環境の変化は不動産を購入する上で買主が気になるポイントです。
宅地など私有地とは異なり、突然墓地が撤去され、マンションや商業施設が建つといったことは考えにくいため、日当たりなど安定した住環境がアピールできます。

安定性としてはもう1つ。
墓地は地盤が良い場所に建てられることが多いため、地震など自然災害などが発生しても、地盤沈下や建物の崩落が起こりにくいでしょう。

 

お墓に近い家のデメリット

お墓に近い家のデメリットは次のとおりです。
こちらも把握した上で、対策・フォローができると良いですね。

  • 夜間はひときわ暗く、人の出入りが少ない
  • 風水・占いで運気が悪いとされる
  • 線香の臭いがする
  • お供え物目当ての動物による被害がある
  • お盆・お彼岸の時期に路上駐車が増える可能性がある

 

不動産を購入する上で風水・占いを重視する方も多いので、運気が悪いと購入を避ける人もいるでしょう。

墓地の特徴として、線香の臭いやお供え物を狙う動物にも注意が必要です。
線香の臭いが服や洗濯物に染み付くと落ちにくく、女性は特に気にされる方も多いです。

また、お供物を狙った猫やカラスなどが家の敷地に侵入し、食べかすやフンを落としていく被害を受ける可能性もあります。

普段は人の出入りが少ないですが、お盆やお彼岸の時期などは騒がしくなり、路上駐車が増えたりして、生活に影響を及ぼす恐れもあるといえるでしょう。

これらのデメリットをできるだけ払拭するためには、次でご紹介する売却ポイントを踏まえることが重要です。

 

お墓に近い家を売却するポイントは?

先にお伝えしたとおり、お墓に近い家は一般的にイメージがあまり良くないため、市場相場より売却価格が下がる傾向があります。

そのため、売却するポイントとして、次の4つの点を押さえておくと良いでしょう。

  • 売却に時間がかかることを想定しておく
  • 希望売却価格にこだわりすぎない
  • 早く売りたい、高く売りたいといった売却活動の方向性を決める
  • 不動産買取も売却の方法として視野に入れる

1つずつ解説しますね。

 

売却に時間がかかることを想定しておく

お墓を嫌悪施設と捉えるかは人によって異なりますが、周辺環境に問題がない家と比べると、お墓が近くにある家は売りにくいといえます。

そのため、売却には時間がかかることを想定して売却活動に臨みましょう。

売却代金を新居の購入資金に考えている場合は、現金化に時間がかかることを考慮して、スケジュールに余裕を持っておくと、資金の調達に焦らずに済みますよ。

 

希望売却価格にこだわりすぎない

お墓が近くにある家は、「いくらで売りたい」と希望の売却価格があっても、買主によっては減額交渉を持ちかけてくる場合も。
売主としては必ず価格交渉に応じる義務はありませんが、断固として値下げしない、といった姿勢を見せると、せっかく見つけた購入希望者を逃してしまうかもしれません。

希望の価格をいくらと定めるのではなく、ある程度許容できる価格帯を決めておく方が良いでしょう。

 

早く売りたい・高く売りたいといった売却活動の方向性を決める

どんな不動産を売る際にも共通することではありますが、お墓が近くにある家を売却するなら、希望の売り方の方向性を位置付けておきましょう。

なるべく早く売って現金化したいのか、できるだけ高く売りたいのか。
引っ越しのため早く資金が必要ならスピードが大切ですし、相続・空き家物件などを高値で売りたいといった場合は、売却活動にしっかりと時間をかける方が良いでしょう。

ただし、時間をかければ高値で売れる可能性はあるものの、売却活動が長くなればなるほど、物件の維持・メンテナンスに費用がかさむため、ご注意くださいね。

ご自身の資金状況や予定にあわせて、売却活動の方向性を決めることをおすすめします。

 

不動産買取も売却の方法として視野に入れる

不動産売却には、不動産会社に買主を探してもらう「仲介」と、直接買い取ってもらう「買取」の2つの方法があります。

仲介では売買契約の相手を探す必要がありますが、買取では不動産会社が契約相手となるので、売却までのスピードが早いことが大きなメリットです。

どうしても資金が必要で早く売りたいと希望される方は、不動産買取も売却の方法として検討してみてはいかがでしょうか。

 

お墓に近い家を売却する際の注意点

お墓が近い家を売却する際は、必ずその事実を、仲介を依頼する不動産会社に伝えましょう。

告知義務は売主だけでなく、仲介をした不動産会社にも課せられます。

重要事項説明にて瑕疵などを買主に伝えるのは不動産会社の役割なので、契約内容と事実が異なれば、不動産会社がペナルティを負う可能性もあります。

物件の情報は不動産会社側でも調査するので、売主が「お墓が近いこと」を隠し続けるのは難しいでしょう。

むしろ、きちんと事実を説明して売却活動の方向性を相談した上で、お墓に近いことのメリットを買主にアピールしてもらう方が賢明です。

物件の長所・短所を理解した上で、売却のノウハウがあり、親身になってくれる信頼できる不動産会社を選ぶことも重要ですね。

 

まとめ

●家の近くにお墓があると、一般的には市場相場より売却価格が安くなる傾向があります。お墓は、人によっては忌避したい嫌悪施設の1つだからです。周辺に嫌悪施設がある物件は「環境的瑕疵物件」と呼ばれ、市場価格の2〜3割の売却額となることも多いです。

●売主には、物件に瑕疵があれば買主に伝えなければいけないという告知義務があります。わざと隠していた場合、契約不適合責任を問われ、損害賠償などを求められる可能性も。トラブルを防ぐために、告知は行った方が無難です。

●お墓があるとデメリットも多いですが、住環境が変わりにくい、地盤が安定しているなどメリットもありますので、不動産会社から買主に上手く伝えてもらうと良いでしょう。

●売却のポイントは4つ。①「売却に時間がかかることを想定」しておき、②「希望価格にこだわりすぎず」、③「売却活動の方向性を決める」こと。なるべく早く売りたい方は、④「買取も視野に入れること」をおすすめします。

●注意点として、お墓が近くにある事実を不動産会社に必ず伝えてください。売却方法を相談し、親身になってくれる信頼できる不動産会社に依頼することが大切です。

 

北章宅建は、不動産に関するご相談を全て無料で対応しています。
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著者
お墓に近い家を売却するポイントは?メリット・デメリットも確認

石狩店 古木 篤広過去の経験や知識を活かして、お客様のお悩みや不安を解消する、最善と思われるご提案をさせていただきます。 お住替えや不動産売却などのお取引を通じて皆様のお役に立てるよう頑張ります。 不動産に関するご相談お待ちしております。

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